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強みや特徴を列挙するだけでは印象に残らない
求人原稿を作ることになった場合、多くの方は「自店の強みや特徴をアピールしなければ」と考え、それらをできる限り列挙しようとするのではないでしょうか。例えば
・未経験可
・昇級あり
・学生、主婦(夫)歓迎
・まかないあり
といった内容です。しかし、こうした「強み」はありきたりで他店との差別化が難しく、求職者の目を引くことはできません。また、アピールポイントを裏付ける理由や詳細が書かれていないため、「このお店で働きたい」というイメージを持ってもらうことも難しいでしょう。
自店の強みで求職者の悩みを解決できることをアピール
求職者は、求人情報を「このお店で働くと、自分にどのようなメリットがあるか」という視点で見ています。つまり、魅力的な求人情報とは、求職者に「このお店で働けば、自分にメリットがありそう」とリアルにイメージさせるものだと言えます。求職者が働くメリットを感じられる原稿を作るためには、まずは架空の人物を応募者に定めます(ペルソナ設定)。そして、その人に刺さるように自店の強みを表現する方法を考えていきます。
パティシエを募集する結婚式場が求人情報を出す場合を例に挙げます。この式場の強みはパティシエのための専用工房があることです。
・ペルソナ
街のパティスリーに勤務していたパティシエ。前職では結婚式場と取引があり、ケーキを搬入していたが、時間経過で見た目や味が劣化してしまうことにジレンマを抱えていた。
・求人原稿の表現
「パティシエ専用の工房完備で、味も見た目も一番よい状態で提供したいというパティシエの思いが叶います」
ただ「パティシエ専用工房完備」と書くだけよりも、パティシエに「ここで働きたい」と思わせる求人原稿になったのではないでしょうか。
特別な強みがなくても、切り口を変えるだけで魅力はアップする
「求職者にメリットを感じさせると言っても、自店には特別な強みや際立った特徴はない」と考える方もいるかもしれません。しかし、とりたてて強みや特徴がなくても、表現の切り口を変えるだけで求人情報の魅力を高めることができます。例えば、キッチンの従業員がホールにも出る店の場合。求職者が「これまで働いてきたお店では調理のみしており、お客様の表情や反応がわからなかった」という悩みを抱えていると想定し、「ホールに出る機会もあるのでお客さまの顔が見え、お客さまの要望を反映する料理を作れる」と表現してみるといいでしょう。
DX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的なら、「飲食業は好きだが、オーダーミスや会計ミスをしがち」という求職者を想定します。「デジタルツールを効果的に活用し、オーダーや会計のミスを防いでいる。接客に専念でき、自信を持って働ける」と書いてみましょう。
また、先に挙げた「まかないあり」「学生歓迎」といったアピールポイントも、「一人暮らしで食事の用意が億劫な学生」「同世代の仲間が多い学生」というペルソナを設定し、「一人暮らしの学生に好評のまかないあり」「近隣大学の学生多数在籍」と書き換えるだけで、求職者に刺さりやすい情報にすることができます。
魅力的な求人原稿を作成するのに大切なのは、求職者の思いを想像し、寄り添うこと。これから求職原稿を作成する方は、ぜひ意識してみてください。
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