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竹田クニ氏が語る2024年の外食トレンド。激動の世界情勢、時代と世代による消費者動向の変化を読む

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3、コロナ禍の「修復」から、新しい世代に向けての「チャレンジ」へ

今回お話を進めてきたように、現在の変化はコロナ禍を含む世界情勢の変化、世の中の変化によるもの。これからは、この新しい時代に向けて多くのチャレンジが必要になってくると考えています。

■サービスの対価性(換金性)向上
料理・ドリンクだけでなく、サービスの対価をどう市場に根付かせるか?

・空間、接客、ストーリーにいかに対価性をどう持たせるか
 →テーブルチャージや料理人、ソムリエアップチャージなど

・日本流のチップ制度へのチャレンジ
 →ポイント制やスマホの投げ銭機能などの取り組みが生まれている

■ダイナミックプライシング
・繁忙期、需要期に価格が上昇するモデルは成立するのか?
 →航空機、宿泊、レジャー産業では当たり前化している

■デジタル技術を活用した教育
オペレーショナルな業務で物理的に時間を取られてしまう飲食業で、従業員の知識・スキルを向上させる教育従業員が貢献感、効力感、成長感を感じられる=従業員体験価値を向上させられる取り組み。

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■高次元のマーケティング機能
・来客予測、顧客分析、販売促進、自動発注etc.デジタル技術を活用した高次元のマーケティング活動

リクルートが提供する経営支援サービス「Airメイト」

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■高次元の顧客体験価値創造
食のパーソナライズ、エンターテイメント技術の融合(ショー併設、プロジェクションマッピングなど)、イミ消費・SDGs的体験価値の創造、

4、まとめ -新たな外食産業としての再興-

記事冒頭でお話しした通り、現在迎えている様々な変化は、コロナ禍だけでなく激動の世界情勢や、時代と世代の変化の影響が大きいと考えられます。これから外食産業および外食産業を支援する立場にある人々は、こうした世の中全体の変化から、本記事で述べさせていただいた外食産業における変化を読み解き、意欲的なチャレンジにおいて協働していくことが求められます。

人類はこれまでも、戦争や災害という危機を乗り越え、そこから新たなイノベーションを生み出し、進化をしてきたことを歴史は物語っています。今まさに我々は「新たな進化」に向き合っているのだと考えられます。

竹田クニ
1963年生まれ。「ホットペッパーグルメ外食総研」研究員、株式会社ケイノーツ代表取締役、日本フードサービス学会会員、一般社団法人レストランテック協会顧問、早稲田大学校友会 料飲稲門会 常任理事。マーケティング、消費者の価値観変化、生産性向上などをテーマに講演、記事執筆、企業のコンサルティングを行うほか、外食、中食、給食を結ぶB to Bマッチングも手掛けている。

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。