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開業時に必要な2つの資格
まずは、開業時に必須の資格2種について説明します。■食品衛生責任者
食品衛生法に定められた資格で、各都道府県の保健所が管轄する公的資格です。食品衛生責任者の主な役割は、食品を扱う施設で、衛生管理を担うリーダーとして現場を率いること。飲食店を含む「食品衛生法に基づく営業許可施設」への設置が義務付けられています。
なお、1人の食品衛生責任者が複数の施設を兼任することは認められていません。そのため、複数の店舗があるなら、店舗ごとに最低1人の食品衛生責任者を設置する必要があります。
■防火責任者
多くの人が利用する建物などの火災等による被害を防止するため、設置が義務付けられている責任者です。防火管理に係る消防計画を作成し、防火管理上必要な業務を計画的に行う責任を負います。
信頼度の高い国家資格
開業に必須ではないものの、飲食業にかかわる資格で特に信頼度が高いものといえば、やはり「調理師免許」ではないでしょうか。調理師免許は、調理技術や食に関する専門知識を持つことを証明する国家資格です。調理師免許を持っていなくても、飲食店で調理の仕事をすることは可能です。しかし、調理師免許は一定のスキルを持っていることの証明になるため、調理師免許を持っているスタッフが調理を担当していると、顧客からの信頼を得られやすくなるでしょう。
メニュー開発に役立つ資格
新メニューを開発するときには、次のような資格が役立ちます。■フードコーディネーター
食に関するさまざまな知識に基づき、料理人や栄養士などと協働して、フードビジネスの企画やコーディネートを行える資格です。メニューの開発はもちろん、レシピの作成や調理技術の指導、テーブルまわりのコーディネートまで幅広い業務を担うことができます。
■中医薬膳調理師
薬膳とは、中医学に基づき、生薬を使用することで健康・美容効果を高めるために作られた料理のこと。中医薬膳調理師は、薬膳について深く学び、本格的な薬膳料理を極めた人に与えられる資格です。健康志向のメニューを開発したい飲食店には向いているかもしれません。
■健康食事指導士
日本ダイエット健康協会認定の資格で、食に関する知識を幅広くバランス良く身につけることで取得できます。最新栄養学と機能性成分、健康成分の効能を引き出す食材・調理学、さらには食の健康文化比較論までを3日間の講義で学びます。こちらも、健康を気遣う顧客をターゲットにした飲食店におすすめの資格です。
接客系の資格
次のような資格を接客スタッフに取得してもらうと、接客の質の向上が期待できます。■レストランサービス技能士
主にレストランなどで、顧客に満足感を得てもらうために最低限必要とされる接客の技能を認定する国家資格です。ウェイター、ウェイトレス、ホテルマンなど、西洋料理を提供する者の技術・地位を向上させるために設けられています。
■おもてなし学検定
「おもてなし」を理解し体得していることをアピールできる民間資格です。「おもてなし」というあいまいな概念を正しく理解できるだけでなく、日本の伝統文化について学ぶこともできるため、インバウンド対策にもおすすめです。
その他の資格
他にも、経営者やスタッフがこんな資格を持っていると役立ちます。■労働安全衛生マネージャー
労働者の安全と健康の確保、快適な職場環境形成を目的とした労働安全衛生法の内容のほか、健康診断やストレスチェック制度についての研修を修了し、試験に合格すると取得できる資格です。マネージャー層が取得すると、スタッフが安心安全に働ける職場づくりが期待できます。
■SNSエキスパート
企業・団体向けのSNS活用の知識・方法を学んだ人が取得できる資格です。初級では、SNS活用に必要な用語、概念、考え方、注意点といった基礎的な知識を習得。上級では、KGI・KPI（=目的・目標)の設定方法コンテンツの作り方や広告配信の考え方など、より具体的な実践スキルを身に付けることを目的としています。いずれも企業・店舗のSNS担当者におすすめです。
資格取得にあたって得た知識や技能を実務に活かすことができれば、お客様が料理やサービスをより楽しめるようになり、顧客満足度の上昇につながる可能性があります。有資格者の人材を雇用したり、スタッフの資格取得を応援したりして、自店の魅力の幅を拡げましょう。
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