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坪月商140万円の『立呑み 鉄砲玉』が自由が丘に新業態。店主に学ぶ“立呑み”戦略

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紹興酒「古越龍山」を使った「ドラゴンハイボール(喜醸仕込み)」(650円)や、最高級台湾茶「UMACHA」を使った「ピーチウーロン」(590円)のほか、「ナチュールワイン」(590円〜)など幅広いアルコールが揃う

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「さまざまな人が出入りするのが酒場の良さ」。今後は若手の独立も応援

2店舗ともに共通しているのは、誰をも受け入れるお店作りだ。これについて正木氏は「子どもの頃から両親のお店に出入りしていたのですが、酔っ払っているおじちゃんに小遣いをもらったこともよくあり、いろいろな人が集う酒場の風景が楽しそうだと思っていたんです。だからうちのお店はもちろん子連れもOKです。地元のお客さまだけでなく、うちの店を目掛けて遠方から来てくれる方もいて、幅広い年齢層の方が交わる場所であって欲しい」と幼少時代の原体験があったからだと語る。「接客は積極的に」と考える正木氏は、注文以外でもお客には絶対に話しかけるようにしているといい、忙しくても放置しないよう徹底している。

今後について「新店は出したいですが人ありきだと思っています。全ての店に自分が関わりたいし、自分が口にしてない料理は出したくない。自分の手が届く範囲、規模感でやっていきたい。また、スタッフの子たちには将来的には独立して欲しいと考えていて、お店を持ちたいと考える人たちの育成にも力を入れていきたいです」と正木氏は展望を語る。

スタッフたちには「経営を肌で感じてほしい」と考え、日々の売上、累計の売上、当日の客数、累計客数、当日の原価、累計の原価金額、原価率、人件費など日々電卓を弾いてレポートしてもらっている。家賃も日割り計算、水道光熱費も計上。月次のPL表は全社員で共有して、自身の店を経営するかのように数字的感覚を養ってもらっているという。

「私が小箱の立ち飲みにこだわっているのは、お店を持つ際に資金面で壁にぶつかる人が多いからです。工事費用も上がっているし独立のハードルは高い。だからこそ自分たちの持っている資本、借り入れられる資本でできることを考え、一人で戦える力を自分の会社に入ってくる人に感じてほしいと思っています。事業計画書の書き方から、保健所の許可の取り方も付き添って教えるようにしていて、独立できる状態まで育てたいと思っています」と男気あふれる。「自分でお店をやるのは楽しいですから」と正木氏ははつらつとしていた。

『立呑み 鉄砲玉』
住所/東京都目黒区鷹番3-3-19
電話番号/03-4400-8974
営業時間/15:00〜23:00
定休日/不定休
席数/2.8坪、スタンディング12席
公式Instagram

『立吞み中華 起率礼』
住所/東京都目黒区自由が丘2-14-2
電話番号/03-4400-0235
営業時間/16:00〜23:00
定休日/不定休
席数/4.4坪、スタンディング16席
公式Instagram

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経てフリーライターに。フードアナリストの資格を持ち、現在マガジンハウス『Hanako.tokyo』や徳間書店『食楽web』、ぐるなび『dressing』、日経『大人のレストランガイド』などで飲食店取材記事や食のエッセイを執筆中。