飲食店の38.3%が「Go Toイート」参加の意向。 限定メニューで集客狙う店舗も

10月8日

画像素材:PIXTA
10月1日よりポイント付与事業がスタートした、政府の「Go Toイートキャンペーン」。新型コロナウイルスの影響を受けている飲食店や農林漁業者を支援するための取り組みだ。オンライン予約サイトを通じたポイントの付与や、各地域の飲食店で使用可能なプレミアム付食事券の発行などが行われるとあって、外食業の消費喚起策として注目されている。

そこで今回の「飲食店リサーチ」では、飲食店経営者や運営者に対し、Go Toイートキャンペーンの実施に向けた飲食店の対応についてアンケートを実施。飲食店のリアルな声とともに、その結果をお届けする。

■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:546名
調査期間:2020年9月15日~9月17日
調査方法:インターネット調査
アンケート結果:「Go Toイートキャンペーン実施に向けた飲食店の対応」に関するアンケート調査

■回答者について
回答者のうち68.1%が1店舗のみを運営。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は57.7%(首都圏の飲食店の割合は71.0%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測される。

約4割の飲食店がGo Toイートへ参加予定。 手続きの煩雑さ等で見送る店舗も


はじめに、2020年8月の経営状況について、昨年の同時期と比べてもらった。最も多かったのが、「前年同月より50%以上減った(34.1%)」という回答。次に、「40%減った(18.3%)」、「30%減った(17%)」との回答が続く。



なお、7月の売上の昨年対比は、「50%以上減った(38.6%)」、「40%減った(13.6%)」、「30%減った(17%)」となっており、先月に比べるとやや改善の兆しがみられるものの、ほとんど変わらない状況だ。この結果には、8月に再度出された時短営業要請などが影響しているものとみられる。

次に尋ねたのが、Go Toイートキャンペーンの参加予定について。「参加する」と回答した飲食店は、全体の約4割にとどまった。一方で最も多かったのが「検討中(48.2%)」という回答。調査期間中(9月15日~17日)は、キャンペーン開始前だったことに加え、東京都を始めとする一部の自治体では、プレミアム付食事券の発行事業者が未定の段階だったこともあり、判断に悩む飲食店が多かったようだ。



また、アンケートでは「参加しない(13.6%)」と回答した店舗も。不参加の理由について自由回答形式で尋ねたところ、「手続きが面倒」や「効果が期待できない」という声が目立った。なかには、「予約サイトを使っていない」「参加条件となっている感染症対策の順守が難しい」といった事情から、今回の参加を見送った飲食店もあるようだ。その他、以下のような回答も寄せられた。

・事務的手間が増えるため。人手不足のためこれ以上負担を増やしたくない。あと、客層が変わり、既存のお客様が予約を取りにくくなることが懸念されるため(神奈川県/イタリア料理/1店舗)
・喫茶という業態は客単価が低いため、参加するメリットが感じられない(東京都/カフェ/1店舗)
・仕組みが複雑なのと、サイト経由の予約はやっていないから(東京都/バー/1店舗)
・政府のコロナ感染対策のガイドラインに対応させることができないため(東京都/ラーメン/1店舗)

限定メニューや割引券で集客を試みる他、予約サイトを複数併用する飲食店も


続いて、「参加する」と回答した店舗に対して、検討している集客面での対策についてうかがった。興味深い回答を以下に抜粋するので、参考にしてほしい。

・キャンペーン期間限定のメニューを作る(京都府/和食/2店舗)
・1000円単位のメニュー作成、お土産になる商品の開発(石川県/その他/6~10店舗)
・限定コースの作成。ネット広告を拡充し、利用したときのお得感をアピールする(東京都/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
・次回使用できるクーポンチケットを発行する(京都府/その他/6~10店舗)

目立ったのが、Go Toイートキャンペーンに合わせた限定メニューやコースの開発を行うという回答。限定メニューの提供により、消費者の利用を促したいと考える飲食店は多いようだ。また、キャンペーンをきっかけとしたリピーター獲得に動く店舗も。次回から使えるクーポン等を発行することで、再来店を促す狙いだ。

さらに「オンライン予約サイトに参加する」と回答した店舗に対し、どの予約サイトを利用するかについても尋ねた。最も多かったのが「食べログ(64.8%)」で、次に「ぐるなび(56.0%)」、「ホットペッパー(45.9%)」が続く形となった。なお、1つの予約サイトに集中するのではなく、複数の予約サイトを併用して活用している店舗も多数みられた。


キャンペーンに対し、不安や疑問の声をあげる店舗も


Go Toイートキャンペーンに対しては、さまざまな意見があり、なかには不安や疑問の声も上がっている。そこで、不安や疑問に思っていることについて自由回答形式で尋ねた。すると、「キャンペーン概要の複雑さ」や「オンライン予約サイトを経由すること」に対する意見のほか、「恩恵自体を疑問視」する声などがあることも明らかとなった。

■キャンペーン内容がわかりにくい


・登録店舗の申請方法など、詳細が良くわからない(東京都/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
・内容が把握しきれない、地元観光協会が行なっているクーポンキャンペーンとの差別化が面倒(千葉県/和食/2店舗)

■オンライン予約サイトを利用していない、送客手数料が負担になる


・予約サイトを利用する場合の送客手数料等が不安です(東京都/フランス料理/1店舗)
・基本予約を取らない喫茶の業務なので、恩恵を受けづらい(神奈川県/カフェ/1店舗)

■自店舗に効果があるのか疑問


・自店メニューの単価が低いので、食事券などは使われにくいと懸念している(東京都/ラーメン/1店舗)
・ポイント還元の場合、一回のディナー予約・来店につき一律1000ポイント付与とのこと。それなら、多くの人は価格帯の安いお店に何回も行き、ポイントを貯めるのでは。高級店には向かないキャンペーンかと思っております。(東京都/バー/2店舗)
・利用客層は年配の方が多いため、ネットで検索して来店いただけるとは思えず、正直メリットがあるかわからない(大阪府/寿司/1店舗)

■その他の意見


・予算が少ないため、すぐに終わりそう(東京都/イタリア料理/1店舗)
・Go Toトラベルのクーポンも利用できるようにする予定なので、会計の際、手際よく処理できるかが心配(京都府/和食/1店舗)
・コロナ感染対策はしているが、基準を全てクリアできているか疑問があること(東京都/イタリア料理/1店舗)

最後に、今後Go Toイートキャンペーンに望むことについて自由回答形式で聞いた。すると「手続きの簡略化」や「予算の増加」などの意見を中心に、「キャンペーンの継続化」や、「飲食業界全体が恩恵を受けられるような仕組み」を求める声も聞かれた。

・消費者や店舗のことを考え、手続きやしくみをシンプルにしてほしいです(北海道/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・一過性のキャンペーンではなく、コロナ禍の影響がなくなるまで継続的に実施して欲しい(東京都/その他/11~30店舗)
・一部のグルメサイトなどが儲かる仕組みはなくして欲しい。掲載料、送客手数料などの一時的な無料化を希望。(大阪府/イタリア料理/1店舗)
・食事券以外に、ネット予約できない店や、客単価の低い店なども利用してもらえるような内容を追加して欲しい。(東京都/カフェ/1店舗)

10月1日から順次スタートしている、Go Toイートキャンペーン。不満や疑問の声はあるものの、期待を寄せている飲食店も少なくないだろう。自店舗で効果やメリットがあると感じた飲食店は、集客面の工夫もしながら有効活用していってほしい。

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