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「久しぶりの繁忙期」を迎える体制は整っている?
2020年の春から新型コロナが流行し、それに伴うさまざまな制限によって、客足が遠のいていた飲食店。特に大規模な宴会は敬遠されがちで、ここ数年は忘年会・新年会需要の低下が続いていました。今年の年末年始は、新型コロナが5類感染症に移行して初めて迎える「忘新年会シーズン」。賑わいが戻ってくることが期待されています。
しかし、コロナ後採用のスタッフにとっては初めて、既存のスタッフにとっても数年ぶりに迎える繁忙期。連日続く忙しさにどのように対応すべきか、あまり理解できていないスタッフも多いのではないでしょうか。
業務量が急激に増加する繁忙期には、通常時よりもミスが発生しやすくなり、業務をスムーズにこなすのが難しくなります。繁忙期を迎える前にスタッフのスキルアップを図り、体制を整えておきましょう。
繁忙期に備えて高めておきたいスタッフのスキル
繁忙期に備え、スタッフが次のようなスキルや習慣を獲得できるようにしましょう。■お客様の忘れ物を防ぐ
お酒を飲む場面で増える忘れ物。特に冬は手袋や帽子、マフラーなど身につけるものが多くなるので、忘れ物は増えがちです。どれだけ楽しい時間を過ごしても、最後に「忘れ物をして結局見つからなかった」という苦い思い出が残ってしまったら、今後は来店したくないと感じてしまうお客様もいるかもしれません。反対に、お店側が忘れ物に気づいて帰宅前に声をかけてくれたら、そのお店の印象はぐっと良くなるはずです。
お客様の忘れ物を防止するには、スタッフ一人ひとりの目配りが大切。スタッフを集めて「これまでに忘れ物で困った経験」「忘れやすいもの」「忘れ物防止のアイデア」について話し合う機会を設け、各スタッフの「忘れ物発見スキル」を高めましょう。
■予約情報を聞き取り、整理する
予約情報や問い合わせ情報は、店舗のスタッフ全員で共有していきましょう。「スタッフミーティングを行う」「申し送り用のノートに記載する」「予約表を必ず確認する」などの工夫で、情報が個々のスタッフに行き届くようにし、予約取りのミスや重複が起きないように仕組みを整えてください。また、お客様から予約情報をいただく際は、「予約時間」「幹事のお名前や企業(団体)名」「人数」「利用内容(プランなど)」の基本情報に加え、次のような情報を聞き取れるとベターです。
・企業や団体での予約の場合、どのような企業(団体)か
・頻繁に、または長年通っているお客様の場合、好みや気をつけることはないか
・年配の方やお子様がいる場合、配慮が必要な点がないか
こうした情報を収集し、スタッフ間で共有できていると、より良い事前準備をしてお客様を迎えることができます。お客様とのコミュニケーションのとり方にも違いがでるでしょう。
■周辺の情報を収集する
お店の周辺企業や教育機関の休み、イベント日などを把握しておけば、忙しくなる日、余裕のある日をある程度予測できます。そうすれば、人数に変動のある予約への対応がしやすくなったり、シフトを組みやすくなったりするはずです。スタッフに地元の情報をチェックする習慣を持ってもらいましょう。■季節商品への理解を深め、説明できるようになる
忘新年会専用の商品、クリスマスやお正月などの季節に合わせた商品があれば、スタッフ全員がその内容を具体的に把握し、説明できるようにします。商品の特徴だけでなく、商品ができた背景や今までの商品との違い、特に伝えたい魅力などもあわせて理解し、説明できるようになっておきましょう。お客さまの印象に残りやすくなるため、再来店につながりやすくなります。
繁忙期に向けた人材教育に取り組めば、スタッフ全員が余裕を持つこともできます。目標や狙いを明確にし、みんなでスキルアップに取り組んでいきましょう。
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