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誰もが応募できる内容でなければならない!
日本は労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(以下通称:改正雇用対策法)において、何人にも平等に労働の機会を与えることを約束しており、これは“労働者の権利を守る”ためにあります。これにより年齢や性別、国籍、居住地域など、応募者を“限定”する求人募集は原則として禁じられています。
ここでは最も代表的な「年齢制限」および「性別優遇」の原則禁止についてご紹介。また、これらが認められる例外についても解説します。
ここでは最も代表的な「年齢制限」および「性別優遇」の原則禁止についてご紹介。また、これらが認められる例外についても解説します。
年齢制限は原則禁止
改正雇用対策法により、求人広告における年齢制限は禁止されています。これは正社員・パート・アルバイト・派遣社員・契約社員などの雇用形態に関わらず、採用活動すべてにおいて共通です。年齢制限を禁止する目的は、個々人の能力、適性を判断して募集・採用することで、一人ひとりに働く機会を均等に与えられるようにするためです。超少子高齢化の日本では、ミドル・シニア世代も重要な労働力です。すべての世代に勤労の機会を等しく与えることは、政府としても必要不可欠な施策と言えます。なお、例外として年齢制限を認められるケースがあります。
≪例外として年齢制限が認められるケース≫
【1】労働基準法等法令の規定により年齢制限が設けられている場合(例外事由 2号)
⇒労働基準法第61条「満18歳未満の深夜業の原則禁止」の事例
【2】長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合(例外事由 3号-イ)
⇒求人@飲食店.COMではこの観点を「雇用期間を定めない募集で、未経験者を対象とする場合」と位置付けています。
【3】芸能・芸術の分野における表現の真実性の要請がある場合(例外事由 3号- ハ)
⇒演劇の子役として「10歳以下」に限定して募集したりする事例
※飲食業界で【3】が適応されることはありません。
以上のことから、飲食業界で認められる年齢制限は「深夜業の飲食店において18歳以上に限定すること」であることがわかります。なお、単に求人広告を「年齢不問」にすればよいということではありません。年齢制限の原則禁止は求人募集だけではなく、年齢を理由に応募を断ったり採否を決定することも違反となります。あくまでも実務との適性で判断することが求められます。
≪例外として年齢制限が認められるケース≫
【1】労働基準法等法令の規定により年齢制限が設けられている場合(例外事由 2号)
⇒労働基準法第61条「満18歳未満の深夜業の原則禁止」の事例
【2】長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合(例外事由 3号-イ)
⇒求人@飲食店.COMではこの観点を「雇用期間を定めない募集で、未経験者を対象とする場合」と位置付けています。
【3】芸能・芸術の分野における表現の真実性の要請がある場合(例外事由 3号- ハ)
⇒演劇の子役として「10歳以下」に限定して募集したりする事例
※飲食業界で【3】が適応されることはありません。
以上のことから、飲食業界で認められる年齢制限は「深夜業の飲食店において18歳以上に限定すること」であることがわかります。なお、単に求人広告を「年齢不問」にすればよいということではありません。年齢制限の原則禁止は求人募集だけではなく、年齢を理由に応募を断ったり採否を決定することも違反となります。あくまでも実務との適性で判断することが求められます。
採用選考は男女均等に
職場での男女平等などを定めた法律である
男女雇用機会均等法により、性別を限定した募集・採用は禁じられています。ただし、業務を行う上で片方の性別でなければならない理由があるものについては、適用外職種として認められており、違反にはなりません。
≪適応外職種:一部≫
⇒巫女、女子更衣室の係員等、モデル、俳優等、守衛、警備員等
以下、 男女均等な採用選考ルールより抜粋
(1)次に掲げる職務に従事する労働者に係る場合
① 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から男女のいずれかのみに従事させることが必要である職務
② 守衛、警備員等のうち防犯上の要請から男性に従事させることが必要である職務
③ ①及び②に掲げるもののほか、宗教上、風紀上、スポーツにおける競技の性質上、その他の業務の性質上、男女のいずれかのみに従事させることについて①、②と同程度の必要性があると認められる職務(業務の正常な遂行上、一方の性でなければならない職務に限られます。単に、一方の性に適していると考えられているだけでは該当しません。)
