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高級バーガー戦争の背景から外食の未来を探る。飲食業界を刺激するアパレル企業たち【前編】

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高級バーガー戦争に「最後の大物」参戦!

ついに真打ち登場。黒船上陸で過熱する高級ハンバーガー戦争に、“最後の大物”と称されてきた『ウマミ・バーガー(UMAMI BURGER)』が参戦する。

『ウマミ・バーガー』はロサンゼルス発のハンバーガー店で、米Time誌の「史上最も影響力がある17のハンバーガー」に選ばれた過去を持つ。その名前は日本語の“うま味”から名付けられており、各食材のうま味を最大限に引き出す調理法を身上としている。オープンは今年の秋冬を予定。関東圏に1号店をオープンした後は、2020年までに全国10店舗の展開を計画しているそうだ。

高級ハンバーガーブームを牽引する正体とは?

それにしても、昨今の高級ハンバーガーブームの過熱ぶりはすごい。昨年にはニューヨーク発の『ベアバーガー(BAREBURGER)』と『シェイク シャック(Shake Shack)』が、そして今年はフロリダ発の『カールスジュニア(Carl's Jr)』が上陸。いずれも長蛇の列ができるほどの人気ぶりで、多店舗化もすでに始まっている。

まさにハンバーガー市場の新時代到来……。そう思えるほどの盛況ぶりだが、このブームを牽引しているのがじつはアパレル企業だということをご存知だろうか。

『ウマミ・バーガー』は「TOM FORD EYEWEAR」などのアパレル小物を日本展開するメディロスホールディングスが、そして『ベアバーガー』はトゥモローランド、『シェイク シャック』はサザビーリーグがそれぞれ運営する。またその先駆けとして、2000年から『J.S.BURGERS CAFE』を運営するベイクルーズの存在も忘れてはならない。

アパレル企業が飲食業界に参入し始めた理由

これらアパレル企業が、なぜ飲食業界へ本格参入し始めているのか。その背景には、「服が売れない時代」に突入したこと、そしてセレクトショップを中心に漂うコモディティ化の流れに抗えなくなり、事業領域をライフスタイル全般に広げざるを得なかったという実情がある。

しかし、畑違いである飲食業界においても、しっかりと成果をあげるアパレル企業には「さすが」のひと言だ。ハンバーガー店の話からは逸れるが、たとえばベイクルーズが運営する二子玉川『ファームショップ(FARMSHOP)』は、アパレル企業が運営するからこその魅力がたくさん詰まっている。

この店舗は“農園からテーブルへ”をコンセプトとしたカジュアルレストランなのだが、似たようなコンセプトの飲食店も多い中で、しっかりと個性を打ちだし「選ばれる店」となっている。センスある内装、オシャレなテーブルウェア類、思わずSNSに投稿したくなる料理の数々、さらに働くスタッフの佇まいもどこかファッショナブルだ。つまりはブランディングが巧みなのだ。

もともとは洋服を通じてライフスタイルを提案してきたアパレル企業が、今度は食を通じてライフスタイルを提案する。この流れは今後も続くだろうし、この“食を通じてライフスタイルを提案する”という動きは、飲食業界に少なからず影響を与えていきそうだ。本企画は2回に渡ってお届けしていくが、次回の記事では、ライフスタイル提案型の飲食店について詳しく紹介していきたい。

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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