飲食店の予約管理・顧客管理の実態を調査。ネット予約普及も最多経路は「電話」
2月20日
画像素材:PIXTA
予約を受け付けている飲食店にとって、「正確な予約管理の徹底」はスムーズな店舗運営を行う上で非常に重要だ。特に昨今は、電話や来店での予約だけでなく、インターネット経由の予約も普及し、経路が多様化。より細やかな管理が必要とされている。そこで今回は、飲食店の予約管理や顧客管理の現状を調査するため、飲食店経営者や運営者に対しアンケートを実施した。<本調査について>
■調査概要
調査対象:飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)回答数:375
調査期間:2024年1月16日~2024年1月24日
調査方法:インターネット調査
■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち70.4%が1店舗のみを運営。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は52%(首都圏の飲食店の割合は68%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測される。<調査結果について>
予約経路の最多は「電話」で48.6%
最初に、現在メインで運営している飲食店の予約受付状況について答えてもらったところ、85.6%が「はい」と回答。多くの飲食店で予約を受け付けている様子が明らかとなった。
次に、予約を受け付けている店舗に、12月の予約状況が予想と比較してどうだったか尋ねたところ、店舗によって状況が分かれる形となった。「予想通りだった」との回答が最も多く、42.1%。次いで、「実際の予約状況が予想を下回った(31.5%)」、「実際の予約状況が予想を上回った(26.5%)」との回答が続いた。
さらに、予約を受け付けている店舗に、12月の予約経路について、最も多かった経路を教えてもらった。すると、最多は「電話」で48.6%。近年浸透してきている「グルメサイト(食べログ/ホットペッパーグルメ/一休/ぐるなび/ヒトサラなど)」は29.6%だった。この結果から、飲食業界においては未だ電話予約が主流であることがわかる。
52.3%が「予約管理ツール」の導入も、ダブルブッキング対策に苦労の声
続いて、予約を受け付けている店舗に、予約管理ツールの利用状況について質問したところ、52.3%が「はい」と回答。半数超の店舗が何らかの予約管理ツールを導入している一方、残る47.7%は「いいえ」と回答しており、専用ツールを使用せずに(もしくはアナログ的な方法で)予約を管理している店舗も多い。
また、予約管理ツールを利用している店舗に、スムーズに予約を管理できたか尋ねたところ、「はい」との回答が72.0%に及んだのに対し、「手間どった」(おおむねスムーズにできたが、やや手間どった=25.6%、いいえ=2.4%)との回答も28.0%見られた。
そこで、予約管理ツールの利用に手間どった店舗に、スムーズではなかった理由を聞いた。すると、最も多かったのは「複数の予約ツールを使っていて連携(ダブルブッキング防止対応)が面倒だった」との回答で44.7%。次いで、「席の調整など現場での管理が大変だった(36.2%)」、「空席情報のリアルタイム反映が大変だった(25.5%)」、「電話予約が多くて予約管理ツールへの手入力が大変だった(25.5%)」との回答が続いた。
43.7%の店舗が「紙の予約台帳」で顧客管理を実施
続いて、「顧客管理ツール」として認識しているものを尋ねる質問では、「予約台帳システム」が60.5%で最多に。次いで、「紙の予約台帳(51.5%)」、「POSレジ(33.9%)」と続き、予約台帳を顧客管理ツールと認識している人が多いことがわかった。続いて、実際に顧客管理ツールとして利用しているものを尋ねたところ、最も多かったのは「紙の予約台帳(43.7%)」との回答。次いで「予約台帳システム(32.8%)」と続く。このことから、飲食店においては、予約管理と顧客管理をセットで行うケースが多いとわかる。
さらに、「上記をすべて利用していない(13.6%)」と回答した方に、その理由を尋ねたところ、各店からさまざまな声が寄せられた。
顧客データを収集・管理する必要がない
- スナックなので特に必要としていない(東京都/カラオケ・パブ・スナック/2店舗)
- 規模の小さい個人店なので必要ないので(神奈川県/バー/1店舗)
予約を取っていない(少ない)ため、顧客データを収集・管理する機会や手段がない
- (予約は)数少ないので、(管理ツールを導入するより)紙の方がやりやすい(静岡県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
- 予約自体多くないのでシステムは必要ない。お金をかけてまでは必要なし(東京都/バー/1店舗)
使い方への不安、負担が増える懸念
- 難しそうだから(大阪府/テイクアウト/1店舗)
- 手間がかかるので(神奈川県/洋食/1店舗)
最後に、2023年の忘年会予約における無断キャンセルの発生割合を尋ねたところ、「無断キャンセルは発生しなかった」との回答が73.3%で最多となった。対して、全体を見ると26.7%の店舗で無断キャンセルが発生していることがわかる。4店に1店で無断キャンセルが発生していることを考えると、決して少ない数字とは言えないだろう。
今回のアンケートでは、8割超の店舗が予約を受け付けている一方、予約管理ツールの利用はこのうちの約半数にとどまった。また、予約管理ツールを顧客管理の目的でも活用する人が多く、お店の予約の有無や頻度が顧客管理の方法に大きな影響を与えていることがわかった。
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