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新人スタッフを放置していませんか。飲食店の研修で効果的なOJTの進め方

2019年9月26日 人材採用コラム 人材教育

目次

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飲食店で新人アルバイトや新入社員が入ってきたけど、忙しくてついつい新人スタッフを放置している、研修がうまく進まない、ということはありませんか。せっかく採用したスタッフが早期退職してしまうと悩んでいる飲食店は、最初の研修に問題があるのかもしれません。

そこで今回は、飲食店のOJTについて解説。人手不足の飲食店ほど、貴重な人材に長く活躍してもらうためにも、積極的にOJTを行ってみてはいかがでしょうか。

画像素材:PIXTA

「OJT」とは

OJTとは「On the job training」の略で、実際の現場で業務を通して行う教育訓練のこと。店に出た瞬間にプロとしてお客さんと接する飲食店スタッフにとって、大切なトレーニングの一つといえます。最初にOJTを実施することで、新人スタッフにいち早く業務に慣れてもらうことができます。また、実際に起こりうるあらゆるケースに対して心構えができ、業務理解を深めることにつながります。

飲食店がOJTを行うメリット

飲食店でOJTを行うことによって得られるメリットは多くあります。

■新人スタッフに安心感を与える

誰しも新しい職場というだけで多かれ少なかれ不安を抱えるもの。特に個人店では研修制度が整っておらず、簡単な座学と店内のシステムだけを教えて、「後は仕事しながら覚えてね」という店舗も少なくないはず。スタッフの不安な気持ちはお客さんにそのまま伝わり、サポートのないままミスや失敗を繰り返すと、スタッフのモチベーションも低下してしまいます。 最初にOJTを行うことで、自分のことをサポートしてくれる人がいるという安心感のもと、伸び伸びと働くことができます。

■早期離職を防げる

社会人経験が浅いアルバイトスタッフの場合、不安を抱えている状況で、専任の担当者がしっかり業務を教えてくれる場合と、「とりあえずやってみて」と放置される場合では、のちに大きな差が生まれます。

「とりあえずやってみて」と放置された場合、人によっては短期間で辞めてしまう可能性も少なくありません。仮に業務に問題なく慣れて短期での離職は防げたとしても、その後の店や会社に対する信頼度も違ってくるでしょう。人手不足で採用が難しいことは、多くの飲食店経営者が痛感していること。良い人材に長く働いてもらうためにもOJTは有効です。

■新人スタッフの成長が早い

座学研修のみや、その場その場でわからないことを教えていくというスタイルよりも、きちんと仕組みを整えてOJTを行ったほうが、知識やスキルにムラがなく、新人の成長も早いものです。

また、一般的に、大勢の新人スタッフ対講師といったかたちの座学研修と違って、個人の特性に合わせた内容・スピードで教えられることがOJTの特徴。個々に合わせた教育をきちんと行えば、新人スタッフの成長の度合いはより高まるでしょう。

■教える側のスキルアップにもつながる

信頼できる中堅スタッフに、教育担当を任せてみるのもおすすめです。人は自分がきちんと理解していることでないと、他者に教えることはできません。OJTを中堅スタッフに任せることで、教える側の知識やスキルもより深まり、店全体としてレベルアップすることも可能。また、人によっては、教育係という役割を任されることでモチベーションアップにも繋がります。

■コストがかからない

研修場所やまとまった時間が必要な座学研修に比べ、OJTは店で研修を行なうため、コストがほとんどかからない点もメリットの一つです。

OJTの進め方は?

OJTに多くのメリットがあることを理解していても、「忙しくて教えている時間がない」「何から始めていいのかわからない」と思っている飲食店店長もいるかもしれません。ここからは、飲食店でのOJTの進め方や注意点を紹介します。

■チェックシートやマニュアルを作成する

覚えてほしい業務をリスト化し、チェックシートやマニュアルとしてまとめておくと、効率的かつ習得スキルが可視化できます。教え忘れも防げますし、また教育担当者が複数いる場合は、引き継ぎや進捗具合を共有するのに便利です。

■計画を立てて共有する

個人の経験や能力、アルバイトであれば労働時間なども考慮して、覚えてもらう内容やおおよその研修期間などを決めておきましょう。計画を立てたら、新人スタッフにも最初に共有しておくのがおすすめ。新人スタッフは安心して仕事に取り組めますし、とりあえずのゴールが見えることでモチベーションも上がるでしょう。また、研修内容は教育担当と新人スタッフだけでなく、店舗内で共有しておくのがベストです。

■実践する

OJTは「やってみせる」「説明する」「やらせてみる」「フィードバック」という流れが基本です。つい、「説明する」から入ってしまいそうですが、飲食店での仕事の場合は事務職と違ってPCとにらめっこというわけでなく、動作や所作として覚えることも多いので、「やってみせる」というのは意外と重要です。

また、「やらせてみる」を行なった後のフィードバックがなければ、研修の意義が半減してしまいます。しっかりできているようであればそれを伝えて「これでいいんだ」と認識してもらい、改善すべき点がある場合も次に活かせるようにしっかり指導しましょう。また、現場で同じことを反復して学習してもらうことも、OJTの重要なポイントです。

OJTを行う上での注意点

ここまでOJTのメリットや実際の進め方についてお伝えしてきましたが、OJTを行う上で注意点も知っておく必要があります。

■教育担当一人だけに負担を与えないようにする

教育担当の負担が重くなってしまったり実務が滞ってしまったり、というのはOJTを行う上で起こりがちな問題。一人だけ忙しいのに評価されていない、と教育担当の不満が溜まらないように、サポート役をつける、店舗全員で研修内容を共有しておくなど、必要があればフォローできるように体制を整えておきましょう。

■中長期的な仕事の知識やスキルを教えるのは難しい

忙しい実務の中でのOJTでは、ついつい目先の仕事ばかり教えることにとらわれてしまいがち。基本から一歩進んだ応用を教えたり、中長期的なビジョンを共有したりするには向いてないこともあります。より良い人材の育成をするには、OJTと併せて定期的な面談や座学研修なども活用するのがおすすめです。

忙しくてなかなか手が回らないと感じる飲食店も多いかもしれませんが、OJTをきちんと行うことは、より長く、効率よく働いてもらう上でとても重要なことです。ぜひ自店でOJTを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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