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スタバがストローを廃止! 拡がる環境問題対策、飲食店が出来ることは?

2018年8月20日(2023年6月9日更新)

拡がる環境問題対策、飲食店が出来ることは?

Photo by iStock.com/PeskyMonkey


『マクドナルド』や『スターバックス』が「ストロー」の廃止を決めるなど、飲食店による環境問題対策が世界的に行われています。今回は、プラスチック製ストロー廃止の背景と日本での環境対策への取り組み、厨房から取り組むべき食品ロスの対策方法をご紹介します。

海洋汚染の原因となるプラスチック類。大手企業が続々廃止

世界的に展開する『マクドナルド』や『スターバックス』などの大手チェーンが、プラスチックのストロー廃止へ向けて動き出した背景には、プラスチック製品による「海洋汚染」という深刻な問題が挙げられます。産業環境学者ローランド・ガイアー博士によると、これまで生産されたプラスチックは83億トン。63億トンがゴミに、このうち79%が埋め立て地など自然環境に蓄積されているそうです。

ストローの廃止に向け世論が大きく動いたきっかけは、2015年に注目を集めた生きたウミガメの鼻からストローを取り出す痛ましい動画でした。ストローはその形状や軽さのため海洋生物がのみ込んでしまうことが多いのですが、アメリカの海岸に、750万本のプラスチック製ストローが廃棄されたままであるとの推計が出されている研究もあります。

こうした中、プラスチック製品の使用禁止は世界的な広がりを見せています。たとえば、メジャーリーグの『シカゴ・ホワイトソックス』は、ホームの球場でプラスチック製ストローの使用を廃止。『アラスカ航空』などでも使い捨てプラスチック製品の使用廃止が進んでいます。日本では、『スターバックス』が他国の店舗と同様に2020年までにプラスチック製ストローを全廃すると発表。また、『日本マクドナルド社』は、2025年までにプラスチック製から紙製のストローへの切り替えを検討しています。

日本の飲食業界が取り組む「エコマーク」とは?

日本の飲食店の環境問題対策の1つに「エコマーク」の取得が挙げられます。2017年9月、公益財団法人・日本環境協会が飲食店の認定基準を制定しました。飲食店ができる環境への配慮として大きく6つの基準を設定しており、それぞれにある10個の項目の中からいくつかクリアすることで取得することができます。

最初にエコマークを取得したのが地球環境保護を理念に掲げている『吉野家』。また、『モスバーガー』、『プロント』、『名鉄レストラン』、『レストラン デニーズ』なども取得しています。

エコマーク取得に取り組むことで、環境問題へ向けて対策を取ることができます。具体的な基準と項目の代表的なものを見てみましょう。

①食材を選び、無駄なく運ぶ
・輸送距離の削減を意識し、地元の食材を使っている。
・通い箱などを利用し、梱包の削減に取り組んでいる。

②フードロスを減らす
・食品廃棄物の発生量を把握している。
・小盛メニューや料理の量を調節できることを示している。

③省エネ・節水
・エネルギー使用量を把握している。
・LEDなどの省エネ機器を導入している。

④エコな備品・設備を使う
・食器や箸は繰り返し使用できるものを使っている。
・グリーストラップを定期的に掃除、洗浄している。

⑤エコな店舗運営
・環境に関する法規などを守っている。
・スタッフに環境教育を行っている。

⑥お客様とのエコ活動
・エコマークを店内に表示している(認定後)。
・マイ箸、マイボトルなどの持参を推奨している。

このようにエコマーク取得のための取り組みには、すぐに始められるものも多くあります。少しずつでもできることから始めることで、対策を取ることが可能になることでしょう。

拡がる環境問題対策、飲食店が出来ることは?

Photo by iStock.com/piyaset


まずは食品ロスを減らすことから

飲食店で出来る環境問題対策の1つが、「食品ロスを減らすこと」です。食品ロスは、廃棄の過程などで温室効果ガスを排出し、地球温暖化を進める要因の1つとなっています。また、世界の食糧問題にも大きく影響しています。

食品ロスの対策は、まず、食材の廃棄量を減らすことが必要です。食材の発注オーバーや、保存管理の不手際、調理ミスなどで発生します。そのため食材の廃棄ロスを防ぐには、以下のようなものが考えられます。

まず、営業前に出来る仕込みと、営業中に生じる仕込みを区別しましょう。営業前にやる仕込みは、野菜の下処理や大量の切りもの、煮込み料理の仕込みなどがあります。仕込みに時間がかかるもの、コンロやオーブンを長い時間使うもの、場所を広く使うものは、営業時間前にやっておいた方が良いでしょう。また、営業中の余裕のある時間には、調味料のチェックと補充をしておきましょう。忙しい時間帯に限ってなくなるものです。また、ラップやホイルなどの消耗品や備品の整理や補充も大切です。

・どのような場面で、廃棄ロスが生じているのか把握する
・メニューに応じて適正な在庫・発注量を把握する
・「先入れ先出し」など食材の保存・管理のルールを決める
・調理ミスを防ぐため、調理工程の見直しをする

また料理の食べ残しを防ぐことも必要でしょう。発注や調理の際に気を付けても、食べてもらえない食材はロスとして廃棄しなければならなくなってしまうからです。食べ残し対策としては、以下のようなものが挙げられます。

・「小盛り」のメニューを作り、お客様が食べきれる量を選択できるようにする
・食べ残しが見込まれる「ツマ」などの食材を減らす
・食べ残しが多く発生する宴会では、提供する量をあらかじめ幹事と相談しながら決める

環境問題というと大きな問題に聞こえてしまいがちですが、飲食店が日々の業務の中で、対策できることは多くあります。少しずつでも、できることから始めてみてはいかがでしょうか。

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