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飲食店の「有効求人倍率」とは?
有効求人倍率とは、求職者1人に対して、何人分の求人があったかを示す値です。ハローワーク(公共職業安定所)の有効求人数を、ハローワークに登録されている求職者で割り、算出されています。有効求人倍率が1を上回るときは求職者数よりも求人数が多く人手が不足しており、1を下回るときは求人数が不足していている状態です。また、基本的には、正社員・派遣社員・契約社員・パート・アルバイト、これらすべての雇用形態の求人を含めた数字となっています。
有効求人倍率は毎月厚生労働省が公表しており、経済指標の一つとしても重要視されています。ただし、あくまでもハローワークを通じた求人・求職情報から割り出した数値で、求人情報誌や転職情報サイトなどの求人情報は含まれていません。
有効求人倍率でどんなことがわかる?
現在、新型コロナウイルスの影響により採用を控える企業が多く、有効求人倍率は毎月低下しています。直近では、2020年5月の有効求人倍率は1.20倍、2020年6月の有効求人倍率は1.11倍となりました。2019年5月の有効求人倍率は1.62倍のため、かなり低下していることがわかります。今後、有効求人倍率が上昇し始めれば、景気が回復し始めたという一つの指標となるでしょう。有効求人倍率は厚生労働省のHPでより詳しく数値を知ることができます。正社員の有効求人倍率やパートタイムの有効求人倍率、都道府県別の数値などは、求人を出すときの参考になるでしょう。
また、産業別一般新規求人件数では、業種別(飲食業の場合は「76 飲食店」で新規求人件数と前年比を併せてチェックできます。
例えば、2020年の「76 飲食店」の求人件数の前年比は、1月「-21.0」2月「-11.4」3月「-15.8」4月「-45.0」5月「-52.3」6月「-24.2」です。前年と比べ減少が続いています。現在は新型コロナ禍のため、求人を出す飲食店は少ないかもしれませんが、一般的に前年比より-のときは、求職者に対して求人が不足しているため、企業側からすると採用できる可能性が高くなります。+になっているときは、その逆となります。有効求人倍率と照らし合わせて見ることで参考になることでしょう。
<参考>
厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)
有効求人倍率に登場する用語の意味をチェック
有効求人倍率に関する数値を見てみると、実にさまざまな用語が登場します。わかりにくい用語も多いため、あらかじめ確認しておきましょう。■常用
雇用期間の定めがない雇用、もしくは4カ月以上の雇用期間が定められている仕事(季節労働を除く)。■臨時
1カ月以上4カ月未満の雇用契約期間が定められている仕事。■季節
季節的な労働需要に対し、または季節的な余暇を利用して一定の期間を定めて就労する仕事。■パートタイム
1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用されている通常の労働者より短い者。■新規求人倍率
「新規求人数」(期間中に新たに受け付けた求職申込みの件数)を「新規求職申込件数」(期間中に新たに受け付けた採用予定人員)で割った求人倍率。■月間有効求職者数
前月から繰越された「有効求職者数」(前月末日現在において、求職票の有効期限が翌月以降にまたがっている就職未決定の求職者)と当月の「新規求職申込件数」の合計数。■月間有効求人数
前月から繰越された「有効求人数」(前月末日現在において、求人票の有効期限が翌月以降にまたがっている未充足の求人数をいう。)と当月の「新規求人数」の合計数。※有効求人倍率は「月間有効求人数」を「月間有効求職者数」で割って算出します。
■充足数
有効求人が安定所の紹介により求職者と結合した件数。■就職件数
有効求職者が安定所の紹介により就職したことを確認した件数。■充足率
求人数に対する充足された求人の割合。全国計では「就職件数」を「新規求人数」で割って算出し、都道府県別では「充足数」を「新規求人数」で割って算出したもの。政府機関では、ニュースで報道される「有効求人倍率」だけでなく、さまざまなデータが公表されています。求人募集を検討する際には、ぜひ参考にしてみてください。
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