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ジビエのひそかなブームが進行中。安全な調達ルートや料理法は?

昨年放送のレストランを舞台にしたドラマではジビエ料理が登場したほか、ジビエの地域ブランドが評判を呼ぶなど、近年じわじわとジビエに対する注目度が上昇しています。野山を駆け回り足腰が鍛えられたジビエは、高たんぱく・低脂肪という良質な栄養価に恵まれ、健康志向の方や美容意識の高い女性客からも好評。田畑への被害対策として駆除した鳥獣を、食用にして有効活用する取り組みも活発になっています。一方で、安全な流通ルートや調理法などについては、あまり広く浸透していません。そこで今回は、ジビエの調達先やメニュー例、仕入れ時・調理時の注意点などをご紹介します。

Detail of dried meat from wild boar(猪の干し肉)  画像素材:PIXTA

そもそもジビエとは?

牛・豚・鶏など家畜として生産された肉に対し、狩猟で獲った野生の肉をフランス語でジビエと呼びます。かつてフランスでは上流階級の人々しかジビエを入手できなかったため、高級食材として貴族の伝統料理などに使われていました。日本でも古くからジビエを食べる習慣はあったものの、殺生を禁じる仏教や家畜肉が普及した背景があり、下火になっていた時期もあります。


近年、ジビエが静かなブームに

昨今、日本ではジビエの注目度が高まりつつあり、2019年は干支にちなんで、イノシシ料理を新たに開発したりキャンペーンを実施したりする飲食店が増加しました。ジビエが脚光を浴びるようになった理由は、農作物や家畜に多大な被害を及ぼす鳥獣を駆除した際に「廃棄により命を無駄にするのではなく、食材として有効活用しよう」という動きが強まったからです。高たんぱく・低脂肪・鉄分豊富などジビエの優れた栄養価が、健康や美容に高い関心を持つお客様から支持されていることも、ブームを後押ししています。

また政府は、鳥獣被害の対策を進めると同時に、ジビエのさらなる普及や安定供給を実現するための施策を実施。全国17ヶ所に、良質で安全なジビエを生産するモデル地区を整備しています。


仕入れをする際の注意点

現在ジビエは、明確な流通経路が広く知られているとは言い難い状況です。需要が高まったことで、猟師やオンラインショップ、狩猟免許を持っていないハンターから仕入れるなど、違法になりかねない取り引きが行われているケースも。飲食店では必ず、食肉処理業許可済みの施設で解体された肉を仕入れなければならないため、ご注意ください。


ジビエはどこから調達すべき?

安心・安全なジビエを扱う施設が広く浸透するよう、農林水産省が2018年に「国産ジビエ認証制度」を制定しました。衛生管理などの審査基準を満たしている認定施設が出荷した肉には「国産ジビエ認証マーク」が貼られています。農林水産省のホームページに認証事業者が掲載されているので、仕入れ先選びの参考にしてはいかがでしょうか。

認証施設からジビエを仕入れている飲食店や加工業者も「国産ジビエ認証マーク」を掲げることができるため、安全な食材を使っているお店としてアピールできることでしょう。またジビエの狩猟期間は、主に11月中旬から2月中旬に限定されています。1年を通してジビエ料理を提供する場合は、複数の仕入れ業者と取り引きしておくと安心です。


ジビエを活用しているお店にはどんなメニューがある?

鹿肉のボロネーゼ・スパゲティ 画像素材:PIXTA

従来はジビエを提供する飲食店の大半が専門店やフランス料理店でしたが、近年はシカ肉を使うカレー店や、シカ肉の丼とハンバーグを提供する和食店をはじめ、業態を問わずジビエが広がっています。イノシシのミンチをパスタソースに活用しているイタリア料理店もあるほか、ファストフード店では鹿肉バーガーが話題に。ソーセージや鍋料理などにイノシシ肉を取り揃えている居酒屋も登場しています。

ジビエの調理例

種類や個体、処理方法、産地にもよりますが、ジビエは調理後に野生的な臭いが残ってしまう場合も。独特の臭いがある時は、調理前に牛乳やヨーグルト、水、塩、塩麹などに一時間~一晩ほど浸けて、下処理をしておきましょう。では、数多あるジビエの中から、飲食店でも導入しやすいシカ、イノシシ、カモのメニュー例をいくつかご紹介します。

■シカは煮込み料理や唐揚げ、ステーキなどに
よく流通しているのは、ニホンジカやエゾシカです。もも肉の唐揚げや背ロースのステーキのほか、ポトフなどの煮込みメニューやローストに向いています。エゾシカは、すね肉や首肉などリーズナブルな部位を、挽き肉にして活用するのもおすすめです。

■イノシシはクセが少なめで豚肉に近い味わい
少し硬めでクセが少なく豚肉に近い味わいのイノシシは、醤油や味噌で煮込む料理のほか、ぼたん鍋として広く楽しまれています。洋食なら、赤ワインソースの煮込み料理やハーブをアクセントにしたローストに使用してはいかがでしょうか。下処理で臭みが抜けきれなかった場合は、豚肉と合い挽きにすることでコクや旨みが増します。

■カモは鍋物や鴨南蛮など幅広い料理におすすめ
一般的に流通しているのはアヒルとマガモを掛け合わせた合鴨ですが、ジビエのカモ肉は本鴨です。野生のカモは、コクや風味、旨みが濃厚。鴨鍋の主役として活躍するほか、鴨南蛮として麺類に取り入れることも可能です。カモのスモークやローストは、サラダのトッピングにもよく合います。鍋物やローストは、予め蒸しておくことでパサつきを防ぎましょう。焼き物はフォークなどで何ヶ所か刺してから火を通すと、余分な脂が落ちて程良い食感に仕上がります。


ジビエには十分な加熱が不可欠

火の通りが不十分だと、食中毒が発生する恐れがあるほか、E型肝炎ウイルス・寄生虫・腸管出血性大腸菌への感染リスクが高まるため、ジビエは生食できません。最低でも、肉の中心が75℃に達したあと1分以上は加熱してください。ジビエに触れた調理器具は使用後すぐに洗浄し、83℃以上のお湯または200ppm以上の次亜塩素ナトリウムで殺菌しましょう。ジビエに使った調理器具は他の食材と共用しないよう、くれぐれもご注意を。

安全な食材を仕入れるための知識や目を養う必要が

ジビエ料理を扱うためには、安全な食材を仕入れるための情報収集や、自分の目で食材の良し悪しを判断するための知識が不可欠です。仕入れの際には、トレーサビリティが整っているか・金属検出器で銃弾の残留がないことを確認したかなど、ジビエの捕獲や処理に関する詳細を業者に確認しておきましょう。トレーサビリティで問題ないと判明していても、獣毛などの異物が残っていないか・異臭がないかなどを自分の五感でチェックすることも忘れてはいけません。

引き締まった肉質のジビエは、家畜より濃厚な味わいを堪能できます。イベントメニューなどさまざまな手法でジビエの魅力をPRすることで、SNSでの口コミ効果を得られるかもしれません。駆除した動物たちの命を無駄にしないためにも、ジビエが一時のブームで終わることなく食文化として根付いていくよう、盛り上げていきましょう。


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