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新人にありがちな問題行動と対処法
ここでは、飲食店の新入社員、新人アルバイトにありがちな問題行動と、その対処法をお伝えします。■挨拶ができない
メッセージでのやりとりが当たり前の世代には、対面でのコミュニケーションを苦手とする人も少なくありません。今の若者世代は受け身な傾向もあるため、自分から挨拶するのが苦手という人もいるでしょう。とはいえ、挨拶は職場の連携を強めるのに欠かせないコミュニケーションです。また、従業員同士で挨拶ができなければ、お客様に明るく挨拶することも難しいでしょう。挨拶の練習をする機会を設けるとともに、できていないときは口頭で指摘するなどして、挨拶を習慣化させましょう。
■敬語が使えない
学生時代は目上の人と接する機会が限られているため、学校を卒業してすぐの新人の中には、正しい敬語を身につけていない人もいます。敬語を使うことに慣れていない新人向けに、敬語の講習を行い、トレーニングを積む機会を設けましょう。ビジネスマナー研修を導入するのもおすすめです。
■報連相ができない
「報連相」とは「報告・連絡・相談」の略で、職場でのコミュニケーションの基本とされています。報連相ができない、つまり仕事の進行状況や問題点を適切に伝えることができないと、職場が混乱したり、従業員の間で誤解が生まれたりすることがあります。新人には、最初の段階で報連相の重要性について説明し、コミュニケーション研修などを通して報連相の基本原則やスキルを学んでもらいましょう。また、新人の報連相のスキルを定期的に評価し、フィードバックすることも忘れずに。改善すべきポイントがあれば、具体的なアドバイスとサポートを提供するといいでしょう。
■仕事中にスマホを使用する
デジタルネイティブ世代と呼ばれる若者世代には、時間の区切りなく、仕事中でもごく自然にスマホを手に取ってしまう人もいます。しかし、衛生管理上の問題やお客様に与える印象、「バイトテロ問題」のリスクなどを考えると、仕事中のスマホ使用は制限するのが望ましいでしょう。お店全体の方針として、仕事中のスマホの使用ルールに関するポリシーを策定し、新人を含む全従業員に周知しましょう。「大事な連絡が来ていないかチェックしたい」などの声があれば、定期的な休憩時間を設け、その間はスマホの使用を認めることもひとつの方法です。
多様性を尊重する近年、身だしなみの問題は複雑化している
近年、飲食店従業員の身だしなみ制限は緩和されている傾向にあります。飲食店の教育担当者の中には「個人の意思に口出しするのは難しい」という思いと「お客様に不快感を与えないよう身だしなみを整えてほしい」という思いの間で葛藤したことがある人もいるのではないでしょうか。身だしなみについて指摘されるのは、誰にとってもあまり気持ちのいいことではありません。指摘の際のポイントをきちんと押さえておくことが大切です。
■周囲に人のいない場所で指摘する
身だしなみについて他人から何かを言われるのは、人によっては「自分を否定された」と思うほどショックの大きいこと。人前で注意を受けることで、そのショックはいっそう大きくなってしまいます。指摘する際は他の人が出入りする場所を避け、二人きりで話せる時間・空間を確保しましょう。■ワンクッション挟んでから指摘する
いきなり本題に入ると、本人に「責められた」と感じさせてしまいやすくなります。まずは普段の頑張りを褒めたり、労わったりしてから身だしなみについての指摘をし、最後はこれからに期待していることを伝えて話を締めくくるなどして、本題のみを伝えないようにしましょう。■個人の意見ではなく、店の方針として伝える
やわらかく指摘しようとして「ちょっと~が気になるかもしれない」などと伝えると、個人の意見だと受け取られてしまう可能性があります。「店の規則ではこうなっている」「会社の決まりだから」などと、あくまで客観的な基準に則っていることを伝えることも大事です。新人への指導の方法を誤ると、信頼関係を壊し、安心して働いてもらえなくなってしまう可能性があります。みんなが心地よく働ける職場を目指し、指摘や声かけの正しい方法やタイミングを学んでおきましょう。
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