インボイス制度、飲食店の34.2%が準備を開始。インフレ・円安下における節税対策のリアルを調査
2022年12月22日

<本調査について>
■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)回答数:416名
調査期間:2022年10月28日~2022年10月31日
調査方法:インターネット調査
■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち75.0%が1店舗のみを運営。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は50.0%(首都圏の飲食店の割合は66.6%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測される。<調査結果について>
原材料高騰など昨今の社会情勢が節税対策のきっかけに
まず、現在の節税状況について尋ねたところ、25.0%が「特に対策はしていない」と回答。「対策したいと思っているが、できていない(34.9%)」と合わせると、「現状対策していない」店舗は、59.9%にのぼる。一方で、「対策をしている」店舗は、40.1%だが、前述の通り「対策したいと思っているが、できていない」との回答が34.9%見られることから、節税に前向きな飲食店が多いことがわかる。




節税対策中の店舗のうち、76%が必要経費を計上
続いて、節税について「対策をしている」と回答した方に、具体的に行っている節税対策を尋ねたところ、最も多かったのは「必要経費の計上(76.0%)」。次いで「青色申告(53.9%)」、小規模企業共済、経営セーフティ共済などの「共済への加入(49.7%)」が続く。全体を見ると回答者の約8割が2つ以上の節税対策を実施していることもわかった。

34.2%の店舗がインボイス制度の準備を始めている
税理士への相談状況を調査したところ、最も多かったのが「相談している(53.6%)」との回答。半数以上がプロにお願いしていることがわかった。対して、費用などを理由とした「相談したいが、できていない」との回答も12.3%見られ、ジレンマを抱えている店舗も一定数いることがわかった。

■知識が少なく、節税の始め方がわからない
- 正直よくわからないことが多い(東京都/6~10店舗/お弁当・惣菜・デリ)
- 専門的知識に乏しいので、許される節税とそうでない対策があまりよくわからない(東京都/1店舗/そば・うどん)
- 物価が上がっているのでできるだけ支出を抑えたいが、何から始めればいいのかわからない(千葉県/1店舗/カフェ)
■コロナ禍で支給された助成金等による税負担増
- 助成金が粗利として計上されたため、納税額が予想以上に上がってしまい、苦心している(大阪府/2店舗/居酒屋・ダイニングバー)
- 去年一昨年と協力金を多く貰ったため、各種税金が跳ね上がって大変(東京都/1店舗/居酒屋・ダイニングバー)
■インボイス制度開始に伴う悩み
- インボイスの仕組みがいまいちわからない点(東京都/3~5店舗/居酒屋・ダイニングバー)
- インボイス制度により消費税の支払いが始まるため価格などビジネス全般の見直しを考えている(広島県/1店舗/カフェ)
■節税するほど利益が出ていない
- 節税に回すほどのキャッシュ・フローがない(兵庫県/1店舗/居酒屋・ダイニングバー)
- そもそも利益が出ていない(秋田県/6~10店舗/居酒屋・ダイニングバー)
■効果のある節税対策を知りたい
- 相談しても当たり前の節税しか出てこないので、他の節税対策を知りたいです(東京都/3~5店舗/バー)
- もっと効果のある節税対策を知りたい(東京都/1店舗/その他)
■その他
- なかなか節税効果が出ない。どこまでやっていいのかわからない(東京都/3~5店舗/イタリア料理)
- 税理士さんがマメに連絡をくれるタイプではないので、自分で調べて聞かないと何もわからない(東京都/1店舗/居酒屋・ダイニングバー)
- 専門家に依頼するのにもお金がかかるため頼みづらい(和歌山県/1店舗/カフェ)
- 節税したいと思っても、費用対効果が良い方法を検討する余裕がない(東京都/2店舗/カフェ)
飲食店向けの節税対策はさまざまな方法があるが、なかには一定の条件を満たさないと利用できないものもある。各店舗の経営状況に応じて、どんな節税対策が有効か調べることが大切だ。この機会に改めて、自分の店舗の支出と収入について見直してみてはどうだろうか。
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