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はんつ遠藤さんが考える2019年のフードトレンド。 食材の良さを見直す「原点回帰」が肝に

毎年変わりゆくフードトレンド。近年はインスタブームもあって、フォトジェニックなメニューが注目される傾向がありましたが、今年は見た目よりも原点回帰の傾向にあるんだとか。今回も飲食店のプロデュース業も行うなど幅広く活躍されているフードジャーナリスト・はんつ遠藤さんに、昨年に引き続き、今年のフードトレンドを教えていただきました。

肉ブームのなかで注目される「鴨」

「昨今の肉ブームは止まるところを知らない。肉フェスも牛肉料理も豚肉料理も鶏料理もずっと人気です。特に昨年はチェーンのやきとり店が盛況で、各地に続々とオープンしました。牛や豚に比べて、まだ比較的低価格といえる鶏肉を使用した料理は、今後もブームを通り越して、もはや定着化して人気は続くといわれています。ですが、ブームというと鶏では弱く、トレンドを追う飲食店では最近、“鴨”に注目が集まりつつあります」

鴨のなかでも注目は2種類あるとのこと。

1 鴨肉
「従来から蕎麦店などでは鴨肉を使用した“鴨つけそば”“鴨南蛮”などのメニューがありましたが、一般の料理店でも取り入れるところも増加中です。いわゆるジビエが持てはやされていたりもしますが、そこまでの凄い食材を導入せずに、ちょっとジビエ的というか、初級編的な使用方法で鴨肉を取り入れるという流れが大きいです」

2 鴨骨
「もちろんそのまま食すわけではなく、出汁に使うほう。特にラーメン店などではトンコツも鶏骨も当たり前ゆえに、差別化を図る食材ということで鴨骨に注目するところが出てきています。本当は多くのラーメン店主は猪骨や鹿骨を使用したいのですがなかなか流通が難しく、まだ気軽に手に入る珍しい食材ということで、今は鴨骨に注目しつつあるようです」


Photo by iStock.com/ALLEKO

年中人気の「まぐろ」がさらにブームに

「今年も初セリで“すしざんまい”がまぐろを最高値でセリ落としたという話が、とても話題になりました。ご存じのようにその価格は毎年どんどんと上がっていますね。今年はなんと一匹で3億円を超えました。やりすぎという意見もありますが、一方で、まぐろを始めとした海産物卸売業などへの応援、支援という肯定的意見も多いです。なにはともあれ、毎年のようにまぐろは注目され、一年を通じて全国各地で人気です」

年中人気のまぐろ。今年ブームが訪れた理由とはなんなのでしょうか?

「まず第一に築地の市場が豊洲に移転したという話題性があります。否が応でも、豊洲の市場、特に海鮮系が注目されることから、海産物全体が活況を呈するという図式が成り立ちます。そうなると、一番の花形であるまぐろが特に注目されるという分かりやすさが、そこにあります。でも、特に重要なのは次の点です。最近は、以前に比べてインスタ映え(SNS映え)というのは、やや沈静化の兆しを見せていますが、それでも、やはりフォトジェニックというか写真映えする料理が人気であることは確実です」

はんつさんのアンテナに引っかかったメニューは……。

「ここへ来ていきなり話題になってきたのが“まぐろの断面刺し”というメニューです。主に海鮮居酒屋さんで提供されつつあるのですが、数人前程度の大きな刺身で、大トロ、中トロ、赤身などが全て断層のように見えるように切ったタイプ。分厚さもあるために数千円とかしますが、写真を撮って数人でシェアするということが、よく行われるようになってきています。小手先のフォトジェニックな美しさというよりも、食材本来の美しさを重視するという傾向になってきているともいわれます」


Photo by iStock.com/seksanwangjaisuk

輸入・国産ともに市場が拡大していく「チーズ」

「チーズも、もちろん以前から人気です。10年前と比較しても通常のスーパーマーケットでも、やや珍しいタイプのチーズが店頭に並べられるようになり、購入者のすそ野が広がっていることを実感します」

それを裏付けるのは、はんつさんが調べ上げた過去のデータにありました。

「まだ昨年のデータは発表されていませんが、平成 29 年の全国の輸入数量及び輸入金額は過去最高を更新しています。EUからのチーズの輸入は平成26年に41,370トンだったのが、平成29年には91,594トンと、約2.2倍にもなっています。また日本はロシアを抜いて、世界最大のチーズ輸入国に。

それと共に国産チーズも負けてはいません。平成26年のプロセスチーズの生産量は119,045トンだったのが、平成30年には130,277トンへと増加しました。さらに日本のチーズプロフェッショナル協会が昨年に第3回め(隔年で開催)のチーズアワードを発表したりも。そんな動きもあって、今年はチーズがついにブームという立ち位置まで上り詰めるといわれています」

また、チーズにまつわるイベントが積極的に開催されていることも見逃せません。

「1月11日には“国産ナチュラルチーズ シンポジウム2019”、2月8-11日には史上初の北海道チーズ40社が東京・表参道に集結する“北海道地チーズ博2019”が開催されます。それらがけん引役となって、飲食店でも様々なチーズを使った一品が登場する兆しが。例えばですね、麻婆豆腐とチーズのコラボレーションなど。今年はチーズ市場も要注目です」


Photo by iStock.com/IgorDutina

食材本来の良さを見直す、原点回帰の時代へ

「こうしてみると、以前のように目新しい食材を次々に追っていた昨今の食材市場に比べて今年は原点回帰というか、王道の食材の中で、それをどう見せていくか、それを使用してどのような味を作り上げていくかというところに軸がシフトしているようです。インスタ映え(SNS映え)も、料理自体の美しさ、奇抜さを追求するというよりも、食材が本来持つ力のほうを重視するという流れが、進んでいます。

美味しさ=食材の良さという、当たり前ともいえる図式が今年の特徴。どの意味では本当に上質な食材が、今、求められているといえるでしょう」

“素材そのものの良さ”がキーワードになりそうな2019年。料理人の腕がさらに試される年ともいえそうですね。今回のトレンドをぜひ、メニュー開発にいかしてみてはいかがでしょうか。


フードジャーナリスト はんつ遠藤
1966年生まれ東京在住。 早稲田大学教育学部卒業。 フードジャーナリストとして執筆のみならずプロデュース活動も精力的におこなっている。早稲田大学教育学部卒業後、海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。
取材の際は、ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方を一人でこなし、取材軒数はなんと9500軒を超える。また近年は料理研究家としてメディアで創作レシピを紹介している。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。今最も旬なフードジャーナリストである。


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