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そもそも「給与体系」とは？
給与体系とは、従業員に支払う給与の決定方法や支給基準をまとめたもの。「給与」には基本給や各種手当だけでなく、賞与や退職金なども含まれます。給与は過去の業績と、未来に期待する成果の両方に対して支払う対価です。業績に応じた対価は賞与、未来に期待する成果への対価は基本給という形で支払います。
給与体系を見直す前に意識したいこと
給与体系の見直しを図る際は、「もっと優秀な人材を獲得したい」「従業員のモチベーションを高め、定着を促したい」という意図があることが多いのではないでしょうか。ただし、実際には給与を引き上げただけで優秀な人材が自動的に集まることも、従業員のモチベーションが高まることもありません。給与体系と評価制度がリンクしていない場合や、応募者や従業員がその仕組みに納得感を持てていない場合は見直しの効果が十分発揮されない可能性もあります。
一方、客観的でわかりやすく、整合性のとれた「納得感のある給与体系」をつくることができれば、応募者や従業員が目指すべき目標が明確になります。やる気や貢献意欲が引き出され、より優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。
給与体系を設計するポイント
正社員の給与体系の設計は、次のようなステップで進めてください。■1：大まかな設計をイメージする
・役職/等級に応じた給与の幅
・「基本給」「手当」「賞与」を合わせた年収
・業務や業務以外（家族手当など）の手当
などから、まずは給与体系の大まかなイメージを描きます。
■２：現状分析
現在はどの役職にどのくらいの給与を支払っているのか、どうすれば給与が上がる仕組みをとっているのかを見直しを行い、理想とのギャップを把握します。
■３：給与ポリシーの検討
給与を決める根拠には、職務の遂行能力を見る「職能給」、担当するポジションを見る「職務給」など、さまざまな考え方（給与ポリシー）があります。自社ではどれを採用したいのか考えてみてください。
■4：基本給を決める
給与ポリシーが決まったら、それに応じた基本給を決定します。概要設計でイメージしていた給与の幅や手当・賞与とすり合わせながら、具体的な額を決めていきましょう。
ここで重要なのが、役職や等級によってどのくらいの基本給を設定するのかを表にした「給与テーブル」を作成すること。インターネット上にテンプレートがあるため、興味のある人はチェックしてみてください。
■5：手当を決める
基本給が決まったら、各種手当について考えます。家族手当や昼食補助など、従業員のニーズを汲み取った手当を導入しましょう。
■6：実際の従業員でシミュレーションする
一覧表を作ってシミュレーションを行うことで、給与体系の妥当性を確かめることができます。シミュレーションは評価制度と照らし合わせながら行いましょう。
アルバイトの給与体系を決めるには？
ここまで正社員の給与体系について解説してきましたが、アルバイトの場合は、設計のポイントが少し異なります。アルバイトに対しては、多くの飲食店が「モチベーションが高い人材を獲得したい」という思いを抱く反面、「仕事を習得するまでは、試用期間の働きに相応な給与で働いてほしい」という本音を持ち合わせているもの。そうした希望を両立するには、次のような給与体系を設計するのがおすすめです。
・試用期間の時給で雇用する
・勤続期間に応じて定期的に昇給する
・定期的に評価の機会を設け、職務遂行能力に合わせて昇給する
適切な給与体系の設計は、理想の人材を獲得する大きな助けとなります。人材募集の前には、ぜひ一度自店の給与体系を見直してみてはいかがでしょうか。
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