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「服装自由」で自分らしく働きたい人にアプローチ
2021年に従業員のドレスコードを改定したスターバックスコーヒージャパン。髪や服装の色の選択肢が増えたほか、デニムや一部の帽子着用も可能となり、自分のスタイルを表現できる幅が広がりました。公式サイトによると、ドレスコードの改定には「人種、年齢、性別など、あらゆる違いを認め合い、お互いの自分らしさを尊重する」「お客様との心あたたまるつながりを生み出す」という願いが込められているとのこと。清潔感を保ちながらも、従業員がより日常の自分を表現しやすく、自然な振る舞いで接客できるようになることを目指しているそうです。
近年、こうした事例が全国の飲食店で見られるようになりました。求人募集で「服装自由」を打ち出すことで、「飲食業は好きだけど、今までは服装規定によって窮屈さを感じていた」「自分らしいスタイルで働きたい」という人材からの応募を増やしています。中には、「服装を自由にしたら、どんな人材が集まるのか不安」という考えもありますが、実際に働き始めると、内面は芯が通っていてしっかりとした人が多いという声が聞かれます。
複業を解禁し、求職者の多様な働き方をサポート
複業とは、複数の活動を並行して行うことで、パラレルキャリアとも呼ばれます。副収入を目的とした「副業」とは異なり、本業も第二、第三の活動も、本人にとって同等の価値があることが特徴です。飲食店の求人に応募する動機が「さまざまな職場で経験を積みたい」「仕事と同じくらい大切にしたい活動がある」という人もいるでしょう。そうした人の意思を尊重し、求人募集で「複業OK」をアピールすれば、目標を持って仕事をする志の高い人材からの応募が増える可能性があります。複業を解禁すると、採用した人材が他の活動で身につけたスキルや視野を自店に還元し、店がいっそう発展することもあるかもしれません。
キャリアパスの提示でキャリアアップできる環境をアピール
キャリアパスとは、企業内において目指す役職や地位、役割にたどり着くまでに、通るべきポイントやクリアすべき基準、身につけるべきスキルや経験などを指します。キャリアパスが提示されることで、従業員は将来設計が立てやすくなり、何のためにどう頑張ればいいかわかるため、モチベーションを保ちやすくなります。求人募集でキャリアパスを提示すれば、求職者は自分が入社後にどのようなキャリアを歩むのかがイメージしやすくなり、応募のハードルが下がります。ぜひキャリアパスの例を提示しておきましょう。
ワークライフバランスが取りやすい職場は求職者に人気
ワークライフバランスとは、仕事と生活のバランスがとれた状態のことを指します。近年は、ワークライフバランスを重視し、仕事もプライベートもどちらも充実させる働き方を目指す求職者が増えています。特に、子育てや介護を担う世代の人にとっては、ワークライフバランスが取れる職場であることはとても重要なポイントです。短時間勤務やシフトの調整がしやすい環境を整え、求人募集でもアピールしましょう。
DX化の進んでいる飲食店も「働きやすい」と好評
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、デジタル技術で社会や生活の形・スタイルを変化させること。企業においては、デジタル技術で他の会社よりも儲かる仕組みをつくることを指します。飲食店においては、接客や会計、予約・顧客管理といった業務をデジタル化し、顧客満足度を向上させることなどが考えられるでしょう。DX化が推進されている飲食店は、顧客満足度が高まるだけでなく、従業員にとっても業務の負担が軽減され、働きやすい環境であることが少なくありません。デジタルツールを効果的に活用し、お客様にとっても従業員にとっても快適な店を目指している飲食店は、求人募集の際に積極的に打ち出すといいでしょう。
「服装自由」「複業OK」「キャリアパス」「ワークライフバランス」「DX」というワードは、求職者が求人を探す際に検索しやすい傾向にあります。より多くの人に求人募集を見てもらうためにも、ぜひこうした切り口で自店の魅力をアピールしてください。
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