トランプ氏がTPP離脱を表明。そもそもTPPとは? 食材価格、安全面への影響は?

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トランプ氏がTPP離脱を表明。そもそもTPPとは? 食材価格、安全面への影響は?

11月21日、次期アメリカ大統領のドナルド・トランプ氏が、大統領就任後にTPPからの離脱をすると表明し、世界を驚かせました。
一方日本では、11月10日、TPPの国会承認を求める議案と関連法案が衆議院で可決され、TPPの承認手続きが着々と進行しています。

ここで改めて、飲食業界の視点からTPPについてまとめてみます。TPPによって飲食業界、特に食材はどのような影響を受けるのでしょうか。

そもそもTPPとは?

TPPは「環太平洋パートナーシップ協定」という加盟国間の経済自由化を目指す協定のことです。交渉参加国は、太平洋を囲む12カ国です。

北アメリカ アメリカ、カナダ、メキシコ
南アメリカ チリ、ペルー
オセアニア オーストラリア、ニュージーランド
アジア 日本、ブルネイ、マレーシア、シンガポールベトナム
※太字はTPP交渉スタート時の8カ国

その交渉内容は、農産物や工業製品の関税引き下げ・撤廃などをはじめとして、金融・通信などのサービスや著作権、投資や環境など21の分野に及びます。2010年より8カ国で交渉が始まりましたが(日本は2013年から参加)、分野ごとの交渉で参加国の中で折り合いがつかず、2015年10月にようやく大筋で合意がなされました。2016年2月にTPP協定文に参加12カ国が署名し、現在、参加国が国内で承認手続きを進めているという段階にあります。

■輸入食材の価格に影響するのは
まず、食材の価格に直接影響するのは、農産物の関税引き下げ・撤廃です。関税が低いほどTPP加盟国からの輸入食材が安くなります。

関税とは、輸入品にかける税金です。関税を高く設定すればするほど輸入品の価格が上がり、国内産の商品の方が優位になります。国内の産業が保護され税収も増えるので、国としては関税を高く設定したいところです。ところが、逆に輸出する立場に立つと、関税をかけられると自国の商品の値段が上がり競争力が低くなるため、関税はない方が良いということになります。

TPPでは、国内産業を保護するため参加国の間で、どの品目の関税をいつ撤廃する、あるいは引き下げるかという交渉が行われてきました。

■どんな食材が安くなる?
日本が輸入している2594品目の農林水産物のうち、2135品目で関税が撤廃されることになりました。TPP参加国からの輸入食材は、ほぼ現状より価格が下がる可能性があるといえるでしょう。また、輸入品の価格が下がり輸入量が増えることで、競合する国内産の価格にも影響が出ます。以下は農林水産省が発表した国内産の価格下落の可能性が高いとされる食材の一例です。

【食肉】
品目 現在の税率 TPP発効後
牛肉 38.5% 27.5% 10年目に20%、16年目以降9%まで引き下げ
豚肉(低価格帯) 1kg当たり482円 125円 5年目70円、12年目に廃止
鶏肉 11.9% 段階的引下げ 6年目に撤廃

【果物】
品目 現在の税率 TPP発効後
りんご 17% 12.7% 11年目に撤廃
パイナップル 17% 段階的引下げ
サクランボ 9% 4.2% 6年目に撤廃
キウイフルーツ 6.4% 0% 即時撤廃
メロン 6% 0%
いちご 6% 0%

【野菜】  
品目 現在の税率 TPP発効後
かぼちゃ 3% 0% 即時撤廃
ニンジン 3% 0%
アスパラガス 3% 0%
トマト 3% 0%
パプリカ 3% 0%
レタス 3% 0%
ブロッコリー 3% 0%

【水産物】
品目 現在の税率 TPP発効後
すけとうだら 6% 段階的引下げ 6年目に撤廃
ぎんざけ 3.5% 段階的引下げ 11年目に撤廃
べにざけ(冷凍) 3.5% 0% 即時撤廃
かつお 3.5% 0%
きはだまぐろ 3.5% 0%
えび 1~2% 0%

食の安全は大丈夫?

これまでTPPの議論の中で以下のような懸念も上がっています。

・まだ日本で認可されていない食品添加物が使われるようになるのでは?
・日本で禁止されている収穫後の農薬(輸送時の腐敗やカビなどを防ぐ)の規制が緩和されるのでは?
・遺伝子組み換え農産物について日本は表示を義務付けているが、アメリカには義務がないため、表示義務が撤廃されるのでは?

これまで日本がとってきた食の安全を守るルールが変更されるのではないか、という懸念があるのです。

TPPにはSPS(衛生植物検疫)という食品の安全性を統一するルールが定められますが、「SPSは加盟国に食の安全を確保する権利を認めるWTO- SPSに準拠しており、日本の制度変更が必要となる規定は盛り込まれていないため、日本の食の安全性が脅かされることはない」と日本政府は説明しています。

それに対し、TPP- SPSは貿易促進に重点が置かれ、「将来の不確実なリスクのため予防的に規制を導入する」という予防原則が明記されていないという指摘もあります。また、TPPが発効すると、日本の食品安全基準の決定にアメリカ企業など利害関係者の意見を聞かねばならなくなる、という懸念が有識者から示されています。

TPPによる食材価格の動向だけでなく、食の安全基準についても注視する必要があるといえるでしょう。

TPPが発効するのはいつ?

TPPは、署名から2年以内に参加12カ国のうち全ての国が議会での承認手続きを終えれば発効します。もし、全ての国で承認手続きができなかった場合、12カ国のGDP(国内総生産)の85%以上を占める6か国が手続きを終えれば、60日後に協定を発効することができます。

しかし、アメリカのGDPは1国で60.4%もあるため、もし離脱するとなれば現行TPPの発効は事実上、不可能となります。トランプ氏のTPP離脱表明は、壮大な「ちゃぶ台がえし」といえるでしょう。今後どのような動きを見せるのか要注目です。

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