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豊洲移転で仕入れ事情はどうなった? 築地からの変化や卸売市場法改正による影響を解説

2018年10月11日、築地から移転した豊洲市場が開場し、様々な変化をもたらしています。例えば開放的だった築地市場に対し、豊洲市場は外の空気を遮断して衛生面を強化。荷物の搬入から搬出までを低温に保てる「コールドチェーン」に対応できるようになりました。さらに、築地市場では活気溢れるセリ場を間近で見学できましたが、豊洲市場では上階にある見学通路からガラス窓越しの見学に。残念ながら威勢の良い声を生で聞いたり、臨場感を肌で感じたりすることはできませんが、見学者とのトラブルを回避するなどのメリットを持っています。そしてこうした施設の変化だけでなく、仕入れにも関わる変化が起きています。

Photo by iStock.com/helovi

移転前に「卸売市場法」が改正され、セリにも大きな影響が

まず、2018年6月に「卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律」が改正され、話題となっています。この改正法のポイントは大きく分けて二つあります。

1 卸売市場の許認可制が「認定制」に
全国にある市場には、中央卸売市場と地方卸売市場があります。地方卸売市場の開設は企業や農業協同組合でもできますが、中央卸売市場を開設できるのは都道府県と人口20万人以上の市に限られ、これまでは認可制が取られていました。しかし改正により、国が認定さえすれば民間企業による運営も可能に。これはつまり、民間企業の参入が自由化されたということ。大手スーパーマーケットやインターネット通販企業などが市場を開設することが起き得ることを意味します。

2 効率のよい流通を目指し、これまでの原則や制約を緩和
「卸売業者」は「仲卸業者」を介して市場外の業者と取引する原則や、仲卸が産地と直接取引することができない制約が緩和されました。流通を効率的にするための改正とされていますが、歓迎する声も不安の声も上がっています。

そもそも卸売市場では、“生産者の味方”である「卸」と“消費者の味方”である仲卸の「セリ」による完全競争で価格を決定します。卸は生産者のために仕入れてきた生産物をより高く売ろうとし、一方仲卸は、それを少しでも安く買い付けて小売店に売ろうとするため、適正価格が守られ、結果的に生産者も消費者も守ることに繋がっていました。

しかし法改正が起きたことで、卸売場にスーパーや飲食チェーンなど資本力のある買い手が入ってくるようになり、大量の水産物を買い集めることができるようになってしまいました。セリ制度の公平性が失われる恐れが出てきただけでなく、生産者が安く買い叩かれてしまわないかという懸念も出ています。さらに、大手に水産物が流れれば、仲卸が“目利き”として良質な水産物を評価する習慣が無くなるとともに、質を大切にする零細の仲卸は品を十分に揃えられなくなってしまいます。仲卸にとっては、逆風の中での移転となりました。

仲卸が大量廃業、500業者を割り込む

仲卸を取り巻く問題は、法改正だけではありません。後継者不足や1000万円ほどかかるとされた移転費用がネックになり、移転を機に廃業をした仲卸は少なくありません。豊洲市場の水産仲卸は492業者で、築地市場が開設された1935年以来、初めて500業者を割ってしまいました。


Photo by iStock.com/Chiemi Kumitani

様々な変化がありつつも、青果部門は好調を維持

移転に伴う問題はニュースでも数多く取り上げられました。特に水産部門での問題が注目され話題となっていますが、青果部門では取り立てて大きな問題はなく、移転が進んだようです。それを叶えたのは、青果業者の各団体が青果棟で数回にわたり合同で行った「習熟訓練」があったためといわれています。水産部門を含めたすべての関係者を対象とした習熟訓練も行われましたが、それは今年に入ってからのこと。青果部門では昨年から入念に取り組んでいたとされています。

例えば2017年10月には、豊洲市場に200社超の仲卸業者だけでなく取引先も集まり、実際の取引形態に即した移動ルートや使い勝手などを確認しました。東京都によると、実際に豊洲市場を使った訓練は初めてだったそうです。取引先は、施設内を自分の目と足で確認できただけでなく、自宅から豊洲までの経路や所要時間を知ることもできました。関係者が懸念材料を払拭できたため、不安視する声が大きくならなかったのかもしれません。

築地市場で積み重ねられた文化は豊洲市場へ受け継がれてはいくものの、市場が転換期を迎えようとしているのは事実。これからも市場の変化に注目しておきたいところです。


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