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退職面談はなぜ必要?
退職面談の目的は、退職する従業員から、職務内容や職場の人間関係、働きやすさなどに対する意見を聞くことです。経営層ではなく従業員の目線から見た、職場の内情をより深く把握できます。自店の弱点を客観的に把握できれば、職場環境の改善に繋げることができるはず。従業員から率直な意見をもらえる機会はなかなかないため、退職希望者が出た際は、ぜひ退職面談を実施しましょう。
退職面談で注意したいこと
退職面談で最も注意したいのは、退職者の立場になり意見を尊重するスタンスを貫くことです。退職者は、さまざまな悩みや葛藤を乗り越えたうえで「退職」という結論を出し、勇気を持って申し出ています。それを否定するような対応をすれば、退職者が心を閉ざしてしまい、本質的な退職面談ができなくなってしまうのは当然のことです。
退職者の本音を聞き出すには、まず、これまで貢献してくれた事実と、これからにつながる決断をしっかりと受け止め、認めてあげましょう。そのうえで、退職の経緯や理由について丁寧にヒアリングします。
途中には「会社として力になれなくて申し訳なかった」といったフォローの一言をはさんでいきましょう。
退職面談の前には、退職者の配属や功績などについてきちんと調べておくことも忘れずに。採用面接と同様に、事前準備を怠らず臨んでください。
また、退職者に対して強引な引き留めを行うのは逆効果。「ここまで強引なのは、人手が足りていないせいだろう」「人事担当者が自分の評価を下げたくないのだろう」といった利己的な印象を与え、店舗・企業に対するイメージまで悪くなりかねません。
退職面談でヒアリングすべき内容
では、退職面談でどのようなことを聞き取ればいいのでしょうか。よくある質問の例は次の通りです。■退職の理由、退職を決意したきっかけ
家庭の事情などで退職を決意する人もいますが、現在の業務内容、人間関係、給与、労働時間、福利厚生などに不満を感じた、もしくはそれらを比較したときにより魅力的な転職先が見つかったことで退職を決意する人も少なくありません。必ず聞き取りたいポイントです。
■上司や経営陣についてどう思うか
上司や経営陣に不満を持ち、意見や提案などを伝えたいという退職者もいるでしょう。今後の改善につながる可能性が高いため、ヒアリングしておきましょう。
■仕事にやりがいを感じたことはあるか
退職面談で聞くべきなのは、改善すべき点だけではありません。「従業員が自店の仕事のどこに魅力を感じてくれたか」を知り、それらをさらに高めることができれば、今後の採用活動にも活きるはずです。
■トレーニングは十分かつ適切だったか/キャリア目標の達成を支援している職場か
退職者がこれらのポイントに不満を感じている場合、従業員に「この職場で働いていても将来が見えない」と思われている可能性があります。改善を検討しましょう。
■転職先の決め手
転職をするということは、転職先に対して現在の職場に勝る魅力を感じたということ。競合の強みを知る貴重な機会のため、ぜひ共有してもらえるといいですね。
退職面談で職場の改善点を見つめ直し、対策を講じることができれば、今後の採用活動をより効果的なものにできるはず。退職者が出たときは残念に思うだけでなく、「退職面談を通して率直な意見をもらえるチャンス」とポジティブに捉えてみましょう。
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