飲食店の82.7%が給付金・助成金・補助金を申請済み。手続きに手間取った店舗は4割近く

2020年7月2日

画像素材:PIXTA
新型コロナウイルスの影響が続く飲食業界。この状況を乗り越えようと、政府や地方自治体、企業などの金融支援を利用している飲食店も多いのではないだろうか。そこで「飲食店リサーチ」では、飲食店経営者や運営者を対象に、給付金・助成金・補助金の利用状況について調査を実施。今回は、その結果をお届けする。

なお、調査期間中(6月10日~11日)は、緊急事態宣言解除後ではあるものの、東京都は「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」におけるステップ2の段階。都内の飲食店は、営業時間の短縮(朝5時から夜10時まで営業可)が要請されていたため、こうした背景もアンケート結果に影響しているものと推測される。

■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:619名
調査期間: 2020年6月10日〜6月11日
調査方法:インターネット調査
アンケート結果:「給付金・助成金・補助金の利用状況」に関するアンケート調査

■回答者について
回答者のうち68%が1店舗のみを運営。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は56.2%(首都圏の飲食店の割合は72.9%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測される。

飲食店の営業状況は? 約3割の店舗が普段通りに営業


まず、現在の営業状態について尋ねたところ、最も多かったのが「営業時間を短縮(57.7%)」という回答。次いで、「イートインに加えテイクアウトやデリバリーも行っている(33.8%)」という回答が続く。

「普段通りに営業」という店舗は、32.5%だった。5月15日~20日に行った同様の調査で、普段通りに営業している店舗が5.3%だったことを考えると、徐々に以前の営業形態に戻り始めている様子がうかがえる。一方で、「閉業を検討している(4%)」、「すでに閉業した(1.3%)」と回答した店舗もあり、約5%の店舗が閉業に追い込まれてしまっていることも明らかになった。

続いて、2020年5月の売上を昨年度の売上と比較してもらった。すると、92.6%が「前年同月より売上が減った」と回答。なかでも多かったのが「前年同月より90%以上減った(23.6%)」という回答で、それに「50%減った(15%)」、「80%減った(13.2%)」が続く。

また、50%以上売上が減ったという回答を選択した方が7割を超え、引き続き新型コロナウイルスの影響が続いている様子がうかがえる結果となった。「前年同月と変わらない(2.7%)」、「前年同月より増えた(4.5%)」と回答した店舗は、7.2%だった。

約8割の飲食店が、何らかの金融支援策を申請済み


次に、政府や地方自治体などが実施している、給付金・助成金・補助金の利用状況について尋ねた。最も多かったのが「すでに申請し、入金も確認済み」という回答で、44.7%。次いで「すでに申請し、入金待ち(38.0%)」が続くことから、約8割の飲食店がすでに何らかの金融支援を申請済みだ。また、「申請の手続きを進めている」という回答も10.5%あり、9割を超える飲食店が何らかの金融支援を利用していることが明らかとなった。

具体的にどの給付金・助成金・補助金を利用しているか尋ねたところ、政府が実施している「持続化給付金」が最多で、84.0%。次いで「自治体の休業要請協力金(39.1%)」、「雇用調整助成金(32.8%)」が続く結果に。複数の支援を利用している方も多く、店舗の状況にあわせて給付金・助成金・補助金を活用しているようだ。

給付金・助成金・補助金の申請に手間取る飲食店も


給付金・助成金・補助金を申請するには、それぞれ書類の準備や手続きが必要となる。そこで、給付金・助成金・補助金を利用している店舗に、スムーズに準備や手続きが進んだかを質問したところ、「はい(55.3%)」と回答した方が半数以上という結果が得られた。一方で、「いいえ(36.8%)」と回答した方も約4割と、申請に手間取った飲食店も少なくないようだ。

「いいえ」と回答した方にその理由を尋ねたところ、約7割が「申請に必要な書類を集めるのに手間取った(70.2%)」と回答。さらに、「申請の書式が難しく、記入に時間がかかった(57.5%)」、「申請の基準や要件を調べるのが大変だった(55.3%)」という回答も5割を超えるなど、申請するまでの準備に苦労したという回答が目立つ結果となった。

また、給付金・助成金・補助金を利用するうえで感じたことを自由回答形式で聞いたところ、様々な意見が上がったので、いくつかをピックアップして紹介する。

・スピード感がもっと欲しい。本社とのやりとりが必要な用意すべき書類が多く、事務作業が煩雑だった。(東京都/ラーメン/1店舗)
・自分が使える公的な助成金などの種類が把握しきれないので本来、申請可能であっても出来ていないものも多いと思う。また書類が多いので店舗の営業をしながらだと法務局、市役所、保健所、税務署などとても回り切れない。(神奈川県/イタリア料理/1店舗)
・申請後1ヶ月、何の連絡も無かったので、状況がわからず不安になった。申請から支給までの流れを明確に示してほしい。(東京都/ラーメン/1店舗)
・情報を自分で取りに行かないと入ってこないので、もっと周知をしないと、知らないまま終わってしまう恐れがある。(大阪府/カフェ/2店舗)
・他の申請はわからないのですが、私がさせていただいた申請は思ったより簡単だったと思います。ただ、どんな補助金や助成があり、どう申請すれば良いなどの情報を提供してくださるコンサルティング的な方が身近にいれば良かったなぁとは思いました。(東京都/その他/1店舗)

自由回答形式でも、「書類が多い」「わかりにくい」など、準備段階での苦労を訴える声が目立った。また、様々な支援策が登場していることから、情報の把握が大変という回答も。今後も「家賃支援給付金」など、飲食店の助けとなる金融支援が始まる予定だ。飲食店経営者は、有益な情報を少しでも多く集められるよう、常にアンテナを張り巡らせてほしい。

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