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入社一日で退職する人の心理とは?飲食店が知っておきたい法律と取るべき対応も紹介

2024年10月25日 人材採用コラム

目次

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入社しても短期間で離職する人が増え、転職スパンが年々短くなっていると言われる近年。採用後1日のみ出社し、2日目には体調不良などを理由に休み、その後離職の申し出があった……といった流れも珍しくなくなっているようです。なぜ、数日で退職してしまう人が現れるのでしょうか。すぐに離職された場合、給与や社会保険はどう処理すればいいのでしょうか。短期間での離職の理由と対応、予防策を紹介します。

短期離職者の心理とは?飲食店が知っておきたい法律と取るべき対応も紹介
画像素材:PIXTA

新人スタッフがすぐに辞めてしまう理由

「採用したスタッフがすぐに辞めてしまう」という声は、多くの飲食店で聞かれます。中には数週間、数日で辞めてしまうような場合もあるようです。そうした事態はなぜ起こるのでしょうか。

■人手不足で売り手市場

現在は労働人口が減少しており、求職者にとっては売り手市場の時代です。特に飲食業界の求人は多く、すぐに退職しても働き口はいくらでもあります。そのため、「実際に働いてみて、職場が気に入らなければすぐに辞めてしまおう」と考える求職者もいます。

■職場環境が良くない

求職者側ではなく、職場側に原因がある場合もあります。例えば、パワハラをする上司がいる、いじめなどがあり人間関係が悪い、飲食店なら衛生環境が非常に劣悪といった環境では、早々に退職する労働者がいてもおかしくはありません。

■提示されていた労働条件と実態が違う

職場側の原因として「労働時間や休憩時間といった条件が面接時の話と食い違っている」というものもあります。求職者は労働条件に納得したうえで入社を決めているため、労働条件と実態が違えば、離職はやむを得ないとも言えるでしょう。

労働者がすぐに辞めたとき飲食店側が取るべき対応

では、労働者が短期間で退職した場合、飲食店はどのような対応を取るべきなのでしょうか。多くの経営者が悩みがち労働時間分の時給な、給与と社会保険の問題に絞って解説します。

■給与

労働基準法第24条では「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と規定されています。数日で辞めた場合であっても、月給を営業日で割った日割り計算の給与を支払う必要があります。

なお、アルバイトの場合は、労働者側が振込先を伝えないまま音信不通になるなどのケースもあり、不可抗力で支払いができないことも少なくありません。しかし、法律に従うのであれば、労働時間分の時給を支払う必要があります。後々賃金不払いを問われたりしないためには、給与の支払い方法に関して内容証明郵便を送っておくことが対策になります。また、いつ給与を取りに来ても良いように、支払えるような準備を整え、金庫などに保管しておきます。

■社会保険

健康保険、厚生年金保険といった社会保険は、入社してすぐに労働者が退職した場合であっても保険料の支払いが発生します。社会保険料は月単位で計算されるため、月の途中で退職した場合であっても、その前月分までの保険料を納める必要があるのです。

ただし、社会保険料は日割り計算ができず、月単位で徴収されます。入社して数日で退職するなど、社会保険に加入した月と資格喪失した月が同月の場合には、1か月分の社会保険料を納付する必要があります。

なお、社会保険料は事業主側と労働者側の双方が負担しますが、労働者側の負担分は退職時の給与から控除します。

短期間での離職を防ぐためにできる対応

短期間での離職は、職場と労働者のミスマッチによって起こることも少なくありません。採用面接の場だけでは労働条件のすり合わせが十分にできないと感じるのであれば、内定後に労働条件などを最終確認する「オファー面談(条件面談)」を実施しましょう。

オファー面談では、企業と内定者の双方で労働条件などのすり合わせをし、内定者の入社に際しての疑問点を解消したうえで、内定者の入社意向を確認します。良い面ばかりを強調するのではなく、マイナス面も含めたありのままの職場の状況を伝えましょう。

例えば、揚げ場や鉄板によって灼熱の暑さの中で調理をすることもある、仕込みがとても多い、ピーク時は非常に忙しい、応募者に対して今いる従業員の年齢層が高い(低い)、新店舗出店を控えていて従業員の人数がぎりぎり……といったことを包み隠さず話すことで、ミスマッチを防ぐことができます。場合によっては内定を辞退されることもあるかもしれませんが、「改善すべき点が見つかった」「短期間での退職とならなくてよかった」と前向きに捉えましょう。

短期間での離職は、職場に改善すべき点が多くあることの表れである可能性もあります。労働者とよくコミュニケーションを取り、課題の解決に努めることが大切です。

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この記事の著者
小晴

小晴

首都圏在住のフリーライター・編集者。

早稲田大学法学部卒。一児の母。 好きな食べ物は一人で落ち着いて食べる焼肉。

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