飲食店ドットコムのサービス

横浜・野毛の「横丁」仕掛け人! オムニバス代表・新澤聖樹氏が横丁を作るこれだけの理由

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

「満天ホール」での開店前の朝礼の様子。声出しはほかの横丁でも恒例となっている

画像を見る

全オーナーがワンチームで接客力を磨く

また新澤氏は、「横丁は団体競技」と語り、全店が全体のルールを守って営業することと、最終的な意思決定者を明確にしておくことが大事だと説明する。「たとえば横丁の中に大手企業の店が入ってしまうと、そこだけ独自ルールが厳しかったりして統一が難しくなってしまう」と新澤氏。

「満天ホール」では、全店がチームで頑張ることを前提に、営業前の朝礼は全店のスタッフで行ない、「ハイハイ特訓」と呼ばれる声出しの挨拶も全員で実施。営業中も、入口で迷っているお客がいたら自分の店に誘導するのではなく、平等に施設の説明をする。ワンチームで接客力の向上に取り組んでおり、お客からのサービスへの評価も上々だ。

「野毛のスタ場」。1階と2階の2フロアに計3店舗が入居しており、全席立ち飲み・キャッシュオン形式。2階はフリースペースで、セルフ1杯100円~500円で酒を飲めるというのもユニーク

画像を見る

3年限定の「野毛のスタ場」では、新しい取り組みも

最後に、新澤氏の新たな挑戦としてぜひ紹介したいのが、2022年9月にオープンした「野毛のスタ場」。借り手がつかないほど古い物件をむしろ面白みに変え、3年間の期間限定営業として、毎日、閉店日までのカウントダウンをイベント的に実施。これまでの横丁ではできなかった取り組みにもチャレンジしているといい、その一つが横丁内での店をまたいだ料理の注文だ。

「お客さんにとってはいいことだけど、経営者から見ると客単価も売上もわからなくなってしまうので、なかなか踏み込めませんでした。期間限定だからこそある程度自由にやらせてもらえているので、閉店に向けていろいろなイベントも行っていきたいです」

「自分ももう47歳なので、今までの経験値で飲食業界に恩返しがしたい」と新澤氏。10月に野毛での出店が決まっているほか、今後は他エリアの横丁の再建や、キッチンカー事業の本格化にも取り組んでいくという。上大岡、野毛の町を飛び出し、さらなる活躍が期待される。

『満天ホール』
住所/神奈川県横浜市中区野毛町1-32
電話/045-341-0285
営業時間/1階店舗 平日17:00~24:00/土日祝12:00~24:00、2階店舗 各店舗によって異なる
定休日/不定休
店舗数/9店舗

『野毛のスタ場』
神奈川県横浜市中区日ノ出町1-24
営業時間/17:00~24:00/土日祝15:00~24:00
定休日/不定休
店舗数/3店舗

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ

Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
笹木理恵

ライター: 笹木理恵

飲食業界専門誌の編集を経て独立。スイーツ・パンからフレンチ、ラーメンなどまで、食のあらゆるジャンルを担当。飲食専門誌を中心に、一般雑誌やWEB、書籍などで活動している。「All About」「Yahoo!ニュース個人」でも執筆中。 https://foodwriter-rie.com/