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丑年に「牛肉」のハナシ。 格付けの仕組みや注目のブランド牛など、牛肉にまつわるあれこれをご紹介

2021年の干支は「丑(うし)」。そして丑といえば「牛肉」ですよね。業態を問わず様々な料理に使われる牛肉は、飲食店にとって欠かせない食材の一つです。そこで今回は丑年にちなんで、牛肉に関する雑学に注目していきます。和牛と国産牛の違い、格付けの仕組みといった基本的なことから、昨今注目を集めるブランド牛まで、牛肉にまつわる様々な知識をまとめました。


画像素材:PIXTA

「和牛」と「国産牛」の違いとは?

飲食店のなかには、「和牛」や「国産牛」を使うことにこだわっている店も多いでしょう。どちらの言葉も一見すると同じような意味に思われますが、実はそれぞれに定義が異なります。

牛のなかで和牛を名乗れるのは、黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種の4品種、及び4品種間の交雑種に限られます。ちなみに、日本では黒毛和種が多く、その数は日本で流通している和牛の約98%を占めるほどです。

これに対し、国産牛とは牛の種類を問わず、日本国内で飼育された牛のこと。そのためオーストラリアで生まれた牛でも、その後輸出され、日本で飼育された期間の方が長ければ、その牛は国産牛ということになります。

牛肉の格付けの仕組みとは?

牛肉には、「A5」や「A4」といった格付けがあり、店のブランディングやお客さんへのアピール材料として使っている店舗も少なくありません。しかし、牛肉の格付けは味を評価しているものではなく、A~Cの3段階からなる歩留等級と、1~5の5段階からなる肉質等級を組み合わせたものです。

歩留等級では、枝肉から取れる部分肉の割合を評価。Aが最も部分肉が取れる割合が高く、逆にCは標準より劣ったものであることを指します。肉質等級では、サシの状態・肉の色沢・肉の締りとキメ・脂肪の色沢と質を判断します。数字が大きいほど評価が高い牛肉です。

国ごとに呼び方が異なる、牛肉の部位

牛肉は、肩ロースやヒレなど、部位ごとに名前が付いていますが、国によって異なる名前で呼ばれています。仕入れ時やメニュー表記などでミスをしないためにも、どこがどの部位を指しているのか知っておきましょう。以下に一例を紹介します。

※各国でカットの仕方が異なるため、それぞれの部位が完全に一致しない場合もあります

■肩ロース
アメリカ:チャックアイロール、オーストラリア:チャックロール

■リブロース
アメリカ:リブアイロール、オーストラリア:キューブロール

■サーロイン
アメリカ:ストリップロイン、オーストラリア:ストリップロイン

■ヒレ
アメリカ:テンダーロイン、オーストラリア:テンダーロイン

■肩バラ
アメリカ:ブリスケット、オーストラリア:ポイント・エンド・ブリスケット


画像素材:PIXTA

全国各地で生産される「ブランド牛」、その定義とは?

全国各地で様々なブランド牛が生産されていますが、ブランド牛がどんな基準をクリアした牛なのか知っていますか?ブランド牛は、ブランドごとに基準が定められており、その基準をクリアした牛だけが名乗ることを許されます。

たとえば、松阪牛は「未経産の黒毛和種の雌牛」「松阪牛個体識別管理システムに登録済」「松阪牛生産区域での肥育期間が最長・最終である」などの基準が定められています。さらに、松阪牛のなかでも「兵庫県産の子牛を900日以上生産区域で肥育した松阪牛」は、「特産松阪牛」を名乗ることができます。


近年注目されているブランド牛とは?

ブランド牛といえば、松阪牛や神戸牛が有名ですが、その他にも様々なブランド牛があります。ここでは、近年注目されているブランド牛をピックアップしてご紹介します。

■紀州和華牛(和歌山県)
赤身肉の需要に対応した、和歌山県の黒毛和牛で、あえてサシを抑えているのが特徴です。そのため、肉質等級はサシの多い5の牛を除外し、2~4に限ります。また、県産のみかんジュースや醤油の絞りかすなどをエサにしており、ビタミンEが多く含まれているのも特徴です。

■信州白樺若牛(長野県)
“美味しい赤身肉”を目指した牛で、オーストラリアで生まれ育ったアンガス種×黒毛和種の素牛を信州に輸入して肥育。りんごの絞りかすなどをエサにして育てています。2品種の特徴を兼ね備えた牛肉で、きめの細かいやわらかな肉質が味わえます。

■近江亀井牛(滋賀県)
近江牛を生産する亀井牧場グループのブランド牛で、近江牛のなかでもさらに厳しい基準を満たした牛だけが認定されます。認定基準には「近江牛と認定された未経産の雌牛または自家牧場繁殖牛」「美しい立ち姿」「時間をかけた生体熟成」「気性が穏やか」「ビール粕を使ったエサと地元近江米のわらを与えられている」「愛情に包まれている」といった項目が並びます。


丑年ということで、牛肉にまつわる雑学をご紹介しました。ブランド牛や格付けが高い牛は上手く取り入れることで、お店の「ウリ」になるため、仕入れの段階からしっかりとこだわりたいですね。丑年の今年は、牛肉の仕入れに改めて注目してみてはいかがでしょうか?


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