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最低賃金はすべての事業場と労働者、使用者に適用される
各都道府県別の最低賃金は、法律により、労働者を雇うすべての事業場、および同事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用されると定められています。最低賃金以下で働かせた場合、使用者は最低賃金との差額を労働者に追加で支払わなくてはなりません。支払わない場合は、最低賃金法40条の規定により、使用者に50万円の罰金が科せられます。必ずチェックしたい、最低賃金の「よくある勘違い」
最低賃金については、使用者側も労働者側もあまり知識を持たず、さまざまな誤解をしている場合があります。ここでは、そんな「よくある勘違い」を紹介します。■給与が月給・日給・出来高制の場合は適用されない
月給制や日給制、出来高制の場合、最低賃金は関係ないと思われがちです。しかし実際には、月給や日給、出来高制の場合も時間額に換算し、最低賃金を下回っていないか確認する必要があります。もし下回っていたら、最低賃金との差額を追加で支払います。■最低賃金を下回ることに労働者が同意していても下回ってはいけない
たとえ労働者が同意している場合であっても、最低賃金を下回る給与で働かせることはできません。契約は無効とされ、最低賃金との差額を支払うことになります。■試用期間中は適用されない
試用期間中であっても、最低賃金は原則として適用されます。なお、特例として減額が認められるのは、以下の労働者について使用者が都道府県労働局長の許可を得た場合に限ります。・精神または身体の障害により著しく労働能力の低い場合
・試用期間中で、認定職業訓練を受けており、業務につく時間よりも訓練の時間のほうが大幅に上回る場合
・清掃や片付けなど軽易な業務に従事する場合
・実作業時間より待機時間が長いなど、断続的労働に従事する場合
■現在の契約期間が終わってから引き上げればよい
例えば、2024年1月から12月まで時給1000円で雇用契約を結んでいたところ、10月に最低賃金が1050円になったという場合、次の1月に時給を引き上げればいいと考えてしまう人もいるのではないでしょうか。実際は、契約期間の途中であっても最低賃金を上回る給与を支払う必要があります。月給・日給の場合の最低賃金の計算方法
月給・日給の場合は、それぞれ次の方法で最低賃金を上回っているか計算します。■月給
月給÷1か月の平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)■日給
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)求人募集時の時給を設定する方法
パート・アルバイトとして働く人の時給を設定するときは、最低賃金を上回るだけでは不十分です。競合他社や近隣エリアの店舗の時給をチェックし、適切な水準を知ったうえで、求職者にとって魅力的と思われる時給に設定しましょう。競合他社の時給を効率的に知りたい場合は、求人サイトの求人広告をチェックしたり、業界団体の賃金調査を参照したりするのがおすすめ。近隣エリアであれば、現地調査をするのもいいでしょう。
また、時給設定をする際は、あわせて昇給制度の見直しを検討しましょう。昇給制度が明確化されていることは、求職者だけでなく、現在働いているスタッフのモチベーションアップにもつながります。
最低賃金について正しく理解し、ベースの時給設定を行う際のポイントを把握しておくことは、公平・公正な店舗運営に欠かせません。この機会にぜひ覚えておきましょう。
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