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カジュアル面談とは
カジュアル面談は、求職者や選考途中の候補者、内定者と、気軽にお互いのことを知るために行う面談です。一般的には、求人に応募するか確定していない求職者と行うことが多いようです。採用面接は、採用側が求職者に質問をし、求職者がそれに答えるという緊張感のある場であることが通常です。一方カジュアル面談ではリラックスした雰囲気の中、ざっくばらんに質問をし合います。
また、採用面接は選考を目的としていますが、カジュアル面談は相互理解や関係構築を目的としています。そのため、カジュアル面談では合否判断を行いません。
カジュアル面談を導入するメリット、デメリット
■メリット
カジュアル面談を導入することで、飲食店は求職者と気軽につながることができ、人材を集めやすくなります。特に「お店の存在、魅力をもっと求職者に知ってほしい」と感じている飲食店には、求職者にそれらをアピールする絶好のチャンスになるでしょう。求職者の立場から見ても、面接よりも気軽に申し込むことができ、その飲食店について詳しく知ることができるカジュアル面談の存在はありがたいもの。カジュアル面談を経て関係構築ができている状態であれば、求人応募に対する心理的ハードルは下がります。
また、カジュアル面談を通して飲食店側と求職者側の双方の理解が深まっていれば、採用のミスマッチも起こりにくくなります。特にお互いの希望条件、働く際に重視するポイントなどを共有し合っておけば、採用後に仕事に対する認識や価値観のズレも起きにくくなります。
■デメリット
一歩間違えると「ただ雑談するだけ」になってしまうことも。カジュアル面談を有意義な時間にするためには、事前にしっかりと準備して臨む必要があり、面談担当者の負担が大きくなりがちです。また、カジュアル面談で面談担当者が高圧的な態度を取ったり、一方的に質問攻めしたり、強引な勧誘を行ったりと求職者が不快に感じる対応をしてしまうと、求人に応募してくれる可能性が減るばかりか、店の印象ダウンにもつながりかねません。そうした事態を避けるために、正しいカジュアル面談の方法をきちんと学んでおきましょう。
カジュアル面談の実施方法
カジュアル面談を実施する際は、初めに自己紹介やアイスブレイクとなる会話でリラックスした雰囲気をつくり、面談の趣旨の説明を行います。ある程度緊張が解けたら、求職者に経験、スキル、キャリア、興味、現在の課題、期待する職場環境などに関する質問を投げかけ、自店とのマッチ度を確かめてください。次に、ヒアリング内容を受けて、自店が募集する職種・ポジションの魅力、社風、仕事のやりがいなどを伝えます。この際、求職者とマッチする点、マッチしない点も共有しておきましょう。
カジュアル面談の結果、お互いにマッチ度が高いと感じた場合は、選考へ進んでもらいます。事前に候補日時を用意しておき、その場で具体的な日時まで決定しますが、この際に強引な印象を与えないように注意を払ってください。
マッチ度が低いと感じた場合は、お礼を述べて面談を終了しましょう。面接ではないため、合否判断を伝えるのはNGです。
「カジュアル面談」の活かし方
カジュアル面談の機会を活かしやすいのは、ダイレクトリクルーティング(スカウト採用)におけるスカウト後のタイミングです。面接よりもハードルが低いため、飲食店側からアプローチした優秀な人材も了承しやすいというメリットがあります。また、通常の面接と並行して実施し求職者の本音や人柄をより深く知ったり、内定後のフォローに用いてお互いの不安を解消したりすることもできます。
カジュアル面談は、飲食店と求職者がお互いに理解を深められる貴重な機会です。面談担当者の負担が重いと感じる場合は、オンライン面談を行うのもひとつの方法です。一方的に質問攻めにすることのないよう、求職者からの質問を積極的に受けることを心がけ、相互理解と関係構築を目指してください。
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