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牛肉は欧州牛の時代へ!? 人気店『レストラン ユニック』に聞くリムーザン牛の魅力

今から15年前の2001年、日本でもBSEの疑いのある牛が確認され、飲食業界・食品業界を揺るがす大問題となりました。輸入牛に関しては、最初にBSEが確認されたイギリス産牛をはじめ、ヨーロッパからの牛肉輸入を全面停止。10年以上経った近年になって、ようやく輸入が再開されるようになりました。

現在では欧州牛を提供する飲食店も増えてきましたが、そもそも欧州産の牛肉ってどんな味なのでしょうか? 10年以上にわたって日本で食べることができなかったため、いまひとつイメージがわかない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は欧州牛の輸入再開の現状とその魅力について紹介します。

欧州牛は、US・オージービーフ、黒毛和牛などとは全く違う!

まず認識しておきたいのは、欧州牛は私たちがよく知っている黒毛和牛や、輸入牛肉として一般的な「米国産、豪州産」とは全く違うということ。欧州牛の主流は、脂肪分がほとんどない赤身肉です。欧州では健康志向が広まり肉の脂肪分は極力排除されます。また、環境維持の観点から牛にストレスを与えない放牧が一般的で、ホルモン剤などは禁止されています。

こうして育った牛の赤身は肉本来の“味わい”“薫り”が引き立つのが特徴。また、熟成させることが一般的で、さらに旨味を凝縮させてから食します。他店と差別化できる肉メニューを検討するなら、一度試してみたい食材といえるでしょう。

欧州産牛肉が輸入停止され、近年再開されている経緯

冒頭で紹介したように、2000年代初頭のBSE問題により、欧州から日本への牛肉輸入が全面停止されました。その後米国でもBSE症例が発見され、2003年に米国からの輸入も停止。しかし米国産牛肉は2年後の2005年には輸入再開となりました。これと比較して、2000年から10年以上にわたり日本市場に出回ることのなかった欧州牛。馴染みがないと感じる日本人が多いのも仕方がありません。しかしこの数年で急速に輸入再開の道が開かれてきました。近年の輸入再開の経緯を以下にまとめます。

2000年12月…ヨーロッパ産牛肉および牛肉製品の輸入を停止
2013年2月…フランス産牛肉(30月齢以下)および牛肉製品の輸入再開
2013年2月…オランダ産牛肉(12月齢以下)および牛肉製品の輸入再開
2013年12月…アイルランド産牛肉(30月齢以下)および牛肉製品の輸入再開
2014年8月…ポーランド産牛肉(30月齢以下)および牛肉製品の輸入再開
2015年6月…オランダ産牛肉輸入制限を30月齢以下に変更
2016年2月…ノルウェー・デンマーク産(30月齢以下)および牛肉製品の輸入再開
2016年2月…スウェーデン産牛肉(30月齢以下)および牛肉製品の輸入再開
2016年5月…イタリア産牛肉(30月齢以下)および牛肉製品の輸入再開
2016年7月…スイスおよびリヒテンシュタイン産牛肉(30月齢以下)および牛肉製品の輸入再開

このように続々と輸入解禁となった背景として、欧州各国が牛肉輸出を拡大しようという方針のもと、交渉した経緯があるようです。一方でフィンランド、ドイツ、ベルギー、スペイン、ポルトガル、英国などからの輸入は今も停止されています。

おすすめの欧州牛は?

制度上は欧州各国の牛肉が輸入されるようになりましたが、欧州の輸出業者が書類などの手続きを整えて日本への輸出を開始するまでには時間を要します。このため、今年再開措置がとられたノルウェー、デンマーク、スウェーデン、イタリアなどの牛肉が入手可能になるまでにはもう少し時間がかかる見込みです。

一方、一足早く輸入が再開されたフランス産牛肉は、品種・価格帯も多様で、最も仕入れやすい欧州牛です。フランスは欧州一の牛肉産出国で、自国消費分を自給しながら輸出に積極的といわれます。では、おすすめの品種をいくつか紹介していきしましょう。

■リムーザン牛
フランス中南部、リムーザン地方のブランド牛です。何よりの特徴は、リモージュの豊かな自然環境のもとで、放牧で育つこと。薫り高く美味しい赤身肉として世界に名を馳せています。最近は国内のレストランで扱っているお店が急速に増えていて、日本のシェフたちにも人気の牛肉です。

■バザス牛
フランスの神戸牛と呼ばれている高級種が、バザス牛です。ボルドーの南に位置するバザス産の赤身肉。旨味だけでなく力強さもあり、重いボルドーワインとのマッチングが絶妙です。

■シャロレー牛
ワインでいうとブルゴーニュ地方に近いシャロレー産の牛肉です。産出量が多く、他の銘柄よりは比較的安価に入手が可能です。熟成牛としても人気です。

人気店『レストラン ユニック』では「リムーザン牛のロースト」を提供

多彩な肉メニューと良質なワインが堪能できる店として評判の『レストラン ユニック』。そのオーナーシェフである中井雅明氏は、パリの数店で肉部門のシェフを経験。現在は不定期にリムーザン牛のロースト、仔牛肉のレバーなどを提供しているそうです。では最後に中井氏からリムーザン牛の魅力について教えていただいたのでご紹介します。

「欧州産牛肉は月齢が30か月以下のものしか輸入できないのが少し残念ですね。本場の牛肉料理の多くは72か月以上の牛を使うのが一般的なので。でも、そんな制約もありますが、私たちの店では常にさまざまな牛肉を試してみて、そのときどきで気に入ったものを提供するようにしています。リムーザン牛に関しては、熟成させることもあり価格は黒毛和牛ぐらいに高くなることも。でも、しっかりとした赤身で独特の薫りと味わいが楽しめるので、その価格に見合った価値があるといえます。人気メニューはリブロースのロースト。塊りのまま豪快にお出しするので、リムーザン牛の旨みを存分に味わえるはずです。これからも日本に入ってくる美味しい欧州牛を、最高のメニューで紹介していきたいですね」

なるほど、やはり独特の薫りや味わいは、ほかの肉では代えがたい魅力があるようですね。

さて、今回は輸入再開で注目されている欧州牛についてご紹介しました。すでに出回っているフランス産牛肉のほか、これからは他の国の牛肉も市場に出回ってくるでしょう。「健康志向」「環境に配慮」「旨みがある赤身肉」と、魅力がいっぱいの欧州牛。店の“売り”にもなるので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

「飲食店ドットコム 食材仕入れ先探し」では、欧州牛を扱う仕入れ業者を多数ご紹介しております。牛肉に強い仕入れ先一覧をご覧ください。

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