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日本酒好きで賑わう繁盛店『日本酒スタンド 酛』。気になるお酒と料理のこだわりを取材

新宿三丁目にある立ち飲みバー『日本酒スタンド 酛 (もと)』。連日大勢の日本酒好きで賑わう繁盛店です。今回は店長を務める髙橋 照和さんに酒や料理についてのこだわり、最新の日本酒情報を教えていただきました。

日本酒に合わせることを考えたメニューがずらり。

初心者も愛好家も楽しめる、高橋さん流の日本酒の選び方

『日本酒スタンド 酛』では、常時80種類以上の日本酒を用意。初心者向けの日本酒からレアなものまで、一杯380円~980円の範囲で味わうことができます(希少なものは除く)。
ラインアップされた日本酒は、どのような基準で選ばれたものなのでしょうか。

「オープン当時からお世話になっている酒屋さんが4社あり、その酒屋さんを通してお酒を入荷しています。時期によって多少の変動はありますが、初心者向けのお酒を8割、愛好家向けのお酒を2割……と考えています。そんな中で自分が意識的に選んでいるのは季節商品です。今だったらひやおろし、秋あがりが中心ですね」

「ひやおろし」とは、冬に造られ、春先に一度だけ火入れをし、夏を冷たい蔵で過ごして出荷される日本酒のこと。一方の「秋あがり」は、厳冬期に醸されたお酒が秋になって、品質が向上したお酒のことを指します。季節もの以外の常に入荷しているお酒も教えていただきました。

「『川鶴』『萩の鶴』はオープン当時からお世話になっていて、根強い人気のある銘柄です。僕個人が好きなお酒は千葉の『afs(アフス)』という日本酒です。酸味がすごく効いていて、ワインのような味わいが特徴的。うちのお客さんはビギナーの方からマニアックな方までいらっしゃいますが、『afs』はマニア向けではありながらも女性にも人気が高いです」

日本酒愛好家に勧めるのはこの逸品。

「今の時期のお勧めとしては、京都の『神蔵(KAGURA)』です。いつもはひやおろしがメインなんですが『神蔵(KAGURA)』の蔵が8月、9月と改装工事に入っていて稼働していなくて、お酒が蔵に無くなってしまったんです。それで7月に急遽仕込むことになって、8月の半ばに今年の新種が出ました。かなり珍しい形かと思います」


広島の日本酒「宝剣(寳劔)」は680円で提供。辛口好きの方におすすめ。

板前経験が活きる、日本酒に合わせた豊富な料理メニュー

もともと料亭で20年以上板前として働いていたという高橋さん。独立を視野に入れた際、日本酒を勉強したいと思い『日本酒スタンド 酛』に入店したそうです。経歴を活かし、料理のメニューは立ち飲み屋とは思えないほど豊富。なめろうから山葡萄レアチーズケーキ、秋田名物のしょっつる鍋まで、多様な料理をリーズナブルな値段で楽しめます。

「日本酒がメインのお店なので、お酒に合うものを意識して作っています。他に意識していることといえば……立ち飲み屋なので高額商品は置かないようにしています。ふらっと立ち寄って、お通しとお酒1杯で帰られるようなお客様もいらっしゃるので、なるべく低価格で量を多めにするようにしています。お客様によっては料理を1品だけ頼んで、ちょこちょことつまみながら10杯くらい飲まれる方もいらっしゃいますね」


人気メニューの一つである塩麹レモン唐揚げ

常連客を喜ばせるオリジナル企画も実施

『日本酒スタンド 酛』では日本酒好きの心を躍らせるオリジナル企画も行っています。例えば月末には「県Week」と称して、47都道府県の中から選別した場所の日本酒・郷土料理を揃える企画を開催。始める前には、必ずその土地に高橋さん自らが出向いているといいます。

「酒屋さんに蔵との間を取り持っていただいて、蔵の見学させていただいています。通常そういったことを酒屋さんが行われているかはわかりませんが、酒屋さんとの信頼関係があるので快く対応してくださいます。今月(2018年9月)は岡山県がテーマなので、イベントの前に岡山の蔵元に行く予定です。岡山では雄町というお米が有名で、しっかりとした味わいのお酒が多い場所なのですが、水害の被害が大きく、中には浸水してしまった蔵もあるそうです。自分の目で確かめてこようと思っています」

実際に様々な土地に足を運ぶことで「新たな発見がある」と高橋さん。「特に大分県は印象的でした」と振り返ります。

「九州は焼酎のイメージが強いですが、もともと日本酒の傍ら焼酎を作っていた蔵が多いんです。『二階堂』などの有名な焼酎が出てきたので、焼酎をメインに作るようになったそうで。そのため想像以上に美味しい日本酒がたくさんあって、特に『ちえびじん』というお酒が気に入っています。キレのある味で甘みもあるので、初心者にもお勧めです。最初の一杯に悩んでいたら、『ちえびじん』をご提案しています」

“日本酒の日”と呼ばれる10月1日に毎年開催される日本酒好きのイベント『日本酒ゴーアラウンド』の一環で、「ちえびじん」を作る大分の中野酒造が『日本酒スタンド 酛』に訪れ、カウンターの中に立たれるそうです。おそらく高橋さんの熱意が蔵元に伝わったのではないでしょうか。

日本酒の楽しさを伝えたい

「日本酒スタンド 酛」のスタッフは5人。繁盛店とあってただでさえ多忙のなか、独自の企画を毎月開催したり、大きなイベントに参加したりすることは、想像以上の手間と時間がかかります。それでも続ける理由はただ一つ、「日本酒の楽しさを広めたいから」と高橋さん。

「日本酒の蔵は全国に1500くらいあるといわれていて、さらに各蔵には30銘柄ほどはあるとすると、桁が想像できないほど日本酒には豊富な種類があります。でも日本酒業界って盛り上がっているように見えて、衰退している一方なんです。アルコール全体のなかで日本酒は5%といわれているくらい、飲まれる機会が少ないといわれています。それでも日本酒は農家さん、蔵元、杜氏など人とひとのかかわりを経て、やっと1本が完成するもの。たかだか3000円くらいのお酒ですが、それ以上の価値があるものです。その価値を高めたいという気持ちがあります」

熱い想いは人を動かす。人と人との関わりで完成していく日本酒と同様に、『日本酒スタンド 酛』も繋がりと志を大切にしながら今日まで歩んできました。高橋さんの日本酒への真摯な姿勢、深い愛情が、酒屋や蔵元、さらにはお客様の心を掴むのだろうと感じさせてくれました。


『日本酒スタンド 酛』
住所/東京都新宿区新宿5-17-11白鳳ビルディングB1F
電話番号/03-6457-3288
営業時間/月曜日~金曜日 15:00~23:00 土曜日・日曜日・祝日 12:00~21:00
定休日/不定休


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