アフターコロナの飲食店DX事情を調査。活用の中心はキャッシュレス決済、SNS、オンライン予約サイトなど

2020年11月5日

画像素材:PIXTA
新型コロナウイルスの影響で、飲食店のあり方はこれまで以上に大きく変わりつつある。テイクアウトやデリバリーといったサービスはごく当たり前のものとなり、ゴーストレストランなど、実店舗をもたないビジネスモデルも急増。さらに、徹底した感染予防対策が求められるようになった。こうした背景もあり、これまで以上に飲食店におけるテクノロジーの活用、つまりDX(デジタルトランスフォーメンション)実現の重要性が叫ばれている。

そこで今回の「飲食店リサーチ」では、飲食店経営者や運営者に対し、飲食店におけるテクノロジーの導入状況についてアンケートを実施。飲食店から寄せられた声とともに、その結果をお届けする。

■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:516名
調査期間:2020年10月23日~2020年10月30日
調査方法:インターネット調査
アンケート結果:「アフターコロナ時代における飲食店のテクノロジー導入状況」に関するアンケート

■回答者について
回答者のうち67.8%が1店舗のみを運営。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は56.2%(首都圏の飲食店の割合は72.3%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測される。

飲食店のほぼ半数がキャッシュレス決済システムを活用。非接触意識の高まりも影響か


まず、2020年9月の経営状況について、昨年の同時期と比較してもらった。最も多かったのが、「前年同月より30%減った(22.9%)」という回答。次いで「50%以上減った(19.4%)」、「20%減った(14.5%)」と続く。

ちなみに、8月の売上の昨年対比は「前年同月より50%以上減った(34.1%)」、「40%減った(18.3%)」、「30%減った(17%)」となっていたことから、大幅な売上の減少に関しては比較的落ち着いてきていることがわかる。


次に、現在店舗で活用しているITサービスについて聞いた。こちらは半数近くの人が「キャッシュレス決済システム(48.3%)」と回答。この背景には、今年6月まで実施されたキャッシュレス・ポイント還元事業による、システム導入促進の影響もあると予想される。続いて「集客目的で利用する各種SNS(46.7%)」、「グルメサイト・アプリのネット予約サービス(38.2%)」、「多機能型POSレジ(36.8%)」という結果になった。

さらに、その中で特に業務効率化に好影響を与えたシステム・サービスについて聞いたところ、やはり「キャッシュレス決済システム」との回答が最も多く、21.2%という結果に。さらに「多機能型POSレジ(19%)」、「業務効率化に貢献したサービスは特にない(18.5%)」、「集客目的で利用する各種SNS(18.3%)」、「グルメサイト・アプリのネット予約サービス(16.8%)」と続いた。キャッシュレス決済が業務効率化に貢献した理由については、新型コロナによる非接触意識の高まりも少なからず影響していると思われる。


次に、こうした業務効率化を実現するITシステム・サービスについて具体的なメリットを自由回答で聞いたところ、以下のような声が寄せられた。

〈回答抜粋〉
・電子マネーなどのキャッシュレス決済の導入により、お客様にとっての利便性が高まった。さらに感染防止対策にもなり、安心感を与えることができた。(東京都/和食/6~10店舗)

・多機能POSレジ。顧客層別の来店動向を分析できるので、販売対象を絞り込んだ営業で効率的に事業選択できた。(東京都/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)

・Instagram、Facebook等以前から利用していたが、コロナを機に投稿を見て来店されるお客様が増えた。(千葉県/鉄板焼き・お好み焼/1店舗)

・ネット予約サービス。これによって電話で予約を取る時間が大幅になくなり、かつどこまで予約が埋まっているかの確認が大変わかりやすくなった!(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・予約の管理のため、『レストランボード』を利用してからは管理がしやすくなった。(秋田県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)

・インフォマート社の受発注システム。現在一社のみの登録だが、スマホで発注ができる手軽さが便利。 (石川県/その他/1店舗)

