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学生アルバイトを採用する難しさとは?
学生には「初めてアルバイトを経験する」という人も多く、採用において働き方の希望などを聞き取ろうとしても、お互いの本音をうまくすり合わせられないことが多々あります。その結果、採用したアルバイトが定着せず、採用活動がやり直しになってしまうことも……。せっかくコストをかけて採用・教育するのであれば、できるだけ長く安定的に勤務してほしいもの。学生アルバイトは、飲食店に対してどのような働き方や条件、経験を求めているのでしょうか?
週の平均アルバイト日数は「2~4日」が7割超
まずは勤務の頻度から見ていきましょう。2023年に実施された、現役大学生100人を対象にしたアンケート調査によると、1週間の勤務日数の実態は「週2〜4日」が76%で最多。学業や休日に充てる時間を確保するには、週2~4日の勤務がちょうどいいと感じる学生が多いようです。一方「週1日」と少なめの勤務希望の人が19%、「週5~7日」というある程度まとまった収入を得られる勤務希望の人が5%いることも見逃せません。シフトを組む際には、一方的に「このくらいの日数なら働けるだろう」と決めつけず、本人の希望をきちんと聞き取ることが大切です。また、学生の場合はテスト期間や長期休みによって勤務日数が増減することも想定に入れておきましょう。
月収は「7万円以上〜10万円未満」が最多
これまでの最高月収については、上位から「10万円以上(36%)」「7万円以上〜10万円未満(25%)」「5万円以上〜7万円未満(23%)」という結果に。週2~4日の勤務を希望する人が多いことを考慮すると、1日あたりの勤務時間の希望は、ある程度まとまったものになっていそうです。アルバイト先選びで重視するポイントは「給与」「仕事内容」「通いやすさ」
「仮に次のアルバイト先を探す場合、何の条件を重視するか」という質問(複数回答可)に対して多かった回答は、「給与(68%)」「仕事内容(56%)」「通いやすさ(56%)」の3つとなっています。このことから、多くの学生がアルバイトを「お金を稼ぐための手段」と考えており、そのうえで仕事内容が自分に合っていること、通うのに負担が少ないことを重視しているとわかります。しかし、アルバイトを「将来のキャリア・就活につながる」ものと考えている学生が24%いることにも注目です。「学生時代のアルバイト経験を通して、社会で通用する人材になれるよう自分を成長させたい」という学生は決して少なくないようです。
飲食店のアルバイトでは、多くの業務を手際良くこなすスキルが磨かれます。また、正しい敬語やマナー、とっさの対応力など、接客を通して得られるものも大きいでしょう。より優秀でモチベーションの高い学生アルバイト人材を確保したいのであれば、給与や仕事内容の充実はもちろん、社会人の準備期間としての経験を積めるような業務の進め方や教育体制を構築し、採用の際にアピールするといいでしょう。
近年、学生のアルバイトに対する考え方は、コロナ禍を経て二極化していると言われています。「学校に行けない時期を経験しているため、アルバイトはそこそこに学校生活を楽しみたい」という層と、「先行きが見えない不安定な時期を過ごしたことで、学生のうちから自分の力で稼ぐことへの関心が高まっている」という層がいるということです。
これからの時代に優秀な学生アルバイトを採用し定着させるには、その人材がどちらのタイプなのかをよく観察し、柔軟な対応を取ることも求められていくのかもしれません。学生アルバイトができるだけ長く勤務し、次の世代を紹介してくれるよう、環境整備に努めていきましょう。
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