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採用・選考の基本ルール
そもそも、労働者の採用・選考にあたっては、国によって明確なルールが定められています。国が事業主に課しているルールの一部を紹介しましょう。・年齢制限の禁止
労働者の募集・採用の際は、年齢制限を設けることが原則として禁止されています。また、求人広告で「年齢不問」としながらも、年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を理由に採用・不採用を決定したりするのも違法です。
・性別による差別の禁止
男女雇用機会均等法によって、事業主は労働者に性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならないと定められています。
・公正な採用選考
事業主には、応募者の基本的人権を尊重したうえで、その適性・能力に基づいた採用選考を行うことが義務付けられています。家族状況や生活環境といった応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採用・不採用を決定してはいけません。
求人広告に使用できない表現とは?
国が定めた採用・選考の基本ルールに則り、求人広告では使用NGの表現がいくつかあります。例えば「主婦歓迎」という文言。どちらかの性別に限定する理由がある「適用除外職種」として認められている求人でない限り、対象を女性に限定するような呼びかけはできません。女性からの応募を増やしたいときは、「主婦活躍中」といった事実にフォーカスした表現を用いましょう。また、特定の地域に住んでいる人に求人を限定することもできません。そのため「○○周辺にお住まいの方歓迎」ではなく、「○○周辺にお住まいの方が多数活躍中」という表現に切り替える必要があります。
その他、業務内容や給与体系、福利厚生などの実態に誤解を生じさせるような表現もNGです。例えば、月給に固定残業代が含まれる場合、交通費の支給に条件がある場合などは、その旨を必ず原稿に記載してください。
求人広告の肖像権・著作権に注意!
求人原稿を作成する際は、写真の「肖像権」に注意しましょう。「肖像権」とは、本人の承諾なしに、顔や体などの容姿を他人に公表されたりしない権利のことです。人が写った写真には肖像権が発生するので、たとえ現役で働いている社員が写っていても、必ず本人に掲載許可を取る必要があります。退職したスタッフの写真の掲載は基本的にNGです。
また、誰かが作り出した創作的な表現には著作権が発生します。写真の背景などにキャラクターグッズなどが写り込んでいると、意図せずとも著作権を侵害していることになります。万が一のトラブルを避けるため、写り込みがないか原稿納品前によく確認しましょう。
求人原稿は、一度作成すると同じ媒体への掲載を継続することが多いもの。NG表現の使用や権利の侵害がないかをチェックするために、そして内容をブラッシュアップしてより反響を上げるために、定期的に見直しを行っていきましょう。
なお、以前掲載した広告の原稿を、そのまま他媒体に使いまわすことはできません。求人広告は、一度媒体に掲載すると権利関係が発生します。別の媒体に掲載するときは「内容を見直すいい機会だ」と捉え、新たな原稿を作成してください。
求人媒体にはさまざまなものがありますが、質の良い媒体は担当者のサポートが手厚い傾向にあります。原稿にトラブルのもとになるような点があれば、見落とさずきちんと指摘してくれるはずです。「採用できれば媒体はなんでもいい」と思わず、質の良い媒体を選ぶことも大切にしましょう。
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