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シフト作成のポイント・注意点
■売上に対する人件費を見直す
まずは、改めて売上に対する人件費が適切かどうかを見直してみましょう。前年比やコロナ前の基準で人件費やシフトを組んでいると、適正ではないケースが多くなります。飲食店の人件費は売上の25〜30%に収めるのが適正といわれています。直近の売り上げを参考に、この範囲で収まるようにシフトを組むようにしましょう。■コロナ禍ではシフト管理のスパンを短くして調整する
コロナ以降は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用時など、感染状況によって店舗運営が大きく変わることも多いです。先が読めない中で予測するのは大変かもしれませんが、半月や一週間ごとといった今までより短いスパンでシフトをチェックするようにしましょう。そうすることで無駄な人件費を抑えられたり、忙しくなったときに適正なスタッフ数を維持できたりと、人件費の最適化につながります。ただし、事業者による勝手なシフト変更は法律上認められていませんので注意。あくまでも一度に決めるシフトのスパンを短くして、最適なシフト管理を行うことです。暇になったからといって来週のシフトを減らすなどの行為を勝手に行ってはいけません。シフト決定後に事業者の都合でシフト変更をするときは、説明とお願いをして同意を得ることが大切です。
■スタッフを柔軟に流動する仕組みをつくる
コロナ禍では、ホールとキッチンを兼任できるスタッフを増やすことで、人件費を抑える企業も増えてきました。また近隣に複数店舗を持つ企業であれば、店舗間で必要なスタッフを調整できるように体制を整えるのも一つの方法です。どちらも人件費を抑える効果があるだけでなく、柔軟にシフトを組めることで、シフト管理がしやすくなります。営業時間の短縮などでスタッフの人数を抑えたいときだけでなく、逆に繁忙時にも効果を発揮します。雇用調整助成金を活用しよう
やむを得ずスタッフのシフトを減らさなければならない場合には、コロナ関連の助成金を活用するのがよいでしょう。雇用調整助成金は、景気の変動などの経済的事情により企業が従業員に休業・教育訓練・出向などをさせて雇用を維持する場合に、休業手当の一部を助成する制度。一時期、コロナの特例措置においては予算が枯渇するという報道がなされていましたが、現在も引き続き該当すれば助成金を受けることができます。助成金の金額は企業規模や期間によります。令和3年5月〜令和4年3月の期間は従業員1人あたり1日の上限が9,000円〜15,000円です。シフト制で働くスタッフも対象となるのでぜひ活用しましょう。
また、事業者が雇用調整助成金の申請に手が回らないという場合や振り込みまでの期間が長く支払いが困難な場合などには、労働者が自ら申請し給付を受けられる新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金という制度もありますので、スタッフに周知しておくとよいでしょう。
コロナで客足が遠のいてしまっている店舗も多いと思います。人件費を抑えることも大事ですが、既存のスタッフに長く在籍してもらえるように配慮することも忘れないようにしたいですね。
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