加盟店が近隣にあると開業できない!? 飲食FCのテリトリー制＆エリア制の基本

2022年12月06日フランチャイズ開業の基礎知識

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フランチャイズチェーン（以下、FC）に加盟して飲食店を開業することを検討している方なら「テリトリー制」や「エリア制」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか？

この2つは、個人オーナーとしてフランチャイズに加盟する際の大切なポイントです。「聞いたことはあるものの、詳しい意味はよく分からない」「なんとなく分かっているけれど、もっと詳しく知りたい」という方のために、今回は飲食FCにおけるテリトリー制とエリア制について解説します。

開業後の売り上げにも関わる大切なルールなので、FCへの加盟を考えている方はしっかりと理解しておきましょう。

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同FCの“共食い”を防ぐテリトリー制

テリトリー制とは、同じFCの店舗同士がシェア争いをする、いわゆる“共食い”が起こらないように、加盟店の商圏を保証する制度のことです。商圏とは、店を利用する可能性がある顧客が生活している物理的範囲のこと。仮に自分が出店をした後で近距離に同じブランドの別のオーナーが出店した場合、自分の店舗の売り上げに大きく影響することが想像できます。

FC本部としては、店舗を増やすことも重要なポイントのひとつなので、出店の障害となるテリトリー権を与えたがらない場合もあるようです。しかし、出店するオーナー側からしたら、自分の店舗の売り上げに関わることなのでテリトリー権が欲しいと考えることが自然でしょう。

FC本部はさまざな背景やシチュエーション、会社全体の売り上げなどを考慮しながら店舗オーナーへテリトリー権を与えるかどうかを検討しています。だからこそ、店舗オーナー側もさまざまなケースを想定して、テリトリー権について考え、納得したうえで契約を結ぶ必要があるのです。

テリトリー制には、大きく分けると3つの考え方があります。

1. クローズテリトリー制
「同じ市内には1店舗だけ」というように、加盟店の独占的な営業を認める方法です。ただし、必ずしも「クローズテリトリー制だから安心」というわけではありません。定める範囲はそれぞれのFC本部によって異なりますので、しっかりとその内容を把握するようにしましょう。

2. オープンテリトリー制
同じ市内には3店舗までなど、出店舗数を制限する方法です。前述のクローズテリトリー制の方が安心だと感じる方もいるかもしれませんが、あえて加盟店同士が競争できる環境を構築することで、全体の売り上げを伸ばすといったメリットがあると言われています。

3. ロケーション制
テリトリー権がオーナーには与えられないため、FC本部は自由に出店することが可能です。極端なことを言うと、隣に加盟店が出店したとしてもオーナー側は文句を言えないということになります。もちろん、FC本部がこのように加盟店のことをまったく考慮しないのは問題となりますが、そういったトラブルを回避するためにも契約前にしっかりと確認することが必要です。

地域ごとの綿密なサポートを可能にするエリア制度

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エリア制度とは、加盟店をFC本部だけが管理するのではなく、特定の地域ごとに本部を設ける制度のことです。

日本全国にある加盟店の管理をFC本部一箇所でするのは時間がかかり、地域ごとのきめ細やかなサポートも難しくなります。そこで地域ごとに本部を置くことで、FC本部の負担を軽減し、その地域の気候や住む人に合わせた店舗へのサポートも可能にするのがエリア制度。各地域の本部が加盟店の募集や契約を行うケースもあるようです。

エリア制には大きく分けると2つのシステムがあります。

1. エリア・ディベロップメント・システム
FC本部が各地域の本部に対して、そのエリア内で直営店を展開する権利を与えることを指します。方針やマニュアルを各店舗に反映させやすいというメリットがあるようです。

2. サブ・フランチャイズシステム
FC本部が各地域の本部に対して、直営店の展開やFCの加盟店を募集して出店させる権利を与えることを指します。デメリットはエリア・ディベロップメント・システムに比べ方針の徹底やマニュアルの浸透が難しくなること、メリットは出店のスピードが早くなるとことなどです。