
画像素材:PIXTA
スタッフへのフィードバック方法を見直そう
近年、終身雇用や年功序列が当たり前ではなくなり、働き方改革の推進などで労働環境は大きく変化しました。労働者一人一人の仕事への意識も変化しているため、いわゆるトップダウンのマネジメントが見直されつつあります。従業員それぞれのキャリアや希望に寄り添い、パフォーマンスを上げていくようなマネジメントを行う企業が増えています。フィードバックの方法も、これまでは上司が部下に対して目標達成ができたかどうかを評価し、できていなければどう埋め合わせしていくかということに重点を置くことが一般的だったのではないでしょうか。
しかし、上司が一方的に評価を伝えるだけでは、「評価に納得できない」「成長するために具体的に何をしたらいいのかわからない」など、部下の不満を生むことになりかねません。昨今は仕事への意識の変化や人材不足が顕著になっているからこそ、トップダウンの一方通行的なフィードバックよりも、従業員が前向きな気持ちで成長していけるように導くフィードバックを行う方が、長い目で見て企業の成長につながるでしょう。
適切なフィードバックを行うポイント
一方通行的なフィードバックを見直すためのポイントは次の通りです。■評価基準を明確にする
まずは大前提として、評価内容や制度を明確にして、従業員に説明しておくことが大事です。評価内容があいまいだと、フィードバック対象者は評価に不信感を持ってしまいます。■フィードバック対象者に自己評価をしてもらう
面談の初めにフィードバック対象者にも自己評価をしてもらうことで、管理者とフィードバック対象者の間で認識にズレがないか確認することができます。また、従業員自らが、自分の仕事を振り返ることで気づかなかった点に気づいたり、自己理解が深まったり、自己成長へとつながるというメリットもあります。面談中に行うのではなく、事前にシートなどに記入してもらうようにするとスムーズでしょう。
■評価を伝える以外の目的を認識する
フィードバック面談の目的をはっきりさせておくことも大切です。「現状のすり合わせをし、従業員のモチベーションアップにつながるフィードバック面談にする」など、フィードバックをする目的をしっかりと認識しておきましょう。場合によっては、従業員それぞれに合わせた個別の目的を設定してもいいと思います。■フィードバック対象者の事実情報の収集を
フィードバック対象者が該当期間においてどのような仕事をして成果を上げたのか、情報収集しておくことも重要です。普段からよく観察しておく必要がありますが、従業員の仕事の全てを見ることは不可能なので、定量で測れる仕組み作りを行っておく、業務記録や日報などを活用する、他者へのヒアリングを行うなどして、できる限りの情報収集をしておきましょう。事実情報が多ければ多いほど、フィードバック対象者は「自分のことを見てくれている」と感じるため、フィードバックに対する納得度が上がります。「1on1ミーティング」を取り入れるのもおすすめ
最近では、フィードバックを行う場の一つとして「1on1ミーティング」を取り入れる企業が増えてきました。「1on1ミーティング」とは、一対一で行う面談のこと。特に新しいものではありませんが、管理者と従業員が気軽にコミュニケーションを図ることや会社へのコミットメントを深めることを目的に、月1や週1などの頻度で短時間の面談を行うのが特徴です。「1on1ミーティング」を行うことで、管理者は従業員の仕事の状況を把握しやすくなります。また、双方向のコミュニケーションの機会を増やすことは、トップダウンのフィードバックを防ぐことにもつながるので、取り入れてみるのも一つの方法です。
【関連記事】
■ スタッフを正しく評価しよう! 飲食店スタッフの評価制度のつくり方と導入のメリット■ 飲食店スタッフのモチベーションをUP! 知っておきたい「目標管理」の基礎知識