米粉や信州サーモン、冷凍野菜…。相次ぐ食材価格の高騰で「代替品」に注目！

ここ最近、新型コロナウイルスやウクライナ侵攻、円安などを背景に、さまざまな食材が値上がりをしています。帝国データバンクが調査した、食品主要メーカー105社の価格改定計画によれば、2022年4月までに約4000品目が値上げ実施。さらに今後、2000品目超が値上げを予定しており、飲食店の仕入れ負担増は避けられない状況と言えるでしょう。こうしたなか、高騰している食材の代替品を探す動きがでてきています。そこで今回は、小麦やサーモンなど値上がりしている食材に代わる代替品をご紹介します。

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小麦は、パンや麺類など、さまざまな食品に欠かせない原材料ですが、主要生産国での不作やウクライナ情勢への懸念等から、国際価格が高騰。政府は4月から、製粉会社への輸入小麦の売り渡し価格を17.3％引き上げており、業務用小麦の値上げを発表している製粉会社もあります。

こうした状況で注目されているのが、米を粉状にした「米粉」です。米粉用米の需要や生産量は増加傾向にあり、昨今はパンや麺など幅広い食品に米粉が使われています。米粉は小麦よりも価格が高いですが、小麦の値上がりによりその差が少なくなりつつあり、利用しやすくなっているといえるでしょう。さらに、昨今の小麦の価格高騰を受け、岸田総理大臣も4月の会見で「輸入小麦から国産の米や米粉、国産小麦への切り換えを支援する」と話しており、今後の米粉の需要拡大が期待されます。

ロシアのウクライナ侵攻の影響で、値上がりしているのは小麦だけではありません。ノルウェー産の「サーモン」は、ロシア上空を避けて空輸していることなどを理由に、輸送コストが増え、値上がりをしています。そんなサーモンの代替品として注目されているのが、「ご当地サーモン」です。ご当地サーモンは、日本の養殖サーモンのことで、長野県の信州サーモンや山梨県の甲斐サーモンレッド、鳥取県の境港サーモンなどさまざまな地域のものがあります。

例えば、長野県の信州サーモンは、ニジマスとブラウントラウトを交配した品種で、きめの細かい肉質が楽しめます。これを機会に国内のサーモンに目を向けてみるのも良いかもしれません。

野菜は、天候不順の影響を受けやすい食材のひとつ。ここ最近は玉ねぎの価格が高騰しており、農林水産省の調査によれば、2022年4月18日の週の価格は、502円。平年比の195％と高値で推移しています。野菜の高値対策として、別の野菜で代用するという手もありますが、同じ野菜を使いたい場合は、冷凍野菜や缶詰を代替品として使うのも良いでしょう。長期保存が効くうえ、カットや茹でなどの下処理をした商品であれば、作業の手間を少なくすることにもつながります。

輸入牛肉は、干ばつや新型コロナウイルス等の影響で価格が上昇していましたが、ここにきて、急激な円安によるさらなる価格高騰が懸念されています。そんな輸入牛肉の代わりとして、植物性の代替肉に注目してはどうでしょうか。大豆などを使った代替肉市場は近年拡大しており、取り入れる飲食店も増えてきています。高値のものもありますが、使い方次第では、費用負担を抑えることができる場合も。さらに、代替肉は環境や健康面からも注目されており、料理に付加価値を付けることにもつながるでしょう。

また、植物性原料を使った代替品は、肉だけでなく、サーモンやウニなどの水産物も登場しています。とくにサーモンは、前述した通り供給が不安定になっているため、代替品候補として植物性原料のサーモンに注目してみるのも良いかもしれません。

食材の価格高騰への対策は、今回ご紹介した内容以外にも、仕入れる食材の種類を最小限に抑えたり、輸入食材を使っている場合は国内産の食材に目を向けたりすることなども挙げられます。依然として飲食店にとって厳しい状況が続いていますが、自分の店に合ったやり方でこの状況を乗り越えていきましょう。



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