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「心理的安全性」が高い組織をつくる!
心理的安全性とは「職場やチーム内で自分の意見を臆することなく、気兼ねなく発言できる・話し合える状態」のこと。つまり、上司(店長やオーナー)を含むスタッフ全員が目的や目標の達成に向けて議論をし、お互いの意見を出し合うことができる状態だといえます。これまでのさまざまな研究によって、「心理的安全性」が高い組織は、低い組織よりも離職率が低く、収益を生み出す力が高いということが分かっており、さまざまなビジネスシーンで注目が高まっています。
職場において「心理的安全性」が高まると、以下のようなメリットがあるといわれています。
・失敗を許容することでスタッフのチャレンジが促進され、「失敗から学ぶ」ようになる
・集まった正しい情報、意見をもとに意思決定ができ、経営力が上がる
・「指摘しやすい環境」になり、スタッフの不正や不祥事を未然に防げるようになるので、大きな問題も起きにくくなる
・社内外のコラボレーションが促進され、新しいサービスなどが生まれやすくなる
・やりがいが感じられ、仕事への貢献意欲が高まる。仕事に集中しやすくなる
・組織の中で尊重されていると感じ、一人ひとりが「自分らしさ」を発揮できるようになる
そして、こうした職場環境の中で、のびのびと建設的な行動・言動が積み重なることで、離職率の低下や収益アップが期待できると考えられています。
職場の「心理的安全性」を高めるためには?
では職場の「心理的安全性」はどのように形成していくものなのでしょうか。やはりオーナーや店長などリーダーの役割が大きく関わります。心理的安全性を高めるためにリーダーとして取り組むべきポイントをご紹介しますので、実践してみてはいかがでしょうか。1.積極的な姿勢を示す
今を大切にしてください。スタッフとの会話では、「ながら」ではなく集中して耳を傾けましょう。
2.理解していることを示す
「なるほど」「わかります」など、話の内容を理解したことをしっかり言葉で伝えましょう。
3.相手を受け入れる姿勢を示す
スタッフと仕事以外の話もするなど、親密な関係づくりを心がけましょう。
4.意思決定時にも相手を受け入れる姿勢を見せる
何かを決める時はトップダウンではなく、メンバーの意見も受け入れるようにしましょう。
5.強情にならない範囲で自信・信念を持つ
リスクを取るようメンバーに促し、自分でも実践するなど、信念ある行動を!
食習慣の見直しでスタッフの健康づくりにも留意を
「ここで働き続けたい!」と思ってもらうためには、健康面から生き生きと働ける環境を整えることも重要なポイント。特に飲食店は交代制勤務などによりスタッフの睡眠や食事の時間が不規則になり、健康を害するケースも少なくないので注意が必要です。 現実として、規則正しい生活習慣を実践することは難しいかもしれません。しかし「夜間遅くなってからの食事を避け、出来る限り決めた時間帯に食事を摂る」「どうしても夜遅く食事を摂らなくてはならない場合は、お菓子やジャンクフードで済ませるのではなく、主菜+副菜を組み合わせたバランスの良い食事を摂る」などできることはあります。また、食事を摂るタイミングが取れず、食事回数が1日2食以下になってしまうといった状況も改善したいもの。1食分の食事を複数回に分けて摂取する「分割食」なども取り入れながらでも、きちんと1日3食分の食事を摂れるよう配慮したいものです。
食習慣のポイントをスタッフ皆で共有し、食習慣や賄いの食べ方を見直してみましょう。
毎日やりがいを持って働けるのは、やはり心と体、両方の充実があってこそ。大切なスタッフの離職を未然に防ぐためにも、ぜひ職場内の「心と体の健康状態」をチェックし、できるところから改善に取り組んでいきましょう。
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