(2)労働基準法第 64 条の2(坑内業務の就業制限)もしくは第 64 条の3第2項(危険有害業務の就業制限)の規定により女性を就業させることができず、または保健師助産師看護師法第3条の規定(助産師は女子をいう)により男性を就業させることができないことから、通常の業務を遂行するために、労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与えまたは均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合
(3)風俗、風習等の相違により男女のいずれかが能力を発揮し難い海外での勤務が必要な場合、その他特別の事情により労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与え、または均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合
※飲食業界は、上記の適応外職種に当てはまるものはありませんので、性別を限定をすることはできません。
この法律では募集・採用の対象から男女のいずれかを排除することを禁止しているだけではなく、募集・採用の条件を男女で異なるものとすること、採用選考において男女で異なる取扱いをすること、募集・採用に当たって男女のいずれかを優先することなども禁じています。
さらに、男女雇用機会均等法では、採用後の性別による優先を以下のように禁止しています。(以後男女雇用機会均等法より引用)
「配置・昇進等の雇用管理の各ステージにおける性別を理由とする差別の禁止や婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等が定められています。また、平成29年1月1日からは、上司・同僚からの職場における妊娠・出産等に関するハラスメント防止対策の措置が義務付けられました」。
≪適応外職種:一部≫
⇒巫女、女子更衣室の係員等、モデル、俳優等、守衛、警備員等
以下、 男女均等な採用選考ルールより抜粋
(1)次に掲げる職務に従事する労働者に係る場合
① 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から男女のいずれかのみに従事させることが必要である職務
② 守衛、警備員等のうち防犯上の要請から男性に従事させることが必要である職務
③ ①及び②に掲げるもののほか、宗教上、風紀上、スポーツにおける競技の性質上、その他の業務の性質上、男女のいずれかのみに従事させることについて①、②と同程度の必要性があると認められる職務(業務の正常な遂行上、一方の性でなければならない職務に限られます。単に、一方の性に適していると考えられているだけでは該当しません。)
(2)労働基準法第 64 条の2(坑内業務の就業制限)もしくは第 64 条の3第2項(危険有害業務の就業制限)の規定により女性を就業させることができず、または保健師助産師看護師法第3条の規定(助産師は女子をいう)により男性を就業させることができないことから、通常の業務を遂行するために、労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与えまたは均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合
(3)風俗、風習等の相違により男女のいずれかが能力を発揮し難い海外での勤務が必要な場合、その他特別の事情により労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与え、または均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合
※飲食業界は、上記の適応外職種に当てはまるものはありませんので、性別を限定をすることはできません。
この法律では募集・採用の対象から男女のいずれかを排除することを禁止しているだけではなく、募集・採用の条件を男女で異なるものとすること、採用選考において男女で異なる取扱いをすること、募集・採用に当たって男女のいずれかを優先することなども禁じています。
さらに、男女雇用機会均等法では、採用後の性別による優先を以下のように禁止しています。(以後男女雇用機会均等法より引用)
「配置・昇進等の雇用管理の各ステージにおける性別を理由とする差別の禁止や婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等が定められています。また、平成29年1月1日からは、上司・同僚からの職場における妊娠・出産等に関するハラスメント防止対策の措置が義務付けられました」。
NGワードとOKワードを知ろう!
