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-Photo by iStock.com/Rostislav_Sedlacek
非常に古い歴史を持つワイン。今から約6000年前、メソポタミア文明の頃にはすでにワインの原型が作られていたことがわかっています。ところが、現在のようにワインの個性に応じたグラスが作られたのは、わずか50年ほど前のこと。ワイングラスには様々な形状があり、最適な組み合わせであれば香りや味のポテンシャルを引き出すことができます。今回はワイングラスの歴史を紐解きながら、グラスを選ぶポイントやお手入れの方法などをご紹介します。
第二次世界大戦前までは、今より小ぶりで、装飾性の高いラッパ型のワイングラスが主流でした。現在のようなワイングラスの開発が始まったのは1950年代後半のこと。オーストリアのリーデル社に大ぶりなワイングラスの注文がありました。これを機に、リーデルはこれまでのものより格段に大きく、洋梨のフォルムを持った斬新なデザインのワイングラスを作りました
このグラスをイタリアのワインの産地・ピエモンテに持ち込んだところ大好評。ところが、フランスのボルドーでは「このグラスで飲むとおいしくない!」という予想外の反応が返ってきました。そのことで、リーデルはグラスの形によってワインの香りや味わいが変化することに気づいたのです。
リーデルは約15年の開発期間を経て、ワインの個性に応じたさまざまな形状のグラスを作り、「ソムリエシリーズ」として世に送り出しました。今日ではこのシリーズがワイングラスの形状のスタンダードになっています。
ワインとワイングラスの歴史をおさらい
紀元前5000年頃、古代オリエントで作られていたワインは、古代ローマの進出やキリスト教の普及とともに、ヨーロッパ全土に広まっていきました。14世紀にベネチアでガラスが製造されるまで、ワインはアンフォラと呼ばれる壺のような容器で貯蔵したり、銀の器で飲んだりしていたという文献が残っています。第二次世界大戦前までは、今より小ぶりで、装飾性の高いラッパ型のワイングラスが主流でした。現在のようなワイングラスの開発が始まったのは1950年代後半のこと。オーストリアのリーデル社に大ぶりなワイングラスの注文がありました。これを機に、リーデルはこれまでのものより格段に大きく、洋梨のフォルムを持った斬新なデザインのワイングラスを作りました
このグラスをイタリアのワインの産地・ピエモンテに持ち込んだところ大好評。ところが、フランスのボルドーでは「このグラスで飲むとおいしくない!」という予想外の反応が返ってきました。そのことで、リーデルはグラスの形によってワインの香りや味わいが変化することに気づいたのです。
リーデルは約15年の開発期間を経て、ワインの個性に応じたさまざまな形状のグラスを作り、「ソムリエシリーズ」として世に送り出しました。今日ではこのシリーズがワイングラスの形状のスタンダードになっています。

-Photo by iStock.com/hypedesk
ワインに合ったグラスの形
ワインとグラスには相性があり、味や風味、香りの感じ方が変化します。グラスの特徴とワインの相性についてご紹介します。ブルゴーニュ型
その名の通り、ピノ・ノワールに代表されるブルゴーニュワインを楽しむために開発されたワインです。ワインが空気に触れる面積を増やし、繊細な香りを引き出すために、ボウル部分が広くなっているのが特徴です。また、ブルゴーニュワインは酸味が強いため、舌の両端に直接流れ込まないような形になっています。華やかで芳醇なワインや、フルーティーなワインにお勧めです。ボルドー型
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどに代表されるボルドーワインを味わうのに適したワイングラスです。フルボディの赤ワインの渋みを和らげつつ、酸味を感じられるよう、口に幅広く注がれるようなフォルムになっています。ボディがほどよくカーブしているため、複雑な香りを整えてくれます。シャンパングラス
スパークリングワイン用に作られたグラスです。細長く、空気に触れる部分を小さくしているため炭酸が抜けにくいのが特徴です。美しい色と泡、そして風味を長い時間楽しめます。若干ふくらみのあるフルート型や、飲み口がフラットになっているクープ型のシャンパングラスもあります。マリー・アントワネットの乳房の形がクープ型のグラスのモデルになったという艶めいた説もあります。白ワイングラス
白ワインのように冷やして飲むタイプのワイン向きのグラスです。空気に触れるとワインは徐々に温まってしまうため、ボウル部分が小さく作られているのが特徴です。
-Photo by iStock.com/Poike
ワイングラスの正しい手入れの仕方は?
ワインの香りや味に影響するのはグラスの形状だけではありません。ワイングラスを良い状態に保つための、手入れの仕方をご紹介します。洗い方
手洗いの場合は、中性洗剤を含んだスポンジで飲み口をそっとぬぐったあと、ボウル内を軽く洗い、ぬるま湯で十分にすすぎます。洗剤のアルカリ成分はくもりの原因となるため丁寧に落とすのがポイントです。拭き方
グラスを洗ったあとは、水あかがつかないようすぐに水分を吸い取ります。布巾は、洗濯時に熱湯で一度煮沸します。柔軟剤はNGです。柔軟剤を使った布巾で拭くと、ガラスに油脂がついてしまいます。磨き方
指がガラスに触れないようにするために、布巾を2枚使い、片手でボウルをしっかり支えて磨きます。ボウルとステムの接合している部分が弱いため、ボウルと台座を両手に持ってひねるように磨かないようにしましょう。
-Photo by iStock.com/Poike
『ワイングラスの特徴を理解することで、ワインの魅力が最大限引き出せる』
良いワイングラスはワインの品質に匹敵するとも言われています。必要に応じて最適なグラスを選び、しっかりお手入れをして長く使えるようにしたいですね。