2020年の飲食店を振り返る。 9割の店舗が売上減少の中、状況を前向きに捉える声も

1月12日

画像素材:PIXTA
新型コロナウイルスの感染拡大により、大きく変化した2020年の飲食業界。客足の減少や新しい生活様式への対応など、例年とは異なる状況に苦労した飲食店経営者も多かっただろう。そこで「飲食店リサーチ」では、飲食店経営者や運営者に、2020年がどんな年だったか振り返ってもらうアンケートを実施。今回はその結果を紹介していく。

■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:519名
調査期間:2020年12月16日~2020年12月18日
調査方法:インターネット調査
アンケート結果:「飲食店における2020年」に関するアンケート

■回答者について
回答者のうち67.6%が1店舗のみを運営。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は55.1%(首都圏の飲食店の割合は70.9%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測される。

2020年の総売上、89.8%の飲食店が減少を経験


まず、2020年11月の経営状況を2019年の同月と比べてもらった。すると、最も多かったのが、「前年同月より50%以上減った(21.2%)」という回答で、次に「30%減った(18.5%)」、「20%減った(16.2%)」と続く。10月の経営状況について同様の調査を行った際には、「前年同月より30%減った(16.4%)」、「50%以上減った(15.4%)」、「20%減った(15.2%)」となっており、11月に入り経営状況が落ち込み始めているようだ。


また、2020年の年間総売上を2019年と比較してもらったところ、「2019年の総売上より30%減った(20.6%)」という回答が最も多く、「40%減った(16.8%)」、「70%以上減った(13.9%)」という回答が続く。昨年よりも「増えた」と回答した人は、わずか7.5%だった。一方、「減少した」と回答した人は89.8%にも及び、ほとんどの飲食店の売上が昨年より減少している実態が浮き彫りとなった。


コロナ禍で、衛生面や3密を気にかける客が増加

コロナ禍では、お店に来店する消費者の動きもこれまでと大きく変わった。そこでお客様の動向に関する変化を尋ねたところ、59.9%の人が「衛生面を気にする人が増えた」と回答。続く、「1組あたりの人数が減った(57.0%)」という回答も5割を超えている。さらに「夕方以降の来店が少なくなった(43.9%)」、「滞在時間が短くなった(28.7%)」という回答が続く。こうした背景には、消費者が3密を避けた食事を意識しているほか、政府や自治体による外出自粛や時短営業などの要請が影響しているとみられる。


次に、コロナ禍の飲食店経営で最も苦労したことについて聞いた。すると、「売上の減少(87.7%)」という回答が最多となった。さらに、「店舗家賃・光熱費など固定費の確保(51.1%)」、「コロナ関連の給付金・補助金・助成金の申請(48.2%)」という回答も約5割の人が選択しており、売上の減少に苦しむ飲食店が多い様子がうかがえる。

また、こうした状況下で新しくスタートしたサービスや工夫について尋ねたところ、最も多かったのが、「座席の消毒など衛生管理の徹底(74.8%)」という回答。多くの店舗で、感染防止対策が当たり前となっていることがわかる。次に「テイクアウトサービス(47.6%)」、「デリバリーサービス(22.2%)」という回答が続き、外食機会が減少するなか、テイクアウトやデリバリーに活路を見出している飲食店が多いことが明らかとなった。

新型コロナに翻弄された1年だが、前向きな意見も多数


最後に、2020年を振り返ってみての感想を自由回答形式で回答してもらった。「新型コロナウイルスに振り回された」「大変な1年だった」と苦悩している経営者がいる一方で、「経営を見直す機会になった」「新たなチャレンジを始めた」など、現在の状況を前向きに捉えている経営者も少なくなかった。

<回答抜粋>
新型コロナウイルスに振り回された、苦労した
・コロナ禍前までは順調だった経営状態。今回の影響で自店の強みであった夜営業が完全に弱みとなり、過去に経験したことのない苦境を強いられた(千葉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・コロナに振り回されてあっという間だった。補助金や助成金などの助けで乗り切ったが、来年も続くとなると正直厳しい(愛知県/カフェ/1店舗)

・コロナウイルスへの対策や準備で疲弊した1年でした(愛知県/フランス料理/1店舗)

新たな気づきがあった
・ランチ営業、テイクアウト、通販と今まで経験し得なかったことを経験できた。飲食店の限界も理解した上で、新たなるスタートの年とコロナに教えてもらった(東京都/焼肉/1店舗)

・飲食店として大変な時期でしたが、広告費、メニュー、人件費などの見直しができた。また、デリバリーやテイクアウトなど、新たなサービスの可能性が見つかった年でもあると思う。この経験を生かし、今後の飲食店経営をしていきたいです。(東京都/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)

・コロナ禍による売上減により、今まで経験したことがないことが起こり、大変な1年でしたが、それと同時に自社の弱みも把握・改善する動きが出てきて、筋肉質の経営に1歩踏み出せた良い面もありました(東京都/その他/11~30店舗)

テイクアウト需要の増加を実感した
・コロナの影響で売上が落ち、テイクアウトの需要が急激に増えた(東京都/その他/1店舗)

・住宅街がありテイクアウト需要、土日の集客は確保できていたので助かった(神奈川県/フランス料理/1店舗)

・テイクアウトのお客様に対して、ご注文商品が出来上がり次第、車までお持ちするサービスを行ったところ、大変好評を得ました(岐阜県/鉄板焼き・お好み焼/2店舗)

政府の補償や常連客、Go Toイートなどに助けられた
・小さな個人店なので、厚い補償を頂けました。国と常連様に助けていただきました(東京都/イタリア料理/1店舗)

・コロナ関連の支援金について。申請書類は多かったですが、非常に助かった(東京都/専門料理/2店舗)

・過去に類をみないような大変な1年でした。繁忙期がことごとくつぶされ、国・自治体からの支援金も微々たるもので倒産寸前でした。とは言え、なんだかんだGo Toイートに助けられた部分も大きかったです(東京都/居酒屋・ダイニングバー/6~10店舗)

2021年に入ってからもなかなか先が読めない状況が続いているが、今回の調査では、この状況をチャンスと捉え、前向きに動き出している飲食店の声も多く聞かれた。コロナ禍で“選ばれる店”となるためにも、2020年を振り返り、2021年の店舗経営に役立ててほしい。

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