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大切なのは「FLコスト」
そもそも「人件費=売上の30%」という考えはどこからきたのでしょう。
飲食店経営の重要な指標のひとつに「FLコスト」というものがあります。「F」とは「Food」、つまり食材費のこと。そして「L」は「Labor」のことで、人件費を指します。飲食店経営において利益を出すためには、この「食材費」と「人件費」を売上の60%以内に抑えなければいけないと言われており、その目安として「食材費率=30%」「人件費率=30%」という数字が生まれたのです。
もちろん業態や店のコンセプトによって、その比率はさまざま。例えば『立喰い焼肉 次郎丸』の食材費率は42%。良質な肉をリーズナブルな価格で楽しめることが“売り”となり超繁盛店に成長しました。その代わり人件費率は17%に抑え、FLコストは合計で59%。利益が出る60%以内にしっかりと収めています。
このように、人件費は食材費とセットで考えるべきで、「人件費=売上の30%」という言葉を鵜呑みにするのは少々危ないというわけです。ちなみに「人件費」には、給与のほかにも社会保険料や店負担の福利厚生費、さらに通勤交通費や賞与等の手当も含まれているので注意が必要です。
【そもそもFLコストって?】
飲食店経営の大切な指標「FLコスト」。利益を出すために必要な考え方とは?
飲食店経営の重要な指標のひとつに「FLコスト」というものがあります。「F」とは「Food」、つまり食材費のこと。そして「L」は「Labor」のことで、人件費を指します。飲食店経営において利益を出すためには、この「食材費」と「人件費」を売上の60%以内に抑えなければいけないと言われており、その目安として「食材費率=30%」「人件費率=30%」という数字が生まれたのです。
もちろん業態や店のコンセプトによって、その比率はさまざま。例えば『立喰い焼肉 次郎丸』の食材費率は42%。良質な肉をリーズナブルな価格で楽しめることが“売り”となり超繁盛店に成長しました。その代わり人件費率は17%に抑え、FLコストは合計で59%。利益が出る60%以内にしっかりと収めています。
このように、人件費は食材費とセットで考えるべきで、「人件費=売上の30%」という言葉を鵜呑みにするのは少々危ないというわけです。ちなみに「人件費」には、給与のほかにも社会保険料や店負担の福利厚生費、さらに通勤交通費や賞与等の手当も含まれているので注意が必要です。
【そもそもFLコストって?】
飲食店経営の大切な指標「FLコスト」。利益を出すために必要な考え方とは?
経営者なら知っておきたい様々な指標
「人」に関する指標は「人件費率」だけではありません。経営において大切な指標がいくつかあるので、簡単にご紹介していきましょう。
■人時売上高…労働時間1時間につき、どの程度の売上高が得られるかを表した数値。計算方法は「売上高÷従業員の想定労働時間」。基準値は4000円以上。
■労働分配率…粗利高に占める人件費の割合。付加価値に対する人件費の割合を示す指標であり、店が新たに生み出した価値のうち、どれだけ人件費に分配されたかを示す指標。計算方法は「人件費÷粗利高×100」。基準値は40%以下。
■労働生産性…従業員1人あたりの生産性を示す指標。計算方法は「粗利高÷換算人員」。基準値は500,000円以上。
■平均時給…社員・パートも含めた1人1時間当たりの時給。計算方法は「総人件費÷想定労働時間」。基準値は1,200円以下。
これらの数値を分析しながら、人件費を含めた経費を総合的に調整していくことは細やかな経営には欠かせません。こうした指標を簡単に出せる会計ツールもあるので、まだ導入していない方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
・最低賃金を下回っていないか?
・周囲にある飲食店の給与相場と比較して給与が低すぎないか?
・同業態の飲食店の給与相場と比較して給与が低すぎないか?
求職者に提示できる給与が、事情によりどうしても相場より低くなってしまう場合は、例えばアルバイトの募集ならば「髪型自由」「ネイルOK」「プライベート重視」「週1日~OK」など、求職者にとって魅力的なキャッチを 求人広告に盛り込むと良いでしょう。
【効果的な求人広告の書き方とは?】
求職者に響く求人広告の書き方。自店の魅力を伝える原稿のポイント4つ!
■人時売上高…労働時間1時間につき、どの程度の売上高が得られるかを表した数値。計算方法は「売上高÷従業員の想定労働時間」。基準値は4000円以上。
■労働分配率…粗利高に占める人件費の割合。付加価値に対する人件費の割合を示す指標であり、店が新たに生み出した価値のうち、どれだけ人件費に分配されたかを示す指標。計算方法は「人件費÷粗利高×100」。基準値は40%以下。
■労働生産性…従業員1人あたりの生産性を示す指標。計算方法は「粗利高÷換算人員」。基準値は500,000円以上。
■平均時給…社員・パートも含めた1人1時間当たりの時給。計算方法は「総人件費÷想定労働時間」。基準値は1,200円以下。
これらの数値を分析しながら、人件費を含めた経費を総合的に調整していくことは細やかな経営には欠かせません。こうした指標を簡単に出せる会計ツールもあるので、まだ導入していない方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
採用活動をする際に注意すべき点
また、採用活動においては、上の工程で調整・算出した人件費をもとに、募集の際に提示する従業員の月給・時給を決定しなくてはなりません。その場合、以下の点にも注意を払う必要があります。・最低賃金を下回っていないか?
・周囲にある飲食店の給与相場と比較して給与が低すぎないか?
・同業態の飲食店の給与相場と比較して給与が低すぎないか?
求職者に提示できる給与が、事情によりどうしても相場より低くなってしまう場合は、例えばアルバイトの募集ならば「髪型自由」「ネイルOK」「プライベート重視」「週1日~OK」など、求職者にとって魅力的なキャッチを 求人広告に盛り込むと良いでしょう。
【効果的な求人広告の書き方とは?】
求職者に響く求人広告の書き方。自店の魅力を伝える原稿のポイント4つ!
人件費を管理するうえで大切な3つのこと
最後に人件費を管理するうえで大切なことを3つお伝えします。
いかがでしたか? 「人件費は売上の30%を目安にすると良い」という言葉を鵜呑みにするだけでは、適切な店舗運営はできません。人件費は飲食店経営の中でも最も着目すべき数字なので、さまざまな側面から考察し、自店にとって最適な人件費率を導き出したいものですね。
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※2018/11/09 情報を追加しました。
1、人件費の「予定額」と「実績額」を一致させる
人件費を管理するうえで最も大切なのは、人件費の「予定額」と「実績額」を一致させることです。無駄のない適切な計画を立て、計画通りの労働時間と金額にしていくことが重要です。2、採用活動では費用対効果を意識する
「時給900円だけど仕事ができない従業員4名」よりは、「時給1200円だけど評判のいい従業員3名」の方が、最終的に店にとっては有益です。人件費を安く抑えることだけを考えるのではなく、費用対効果を意識した採用活動が大切といえるでしょう。3、人件費を変動費として調整できるようにしておく
売上の増減に合わせて、スタッフの労働時間を調節しなければ、人件費が固定費となってしまい、売上低調時に利益を落とすことになってしまいます。オーナーや社員などの固定費以外は、売上予測と実績の増減に合わせてシフトを調整するようにしましょう。いかがでしたか? 「人件費は売上の30%を目安にすると良い」という言葉を鵜呑みにするだけでは、適切な店舗運営はできません。人件費は飲食店経営の中でも最も着目すべき数字なので、さまざまな側面から考察し、自店にとって最適な人件費率を導き出したいものですね。
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