
写真はイメージ。画像素材:PIXTA
国内のワクチン接種、人口の58.0%が1回接種
経済活動再開のカギとされている、新型コロナウイルスのワクチン接種。 首相官邸が公表しているデータによれば、9月3日時点の累計接種回数は、約1億3300万回。全人口の58.0%が少なくとも1回以上接種、47.1%が2回の接種を終えています。65歳以上の高齢者では、89.1%が少なくとも1回以上の接種を終え、87.1%が2回接種済み。都道府県別では、すでに人口の50%以上が2回の接種を終えている地域もあり、このまま進めば国民の半数以上が2回の接種を終える日も近いでしょう。
ワクチン接種を巡っては、ワクチン接種証明書を国内で活用する動きも出てきました。菅首相や加藤官房長官が会見で、現在海外渡航者向けに発行しているワクチン接種証明書を国内でも活用していく考えを示しています。
経団連もワクチン接種証明書の早期活用を提言。ワクチン接種証明書を提示することで割引や特典を付与し、経済の活性化を図ることなどが検討されています。実際に国内でワクチン接種証明書が活用されるようになれば、現在苦境に立たされている飲食店の売上回復につながるかもしれません。
東京では、飲食店従事者を対象とした接種が始まる
国内のワクチン接種が進むなか、飲食店で働く人を対象とした接種を始める地域も出てきました。東京都では、一部の大規模接種会場の接種対象者を飲食業従事者にも拡大。都内に在住または在勤の飲食業従事者(パート、アルバイト、派遣社員等も含まれる)であれば、インターネットで予約をすることで、ワクチンの接種を受けられます。また、新宿区でも区内の飲食店で働く18歳以上の人を対象としたワクチン接種を開始しました。このように飲食業従事者が優先的にワクチンを接種できる取り組みが様々な地域で行われているため、居住地だけでなく、店舗がある地域の取り組みについても確認してみると良いでしょう。
飲食店従業員のワクチン接種はどうするべき?
米国など諸外国では、社員にワクチン接種を義務づける企業も出てきていますが、日本企業の多くは慎重な姿勢を取っているのが現状です。日本ではワクチン接種は努力義務とされ、個人の意思に委ねられていますが、先日『ミライザカ』などを展開する大手飲食店の「ワタミ」が、一歩踏み込んだ施策を打ち出しました。同社は、ワクチン接種済み、またはPCR検査をした従業員の名札にマークを付ける方針を発表。11月オープンの店舗から順次開始していくとしています。ワタミの取り組みについては、ワクチンの有無を示すことでお客さんの安心感につながるという考えがある一方、従業員の間に格差が生じてしまうのではないかという懸念もあり、様々な議論が飛び交っています。
ワクチン接種は、経済回復のカギとして期待されていますが、従業員のワクチン接種については、接種を希望しない人にも十分な配慮が必要です。職場が接種を強制するよう圧力をかけるのはもちろん、ワクチン接種をしない人が差別を受けることがないようにするなど、飲食店側も慎重に動く必要があるでしょう。
飲食業界専門の求人サイト『 求人@飲食店.COM 』では、飲食業界の求人/採用に役立つコラムなどをご紹介しています。求人募集や採用に関するご相談などもお気軽に お問い合わせください。
【関連記事】
■ 飲食店の労働環境を整える、社内ルールのつくり方。コロナ禍こそ既存ルールの見直しも■ ウィズコロナ時代、飲食店の採用活動はどうなる? 新たに知っておきたいコツと注意点