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2025年も続く物価上昇。値上げ幅が比較的小さい食材は?
2022年から続いている物価の高騰。2024年は累計で12,520品目が値上げされました。2025年は1月~4月に6,121品目の飲食料品が値上げされると決定しており、ペースが2024年を上回る見込みです。物価の上昇が加速する中でも、値上げ幅が小さい食材はどのようなものがあるのでしょうか。

画像素材:PIXTA
値上げが続いている背景は?
食材や原材料、物流などの燃料、人材などにかかる費用の高騰が、値上げの主因です。コロナに感染して出勤できない人材が増えたことで、人手不足に陥り生産が滞った結果、供給が需要に追い付かなくなったことも原因の一つ。地球温暖化による異常気象や海水温の上昇により、農作物の収穫量や漁獲量が減少した際も、値上げが生じます。共に穀物大国であるロシアとウクライナの戦争は、穀物の輸出の減少につながり、穀物の価格が世界的に高騰しました。
また、欧米でインフレ抑制策が行われる一方、日本では超金融緩和策による大量の通貨供給と低金利が続いており、ドル高・円安による輸入品の高騰も深刻に。家畜のえさや原材料を輸入品に頼っている結果、食材や製品が値上げとなるケースも多々あります。
天候や気候の影響を受けにくい野菜は価格が安定しやすい
野菜は、気温や天候、災害の影響を受けやすく、収穫高が物価高に直結することが多々あります。野菜の中でも、たまねぎ、にんじん、じゃがいもをはじめ、季節を問わずどのスーパーでも販売されている作物は、物価高騰が続く中でも年間を通して値上がり幅が比較的少ない食材です。
もやし、豆苗、きのこなど、工場で生産されているものは、日照時間や降雨量の影響を受けないため生育が安定している分、他の野菜類と比べると小さい値上げ幅で推移しています。
値上げ幅が小さい肉は鶏や国産の牛・豚
牛肉や豚肉は、国産より輸入品のほうが安価な点は、依然として変わりません。ただし、円安などによる価格高騰が深刻な輸入品と比べると、国産の値上げ幅は小さめです。品種やランク、部位によっては国産と外国産の間に大きな価格差がなくなってきているほど、国産品は小さな値上げ幅で推移しています。輸入肉を国産肉へと切り替える飲食店も目立ち始めてきました。
また、値上げ幅が牛肉や豚肉より小さいのが鶏肉です。2023年は鳥インフルエンザの流行で価格が高騰したものの、2024年は大きな影響を受けることなく、価格の変動が比較的落ち着いていました。円安による値上がりが懸念される外国産の鶏肉も、2025年は価格が下がる可能性があるとの見方もあります。

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値上げの影響を受けても価格が手頃な未利用魚
養殖魚の餌代や漁船の燃料費などさまざまな影響を受ける魚介類は、値上がり幅が肉や野菜類を上回っています。物価高騰が続く中で期待を寄せられているのが、食用にできる魚でありながら水揚げされても市場には出回らない未利用魚です。未利用魚とは「特定の地域でしか需要がない」「トゲや毒の除去に手間がかかる」「形が悪い」などの理由で廃棄されてしまう魚介類。低価格なので、物価高騰のあおりを受けたとしてもリーズナブルに購入可能です。国産の天然魚なので円安や為替の影響による値上げは生じにくく、外国産の魚と比べても安価に仕入れられます。
「漁獲量が少なすぎる・または多すぎて余る」「サイズが規格外」という理由で市場に出回らないケースもあるため、未利用魚の中に高級魚が紛れ込んでいることも。仕入れられる種類が日によって違うことや数量が安定していないところが未利用魚の難点ではありますが、漁業が盛んな地域や、懇意にしている卸から買い取ることで「限定10品」「本日のおすすめ」などの付加価値を打ち出して強みにしていくことも可能です。
複数の仕入れ先を確保し価格を比べて食材を厳選
物価高騰が続く中でも利益率を高めていくためには、仕入れ先を見直してみることも大切です。農家と直接取り引きできれば産地から新鮮なうちに直送され、お客様には「安心で良質な材料を使っている」と印象付けられます。食材の価格は仕入れ先によって異なるため、複数の業者と取り引きしたうえで購入する食材を厳選しましょう。
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