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自動翻訳型の公式サイトで「言葉の壁」を取り払う
飲食店におけるインバウンド対応サービスの開発を続ける株式会社CS-Cでは、100以上の多言語化とSEOを強化した集客サイト「C-mo Inbound(シーモインバウンド)」をリリースし、話題を集めています。2013年に「日本食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことをきっかけに、日本での食事を楽しみに訪れる外国人観光客が急増しました。しかしさまざまな言語に対応するメニューやスタッフが揃わず、お客様とのやり取りに苦慮した――という経験を持つ飲食店は多いのではないでしょうか。
「C-mo Inbound」は、世界各国100以上の言語に対応し、全ページを自動で翻訳できるサービス。営業時間などの基本情報はもちろん、新メニューの追加やページの更新も即時に反映されます。また、お客様の言語に即時翻訳したメニューを、スマホやタブレット画面に表示できるので、言語ごとにメニュー表を用意する必要がありません。悩みのひとつだった「言葉の壁」を取り払い、インバウンド客にも安心して食事を楽しんでもらえる環境を提供できそうです。
日本に来た外国人観光客の多くはウェブサイトやブログでさまざまな情報を入手し、訪れる場所や店、購入するものを決めています。言葉の不安がない満足度の高いおもてなしの店として情報が拡散されれば、新たなインバウンド客の獲得にもつながるはずです。
多様な「食の嗜好」に応えるメニュー展開を
海外には基本的に野菜や乳製品を選んで食べる「ベジタリアン」、植物性食品のみを食する「ヴィーガン」の方々も少なくありません。飲食店のインバウンド対策強化を考えるうえでは、決して見逃すことのできない存在です。「ベジタリアン」といっても、肉だけを食べない「ペスコ・ベジタリアン」、肉と魚を避け、野菜や乳製品を口にする「ラクト・オボ・ベジタリアン」など、細かく分けると5つのタイプがあり、それぞれ食べられるものが異なります。そのためベジタリアン向けのメニューとして野菜のみを使った料理を考案するだけでなく、魚や卵、乳製品を使う場合には、それが入っていることをしっかりと表記して安心して料理を選択し楽しんでもらえるようにするなどの取り組みが求められます。
見た目や食感が肉に近い「大豆ミート」など、ベジタリアンやヴィーガンにもうれしい食材が入手しやすくなっています。ベジタリアンメニューの提供に資格は不要ですので、多彩な食の嗜好にも対応できる新しい味を作り出してみてはいかがでしょうか。
宗教に根ざした「ハラールフード」への対応を
「ハラールフード」への対策もぜひ考えてみましょう。ハラールフードとは、イスラム教徒が食べても良いとされる食品を使った食べ物・料理のこと。基本的に豚肉とアルコール以外は口にすることができますが、肉そのものを使っていなくても、豚のエキスを使った調味料や発酵過程でアルコールが自然発生する醤油やみりんもNGとされています。また、ハラールフードの調理には専用の調理器具を使うことが求められ、豚肉を切った包丁やみりんなどの軽量に使ったカップやスプーンで調理をすることも禁じられています。
今後、日本を訪れるイスラム教徒の増加と共に、ハラールフードの需要も高まることが予想されています。ハラールフードを導入したら、それを認める「ハラール認証」を取得しましょう。メニューに提示しておけば、イスラム教徒の方も安心してオーダーできるはずです。
世界各国が「withコロナ」に舵を切った今こそ、もう一度その対策を見直す時が来ているといえます。世界のさまざまな言語、文化、宗教の違いに対応し、日本ならではのおもてなしの心を食で表していきましょう。
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