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コロナ禍が若者たちに与えた影響
新型コロナウイルスの流行期に学生生活を送っていた人たちは、数年にわたってさまざまな制限を受け続けました。対面授業がオンライン形式へ移行し、通学の機会が減少したため友人に会うことができず、さらに「黙食」「声を出して笑ってはいけない」「できるだけ話さない」などの厳しいルールを強いられました。加えて、学校行事の中止なども重なり、彼らは長期間ストレスを抱え続けてきたと考えられます。また、マイナビが2021年2月26日~3月2日に実施した「大学生のアルバイト実態調査」では、アルバイト非就業者のうちアルバイト意向がある大学生は増加しており、非就業者のうち64.8%(前年比:+7.5ポイント)が「アルバイト意向がある」と回答していました。つまり、コロナのせいで「アルバイトをしたくてもできない」という悩みを持つ若者が多くいたということがうかがえます。
彼らの中には、コミュニケーションに苦手意識を持っている人、敬語などの対人スキルを身に着ける機会がなかった人もいます。そうした人が飲食業に就いたあと、同僚との関係やお客様との接し方に悩んだり、職場になじめず早期離職してしまったりするケースが増えているようです。
“コロナ世代”の採用・育成のポイント
では、“コロナ世代”の若手スタッフの定着を促すにはどうすればいいのでしょうか。採用と育成という2つの観点から考えてみましょう。■採用のポイント
“コロナ世代”はオンラインでのやりとりに慣れており、就職・転職活動でもSNSを情報収集ツールとして用います。採用サイトに掲載すると同時に、公式アカウントで自社の魅力を発信し、求職者に働くイメージを持ってもらいましょう。動画での情報発信もおすすめです。面接後はLINEで個別連絡をできるようにするのも良いでしょう。■育成のポイント
〇一人ひとりに合わせて、主体性を引き出す多様性を重視し、効率的で柔軟な働き方を求める人が多いとされているこの世代。彼らの価値観を尊重し、個々の能力や性格に合った育成を行うことが重要です。また、働きやすさ向上につながる意見を積極的に取り入れ、より良い環境づくりを意識しましょう。
ただし、他者を受け入れやすい反面、自分の意見を主張するのが苦手な人も少なくありません。彼らの主体性を育むためには、一方的に指示を出すだけではNG。自ら考えるよう促す機会を多く作り、能動的に行動できる人材に育てることが重要です。 具体例: 「次回のメニュー表をSNSでどう見せるか考えてみて」など、実践的な課題を与える。
〇得意を活かせる役割を与える
デジタル機器やSNSの扱いに慣れているという特性を活かし、デジタルツールやSNSを活用する業務を任せるのもいいでしょう。モチベーションを保ちながら成長を促せるため、効果的なマネジメントが可能です。
〇敬語やマナーは教えるものと捉える
敬語がうまく使えないのは、数年間にわたるコミュニケーションの制限が原因であると割り切り、前向きに対応する姿勢が重要です。「こんなことも知らないのか」と否定するのではなく、敬語や接客の研修を通じて不足しているスキルを補い、育成に取り組みましょう。
〇先輩スタッフとの橋渡し
周囲とうまくやれずに離職することのないよう、スタッフ同士でのコミュニケーションの機会を十分とれるよう配慮しましょう。新人スタッフにメンターをつけたり、社員とアルバイトの垣根をなくせるよう努めたりするのが有効です。
彼らの価値観や個性を受け入れ、それに沿った採用・育成方法を実践することで、定着率が改善する可能性は高まります。 逆境の中で培われた柔軟性やデジタルスキルを持つ“コロナ世代”のポテンシャルを最大限に引き出すことで、職場全体の成長にもつなげていきましょう。
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