以上のように年齢や性別を限定した募集をできないことはわかりましたが、ターゲット層からの応募を獲得するためには、お店の現状や働くイメージを求人広告上で伝える必要があります。では、ここで求人募集広告でよく見るNGワードとその対処法(OKワード)をご紹介しましょう。
「高校生不可」…NG 「18歳未満の方は22時以降に勤務できません」…OK
※18歳未満の方を雇う場合には注意が必要です。(変形労働時間制やフレックスタイムの禁止、1日8時間以内、1週40時間以内でなければいけません。)
「20代歓迎」…NG 「20代が活躍中」…OK
※応募資格欄には表記できませんが、店舗情報などで現状表記することは可能です。ただし、誤解を招く表現として使用には注意が必要です。
「女性歓迎」…NG 「女性が活躍中」…OK
「主婦歓迎」…NG 「主婦(夫)の方が活躍中」「主婦(夫)の方も歓迎」…OK
※いずれも応募資格欄には表記できませんが、店舗情報などで現状表記することは可能です。ただし、誤解を招く表現として使用には注意が必要です。
「体力のある男性歓迎」…NG 「20kg程の食材を毎日運びます。」…OK
※非常に抽象的であり、間接差別になります。具体的な仕事内容を記載することで応募者に判断を委ねます。
「日本人限定」…NG 「日本語の日常会話が可能な方」…OK
「外国人歓迎」…NG 「留学生・就学生歓迎」…OK
※職務能力や属性を表記することで回避します。
「国籍不問」…NG
※国籍を問わない広告が基本なので、あえて表記することもできません。
「徒歩で通勤できる方」…NG
※特定の居住地に限定しているため表記できません。
なお、求人広告掲載における最も重大な違反は、虚偽または誇大な労働条件の明示です。職業安定法第65条第8号により6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。ご注意ください。
※飲食店.COM求人サービスにおける禁止事項は下記をご確認ください。
飲食店.COM 掲載内容に関する注意事項
いかがでしたか。募集・採用時の法律は求人募集の際に必ず押さえておきたい内容です。 求人広告は、求職者が働くイメージをもてるように、具体的な仕事内容や待遇を記載することが大切です。求職者が「自分はここで活躍できるだろう」と決意できる判断材料をできるだけ詳しく書くことで、採用後のミスマッチを防ぐことができます。採用活動のゴールは採用であり、ひいては採用した人が定着すること。応募者の獲得はその第一歩という意識のもと、求人広告掲載上のNGワードがないかチェックするとよいでしょう。
飲食業界専門の求人サイト『 求人@飲食店.COM』では、飲食業界の求人/採用に役立つコラムなどをご紹介しています。求人募集や採用に関するご相談などもお気軽に お問い合わせください。
【求人広告に関連する記事】
■ 飲食店がすべき“採用の事前準備”とは? ミスマッチを防ぐ効率的な採用活動
■ 求職者に響く求人広告の書き方。自店の魅力を伝える原稿のポイント4つ!
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■ 求人募集時に押さえておきたい「職種」の書き方!
※2019年5月29日 情報を更新しました。
■年齢制限
「高校生不可」…NG 「18歳未満の方は22時以降に勤務できません」…OK
※18歳未満の方を雇う場合には注意が必要です。(変形労働時間制やフレックスタイムの禁止、1日8時間以内、1週40時間以内でなければいけません。)
「20代歓迎」…NG 「20代が活躍中」…OK
※応募資格欄には表記できませんが、店舗情報などで現状表記することは可能です。ただし、誤解を招く表現として使用には注意が必要です。
■男女差別
「女性歓迎」…NG 「女性が活躍中」…OK
「主婦歓迎」…NG 「主婦(夫)の方が活躍中」「主婦(夫)の方も歓迎」…OK
※いずれも応募資格欄には表記できませんが、店舗情報などで現状表記することは可能です。ただし、誤解を招く表現として使用には注意が必要です。
「体力のある男性歓迎」…NG 「20kg程の食材を毎日運びます。」…OK
※非常に抽象的であり、間接差別になります。具体的な仕事内容を記載することで応募者に判断を委ねます。
■国籍・居住エリアの限定
「日本人限定」…NG 「日本語の日常会話が可能な方」…OK
「外国人歓迎」…NG 「留学生・就学生歓迎」…OK
※職務能力や属性を表記することで回避します。
「国籍不問」…NG
※国籍を問わない広告が基本なので、あえて表記することもできません。
「徒歩で通勤できる方」…NG
※特定の居住地に限定しているため表記できません。
なお、求人広告掲載における最も重大な違反は、虚偽または誇大な労働条件の明示です。職業安定法第65条第8号により6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。ご注意ください。
※飲食店.COM求人サービスにおける禁止事項は下記をご確認ください。
飲食店.COM 掲載内容に関する注意事項
いかがでしたか。募集・採用時の法律は求人募集の際に必ず押さえておきたい内容です。 求人広告は、求職者が働くイメージをもてるように、具体的な仕事内容や待遇を記載することが大切です。求職者が「自分はここで活躍できるだろう」と決意できる判断材料をできるだけ詳しく書くことで、採用後のミスマッチを防ぐことができます。採用活動のゴールは採用であり、ひいては採用した人が定着すること。応募者の獲得はその第一歩という意識のもと、求人広告掲載上のNGワードがないかチェックするとよいでしょう。
飲食業界専門の求人サイト『 求人@飲食店.COM』では、飲食業界の求人/採用に役立つコラムなどをご紹介しています。求人募集や採用に関するご相談などもお気軽に お問い合わせください。
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■ 求人募集時に押さえておきたい「職種」の書き方!
※2019年5月29日 情報を更新しました。