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牛肉・小麦など相次ぐ値上げ、今後注意の食材は?飲食店の仕入れに影響も
昨年から牛肉や小麦など、食材の値上げが相次いでいます。食材の価格高騰の理由は、原油価格の上昇や天候不順などさまざま。最近では、ロシアによるウクライナへの侵攻も食材の価格に影響を及ぼし始めており、仕入れ価格のさらなる上昇が懸念されています。そこで今回は、今後飲食店の仕入れに影響がありそうな食材とその理由についてご紹介します。

キャプション/画像素材:PIXTA
輸入牛肉の価格が高騰、高止まりの可能性も
「ミートショック」といわれるほど、価格が高騰しているのが輸入牛肉です。農畜産業振興機構が発表している牛肉の価格動向によれば、2021年1月時点で1キロ687円だった米国産冷凍バラ肉の卸売価格は、2022年1月には1キロ1047円と、ここ1年で360円も値上がりをしています。
ミートショックの背景にあるのが、人手不足や飼料費の上昇、原油価格高騰による輸送費用の増加など。長引く価格高騰は飲食店にも影響が出ており、すでに大手牛丼チェーンといった、輸入牛肉を扱う業態ではメニュー価格の値上げが相次いでいます。今後、輸入牛肉の価格は、高止まりするとの見方もあり、飲食店への影響はしばらく続きそうです。
ウクライナ侵攻が小麦など穀物の価格に影響
ロシアによるウクライナ侵攻も食材価格に影響を及ぼし始めています。ロシアとウクライナは、世界的な穀物生産国として知られており、情勢悪化による供給量の減少が価格の上昇につながっているのです。小麦は、以前から米国やカナダの不作により国際価格が上がっていましたが、今回の侵攻を受け価格が上昇。3月9日には、農林水産省が、国際価格の上昇などを理由に、製粉業者に輸入小麦を売り渡す際の価格を17.3%引き上げると発表しました。今後の状況次第でさらに高値となる可能性もあり、飲食店への影響は避けられない状況です。
また、食用油も今回の侵攻の影響を受ける可能性があるとされています。実は、ロシアとウクライナは、世界有数のひまわり油の生産国。これまでひまわり油を使用していた国が、ほかの食用油に切り替える可能性もあり、食用油全体の価格上昇につながると見られています。

キャプション/画像素材:PIXTA
紅ザケ・カニ・ウニなど海産物にも波及
価格の上昇が懸念されているのは、穀物や食用油だけではありません。紅ザケやカニ、ウニなどの海産物も影響を受ける可能性があります。農林水産省が発表している農林水産物輸出入情報によると、2021年の水産物輸入額の3位がロシアです。侵攻による経済制裁の影響で、ロシア産の水産物が入ってこないとなれば、価格の上昇もあるでしょう。
なかでも、ロシアからの輸入割合が高い、紅ザケ・タラコ・カニ・ウニなどの水産物は注意が必要です。とくに紅ザケは、輸入の約8割をロシアが占めており、今後品薄や価格の上昇が懸念されています。また、ウニは、昨年の北海道の赤潮の影響で価格が上昇していましたが、ロシア産の供給もままならないとなると、さらに値上がりする可能性があります。
天候不順などの影響を受ける食材も
天候不順などにより値上がりしている食材もあります。農林水産省が発表している食品価格動向調査によれば、2022年3月7日の週の馬鈴薯の価格は平年比132%、玉ねぎは平年比165%と高値を記録しています。この背景にあるのが、主産地である北海道の干ばつなどによる出荷量の減少。現在も高値で推移しており、3月後半も高値になると予想されています。
野菜は天候不順の影響を受けやすく、過去にはレタスなどの葉物野菜の価格が高騰したこともあります。今後も天候不順は起こる可能性があるため、警戒をしておく必要があると言えるでしょう。
昨今の相次ぐ食材の値上げは、コロナ禍で売上が減少している飲食店に、さらに追い打ちをかけています。今後も値上がりが予想される食材は多く、飲食店は何らかの対策が求められるでしょう。
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