- 仕入れ先探しトップ
- 食材バイヤーズマガジン
- イタリア産生ハム・プロシュートの輸入停止が長期化。 代替となる産地とは?
イタリア産生ハム・プロシュートの輸入停止が長期化。 代替となる産地とは?
2022年1月から続いている、イタリア産生ハムの輸入停止。イタリア産の生ハムは日本でも人気があり、さまざまな飲食店が仕入れていましたが、輸入停止が長期化し、その姿を消しています。そこで今回は、改めてイタリア産生ハムの輸入停止に関するお話と共に、代替品となるイタリア産以外の生ハムの特徴を解説します。
画像素材:PIXTA
イタリア産の生ハム、輸入停止から1年半以上が経過
イタリア産生ハムの輸入停止の背景にあるのが、アフリカ豚熱(ASF)という致死率が高い伝染病の発生です。日本では、2022年1月、イタリアの北西部にあるピエモンテ州でアフリカ豚熱が確認されたことを受け、イタリアからの豚肉等の輸入を停止しました。今回の措置により、多くの飲食店がイタリア産の生ハムを仕入れられなくなり、イタリア産生ハムを使ったメニューの販売停止や切り替えを余儀なくされています。
大手イタリアンレストランチェーンの『サイゼリヤ』も影響を受けた飲食店の一つです。『サイゼリヤ』では、これまでイタリア・パルマ産の生ハム「プロシュート」を提供していましたが、輸入停止により、販売を終了する事態となっていました。しかし、先日行われたメニュー改定を機に、生ハムメニューが復活。スペイン産の生ハム「ハモン・セラーノ」に切り替えることで、生ハムメニューを再開する運びとなりました。このように、イタリア産生ハムの輸入停止以降、イタリア産以外の生ハムへと目を向ける動きも出ています。
キャプション/画像素材:PIXTA
代替品に使いたい、イタリア産以外の生ハムとは?
では、実際にイタリア産以外の生ハムには、どのようなものがあるのでしょうか。以下では、イタリア産生ハムの代替品となる、イタリア産以外の生ハムについて、産地ごとの特徴などを紹介していきます。
■スペイン「ハモン・セラーノ」
スペインの「ハモン・セラーノ」は、イタリアの「プロシュート・ディ・パルマ」、中国の「金華ハム」と並んで世界三大生ハムに数えられる生ハムです。山岳地帯で生産されていたことから、スペイン語で「山のハム」という意味の名前が付いています。ハモン・セラーノには、白豚が使われており、熟成期間は、7か月ほどから数年かけるものまでさまざま。食べ応えがあり、肉の旨味がしっかりとあるのが特徴です。
また、スペインには、「ハモン・イベリコ」と呼ばれる生ハムもあります。黒豚を使った生ハムで、生産数が少なく、希少価値があります。
■フランス「ジャンボン・セック」
フランスも生ハムの産地として知られる国の一つです。フランスの生ハムは、製法によって名称が異なり、4か月以上の熟成期間を経たものは、「ジャンボン・セック」と呼ばれます。フランス語で、ジャンボンはハム、セックは乾燥したという意味があります。ジャンボン・セックの味は、あっさりとしており、イタリア産プロシュートのように柔らかい口当たりが特徴です。
■日本の国産生ハムにも注目
国産の生ハムの多くは、これまで紹介してきた国々の生ハムとは製法が異なります。しかし、日本でもイタリアやスペインのように、長期熟成した生ハムを製造しているところがあるのをご存知でしょうか。秋田や長野、群馬などに工房があり、それぞれ、味や香り、食感などに違いがあります。今回の輸入停止を機会に、国産の生ハムに注目してみるというのも良いかもしれません。
イタリア産の生ハムの輸入は、現在もストップしている状況が続いており、再開には数年かかると見ている専門家もいます。そのため、この機会に、イタリア産以外の生ハムに目を向けてみるのも良いでしょう。世界には、今回ご紹介した以外にも、さまざまな生ハムがあります。ぜひ、色々な国の生ハムをチェックして、自店舗に合ったものを仕入れてみてはいかがでしょうか。
「飲食店ドットコム 仕入先探し」では、こだわりの食材を扱う仕入れ業者をたくさんご紹介しています。食材の仕入れ先をお探しの方は、マッチングサービスをご利用ください。
最新記事
話題の食材・メニューに関する記事
食材仕入先マッチングサービスのご利用はこちら(無料)
ご利用は無料!仕入れ先からのご提案がメールで届きます!