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飲食店の人件費、どうやって抑えたらいい?
人件費は雇用しているスタッフの賞与や通勤手当などの諸手当、社会保険の金額なども含めた費用をいい、売上に対する適正な人件費率は25〜30%程度と言われています。人件費を抑えるために最も基本的なのがシフトの管理。曜日や季節ごとの売り上げデータの統計を取り、それを参考に無駄のないシフトを組むようにしたいもの。曜日によっては売り上げの少ないランチを思い切ってやめてしまうなどの方法もあります。
また、ドリンクバーを導入する、店内の導線を工夫するなど、オペレーションの工夫により人件費を抑えることもできます。店舗のメンテナンスや掃除に関しても、ロボット掃除機や全自動窓拭きロボットなどを導入しスタッフの負担を減らすなどの工夫も有効です。
コロナ禍で注目を集めるITツールの導入&DX化
コロナ禍をきっかけにITやデジタルツールの導入、そして飲食店での“DX化”も注目されています。DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、デジタル技術の導入によってビジネスモデルや企業そのものを変革していくこと。デジタルツールの導入、もしくはDX化がうまくいけば、業務の効率化が叶い、人件費を抑えることができます。飲食店で導入されているITやデジタルツールは、主に以下のようなものがあります。
■キャッシュレス決済
クレジット決済、電子マネー、デビットカードなど現金以外の決済方法です。PayPayなど導入にコストかからないキャッシュレス決済もあり、コロナ禍による非接触型決済への注目が高まっていることから、近年急速に導入が進んでいます。■セルフオーダーシステム、モバイルオーダーシステム
スマートフォンやタブレットから、商品の注文や決済を行えるサービスです。人件費の削減だけでなく、顧客にとってはいつでも好きなタイミングで注文できるという利点もあります。■テイクアウトオーダーシステム
店舗が好きなメニューを設定し、Webを通して自動で注文を受け付けることができるツールです。■Uber Eats・出前館などのWebでの宅配サービス
外部サービスとなりますが、コロナ禍を機に宅配サービスを始めたいという飲食店にとっては利用しやすいサービスです。飲食店DX化の成功事例
DX化により人材コストを抑えながら運営している例を紹介しましょう。大手回転寿司チェーンの「スシロー」では、発券機、自動案内システム(一部店舗)、注文用タッチパネル、セルフレジ(キャッシュレス対応)と、来店してから注文、会計までの一通りをデジタル活用することで少人数での店舗運営を実現しています。DXによって店舗運営を効率化した分かりやすい例でしょう。
また、ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を運営する株式会社アレフの新業態店舗「ディッシャーズ」もDX化の成功事例です。「ディッシャーズ」は注文だけでなく支払いや水までも完全セルフシステムのレストランで、顧客が端末を使いハンバーグの枚数やトッピング、ライスの種類や量、サラダなど、自分好みにハンバーグディッシュをカスタマイズして注文するスタイル。好きな一皿が作れるとあって、顧客にも好評です。
「ディッシャーズ」の店舗ではセルフシステムにすることでスタッフのオペレーションを極限まで少なくしています。また、調理のオペレーションが表示されるキッチンモニターも導入し、新人スタッフのトレーニング時間を大幅に削減。学生アルバイトが多い飲食店では特に、DX化によって人材にかかる費用を抑えることができるでしょう。
コロナ禍をきっかけに、人件費はもとより、運営やオペレーションを見直したり、新たな運営スタイルを模索したりという経営者も多いでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
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