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繁盛店『肉バル ゴリズキッチン』に聞く、「売れる」牛肉メニューとは?
新橋のビジネスマンや女性グループで連日賑わう『肉バル ゴリズキッチン新橋店』。目の前で肉の塊を好みの厚さに切り分け、好みの部位を食べ比べる。牛肉をカジュアルに楽しめると評判のお店です。その人気の源は京都産黒毛和牛「京の肉」にありました。
「京の肉」へのこだわり
ビジネスマンの町・新橋のイメージを良い意味で裏切るお洒落なお店『肉バル ゴリズキッチン新橋店』(株式会社Globridge)。オープンキッチンのバルスタイルで、店内は広々としています。客層はビジネスマンを中心に男女比は6:4。店舗は6階に位置するため、ふらっと立ち寄るお客は少なく、多くの人が看板メニューの「京の肉」カットステーキを目当てに訪れるそうです。
「京の肉」とは、京都の生産者に丹念に育てられた黒毛和牛のこと。京都市中央卸売市場第二市場で取引きされており、独自の厳しい基準に適ったものだけが「京の肉」として認定されています。繊維が細かいため舌触りがよく、脂肪もよくのっているのが特徴です。シェフの三田さんに「京の肉」との出合いと採用した理由を尋ねました。
「実は出合いは偶然です。おつきあいのあった仕入れ業者さんに『こんなお肉があるよ』と教えてもらい、京都市場の方をご紹介いただきました。サンプルを食べてみて、旨みや歯ごたえ、品質がとても良かった。さらに、価格とのバランスが良いと思いました。値段が高くて質の良い肉は他にもありますが、お客さんには美味しい牛肉を気軽に食べてもらいたい。これだ!と思いました」
人気メニューのポイントは「体験」
今回お話を伺ったシェフの三田元寛氏
「京の肉」カットステーキは、日替わりで霜降りと赤身より1部位ずつ提供しています(週末は3部位出すことも)。仕入れ先の「肉ソムリエ」が選んだロースとモモ肉を細かく12部位ぐらいに分けて提供しているとのこと。また、その時1番良い国産牛を2種類、さらにハモンセラーノなども用意しており、食べ比べや次にまた訪れる楽しみがあります。
また、量り売りも人気ポイントのひとつ。スタッフが部位に応じて美味しい厚みを提案し、肉の塊をゲストのテーブルで好みの厚さに切り分けます。70~80グラムがおすすめで、女性でも200グラム近く食べられる方もいるそうです。男性では600グラム以上食す人も。
「部位を選んだり、食べる量を決めたり……。最初の工程から体験してもらうと、もっと料理を美味しく楽しんでもらえるのかなと思いました。この店は、何か小さい体験を積み重ねてもらうことで付加価値をつけられないかな、と発想したことから生まれたんです」
食べ方もお好み次第。カットした後は一度レアで焼いたあと、オーブンで仕上げます。ミディアムレアで供しますが、焼石をつけ焼きを加えることもできます。
味付けは肉の良さをシンプルに味わってもらうため、塩のみです。様々な味を楽しみたい人には特製トッピングも用意。シャリアピンソースや刻みワサビ、柚子胡椒など5種類を用意し、自分だけのベストマッチを探してもらいます。
まかないから生まれた「京の肉 贅沢まかないカレー」
肉を扱っていると、どうしても切り落とし部分が出てしまいます。そこで生まれたのが「牛すじと白菜の塩煮込み」と「京の肉 贅沢まかないカレー」です。
「切り落としたこの部分を活用できないかと考えて、まず『牛すじと白菜の煮込み』がうまれました。このメニューの後にメイン料理を頼まれるお客様が多いので、あまりこってりとしないよう、シンプルに白菜と塩であわせようと思いました。『贅沢まかない熟成カレー』は、名前の通りまかないから生まれたメニューです。お客さんはやはり飲食店のまかないに興味があるようです。それをうまくメニューに載せたらどうかな、と。ステーキの切り落としを銘柄問わず煮込んでいるのでとても贅沢です(笑)。毎日つぎ足して、壁には熟成何日目かを書きだしています」
ゲストは締めの一品として召し上がるそうですが、一つのテーブルの方が頼むと香りにつられて、オーダーがよく入るそうです。カレーは別腹、という言葉を実感されるとのこと。
牛肉を柱としたメニュー構成
全体のメニュー構成についても伺いました。
「メインのステーキが焼きあがるまでの時間を楽しんでもらえるよう、ちょっとずつ食べられるタパス系を数多く揃えています。さっぱりしたマリネや一口でつまめるものなどが多いです。サラダでは彩りがきれいなバーニャカウダーが女性に人気です」
フレンチ出身の三田氏がつくるタパス料理はフレンチテイストで、このタパスを目当てに来店する人も多いそうです。また、季節メニューも好評で、冷菜からパスタ、カクテル、デザートなどを揃えています。
「春は、菜の花とホタルイカのマリネ、ホタルイカとタケノコのペペロンチーノなど旬の食材を使ったメニューが好評でした。夏のメニューはまだ考えていませんが、夏になると例年、レギュラーメニューの生ウニの冷製カルボナーラがよく出ます。やはり冷菜が人気ですので、さっぱりした牛肉の味を引き立てるようなメニューを考えます」
今後の展開について
ゴリズキッチンの名前は、三田氏のあだ名に加えて「ゴリラの豪快さと塊肉のイメージを感じてもらいたい」という思いから名付けられたそうです。予約札がバナナで出てくるなど遊びゴコロが満点。「とにかく牛肉を豪快に楽しんでもらいたい」という三田氏に今後の展開をたずねました。
「今後は多店舗展開を図りたいと思っています。また、しっかりここをパッケージングしてフランチャイズ展開も視野に入れています」
扱う牛肉のブランドとしては、当面「京の肉」で押していくとのこと。集客力をつける牛肉メニューの秘訣は、食材との出合いと料理を楽しんでもらうための工夫にありました。
さて今回は、人気店『肉バル ゴリズキッチン新橋店』のシェフ・三田元寛氏に“牛肉メニューへのこだわり”を伺いました。「飲食店ドットコム 食材仕入先探し」では、こだわりの食材を扱う仕入れ業者をたくさんご紹介しています。食材の仕入れ先をお探しの方は、マッチングサービスをご利用ください。
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