飲食店予約サイトからのGo Toイートが集客に貢献。SNSやGoogleマイビジネスも健闘


ところで、集客施策においてはどのようなITサービスが利用されているのだろうか。調査の結果によれば「Instagram」が60.5%と最多、続いて「Facebook(54.8%)」、「Googleマイビジネス(46.3%)」、「自社ホームページ(45.7%)」、「Go Toイート(予約サイトによるポイント付与)(43.2%)」という結果に。SNSやGoogleマイビジネスといったコストのかからないサービスを中心に、10月からスタートしたGo Toイートのポイント還元事業にも積極的に参画している様子がうかがえた。

なかでも特に効果のあった施策について尋ねると、「Go Toイート(予約サイトによるポイント付与)」との回答が32.4%と最も多く、さらに「Instagram(25.8%)」、「Googleマイビジネス(18.8%)」、「Facebook(15.9%)」という回答が続いた。やはり、Go Toイートキャンペーンは利用者に明確なメリットをもたらすこともあり、ある程度の集客効果を生み出していることがわかる。

キャッシュレス決済以外の非接触型サービスについては、約半数の飲食店が未導入


また現在、コロナ感染防止策の一つとして「非接触型サービス」が話題だ。そこで、コロナを機に導入した非対面・非接触システムについて聞いてみると、約半数の人が「特になし(51%)」と回答。「電子マネーやQRコードによるキャッシュレス決済」と答えた人は4割近くいたものの、多くは実用に至っていないことが明確となった。


集客や客単価の向上にITサービスの導入を検討する店がある一方、後ろ向きな声も


そんなコロナ禍を脱しきれていない今、店舗を営業していく中で特に注力していきたいことについて尋ねたところ、「リピート客の獲得」との回答が最多で62.4%、次いで「新規客の獲得(53.7%)」、「客単価の向上(39.9%)」、「食材ロスの削減(38%)」、「感染防止対策(36%)」と続いた。

その上で、こうした目標や課題を実現させるために導入した(あるいは導入を検討している)ITサービスがあるか聞いてみると、「オンライン決済など利用者の利便性を図るもの」、「テイクアウトやデリバリーを充実させるもの」、「食材発注や顧客管理などの業務を簡易化させるもの」といった回答が寄せられた。

<回答抜粋>
主な課題:リピート客の獲得・人件費の削減等
・売上予測ができるMA(マーケティングオートメーション)ツールは必須かと思います。(東京都/お弁当・惣菜・デリ/6~10店舗)

・予約管理と顧客管理システムの連携を検討中。リピート客へのサービス強化を進めていきたい。(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

主な課題:新規客の獲得・客単価の向上・テイクアウトサービス等
・Stripe決済(オンライン決済システム)を利用した自社テイクアウトサイトの作成。(東京都/アジア料理/2店舗)

主な課題:客単価の向上・テイクアウトサービス・デリバリーサービス等
・出前館への加入。Facebook、Twitterに加え、新たにインスタグラムのアカウントを開設。(東京都/その他/1店舗)

・foodpanda(フードパンダ・フードデリバリーサービス)の加入は検討している。(兵庫県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

主な課題:感染防止対策・業務の効率化・人件費の削減等
・お客様のスマホからQRコードでオーダー出来るシステムを導入し、接触率の削減と、より少ない人材で回すオペレーションを実現したい。(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・インフォマートの受発注システムの導入を検討。(群馬県/居酒屋・ダイニングバー/6~10店舗)

・セルフオーダー端末は検討中。(広島県/カフェ/6~10店舗)

しかし一方で、「ITサービスを導入することでむしろ手間がかかるのでは」、「導入する予算がないので検討の余地なし」、「何がどう役に立つのかわからない」といった声も多く聞かれた。飲食業界全体におけるDX化にはもう少し時間がかかりそうな印象だ。

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