
画像素材:PIXTA
メンタルヘルスケアとは?
「メンタルヘルスケア」とは、心の健康に気を配り、管理していくことをいいます。ちなみに、厚生労働省は「 労働者の心の健康の保持増進のための指針」において、メンタルヘルスの不調を以下のように定義しています。「精神および行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的および行動上の問題を幅広く含むもの」
このような心の不調に陥らないように、個人、企業共に気を配ることが推奨されています。
具体的に何をすればいい?
メンタルヘルスケアを実践するにあたり、企業は具体的に何をすればいいのでしょうか?厚生労働省は「 職場における心の健康づくり」で、以下の4つのケアを推奨しています。■従業員のセルフケアを支援
・ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解・ストレスチェックなどを活用したストレスへの気付き
・ストレスへの対処
企業は管理監督者を含む労働者に対して、上記のようなセルフケアが行えるよう、教育研修や情報提供を行いましょう。具体的には、労働者の相談に応じられる体制を整備したり、事業所外の相談機関の活用を図ったりと、労働者が自ら相談できる環境整備をすることです。また、労働者がストレスに気づけるようにセルフチェックの機会を提供することも効果的です。
■事業所・組織・企業(雇用主)によるケア
・職場環境等の把握と改善・労働者からの相談対応
・職場復帰における支援
企業は職場環境を整え、労働者の相談に対応する必要があります。長時間労働や度を超えた作業量を避けるだけでなく、作業の量や責任に見合う裁量権や報酬を与えることも重要です。また、管理監督者は日頃から部下に関心を持ち、異変があれば速やかに気づけるようにしておくことも大切。不調により休業した労働者が円滑に職場復帰できるよう配慮することも必要です。
■産業保健スタッフによるケア
・具体的なメンタルヘルスケアの実施に関する企画立案・個人の健康情報の取扱い
・外部サービスとのネットワーク形成やその窓口
・職場復帰における支援、など
メンタルヘルスケアに関するプログラムやストレスチェック、職場復帰のプログラムなどは専門知識をもつ産業保健師や産業医の手を借りるとよいでしょう。労働者及び管理監督者に対する支援を行うとともに、心の健康づくり計画の実施にあたり、中心的な役割が期待できます。
■外部サービスによるケア
・情報提供や助言を受けるなど、サービスの活用・ネットワークの形成
・職場復帰における支援
専門機関によるサービスを活用するのも一つの方法。メンタルヘルスケアに関する情報やさまざまなプログラムを受けられます。
「ストレスチェック制度」を活用するのもあり
近年、パワハラや過労などをきっかけに従業員が自ら命を絶つケースも見られ、社会問題となっています。こうした背景から、厚生労働省は企業に「ストレスチェック制度」の導入を義務化しました。ストレス度を図る「ストレスチェック制度」とは、医師、保健師、もしくは厚生労働省の研修を終了した看護師や精神保健福祉士などによって、年に1度行われるもの。医師、保健師などの実施者がチェックリストの内容を決定・実践し、専門的な立場から心の健康を保つための提案や助言などを行います。
従業員自身がストレスに気づきセルフケアすることや、企業がストレスチェックの結果に基づき働きやすい環境を整備し、従業員のうつ病など、メンタルヘルスの不調を未然に防ぐことを目的とした制度です。
ストレスチェック制度の対象となるのは、正社員の労働時間の4分の3以上働いているパート・アルバイトを含む50名以上の従業員を抱える事業所。ただし、50名以下の事業所でも導入する努力義務が課せられています。
一般的には企業の産業保健師や産業医を中心に実施することが多いでしょう。企業内に産業保健師や産業医がいない場合は、外部の企業に委託することもできます。
ストレスチェック制度は50名以下の企業は義務ではありませんが、従業員のメンタルヘルスケアの一環として取り入れてみるのもおすすめ。厚生労働省が提供するチェックリスト「 職業性ストレス簡易調査票」もあります。
長く働いてもらうためには、従業員の健康に気を配ることが大切。この機会に“メンタルヘルスケア”を取り入れてみてはいかがでしょうか。
飲食業界専門の求人サイト『 求人@飲食店.COM 』では、飲食業界の求人/採用に役立つコラムなどをご紹介しています。求人募集や採用に関するご相談などもお気軽に お問い合わせください。
【関連記事】
■ 飲食店経営の肝はスタッフとの信頼関係にアリ! 信頼関係を築くメリットとコツは?■ 【アフターコロナ】飲食店の営業再開、重要なのは従業員の衛生管理やケア。ポイントは?