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厨房から火を出さないために。飲食店が必ずやっておくべき防火対策

2020年3月12日(2023年6月20日更新)

厨房から火を出さないために。飲食店が必ずやっておくべき防火対策"

画像素材:PIXTA


飲食店を営むうえで「絶対あってはならない」ことのひとつが、火災。しかし、飲食店から発生する火災は増加傾向にあります。では、日頃からどのようなことに気をつければよいでしょうか。今回は、火災につながる原因とその対策をご紹介します。

飲食店からの出火原因は「放置」がトップ

東京消防庁の発表によると、管内では全体的に火災件数が減っているにも関わらず、飲食店から発生する火災は増加傾向にあります。おもな出火原因のトップが、鍋などを火にかけたままその場を離れたり、火にかけたことを忘れる「放置」で、飲食店の出火原因の約3割を占めるそう。そのほかにも、以下のような原因が報告されています。

・電気機器の接触部が過熱する
・周囲のものに接炎する
・電線やコードなどがショートする
・過度に熱する
・ガスに引火する

電気系統など思わぬところからの出火もありますが、まずは最も多い、放置する・忘れるという人為ミスを防止するべく、日常的に注意喚起を図るための対策が必要です。

■防火意識を高めよう
厨房スタッフ全員で改めて「火事を防ぐ」意識を高めましょう。就業前のミーティングなどで、

・鍋やフライパンを火にかけたらその場を離れない
・燃えるものをコンロの周りに置かない
・コンロまわりの清掃

といったことを再確認し合い、注意を促すようにしましょう。注意事項を書き、目に見えるところに貼りだしておくのもよさそうです。

■コンロの位置や燃焼機器の点検
コンロの位置が壁に近づき過ぎていると、火が燃え移る原因になります。必ず壁から充分な距離をとりましょう。また、火が付きにくいなど点火の具合が悪いときは必ず何か原因があります。そのままにせず、専門業者に点検をしてもらいましょう。

■コンセントまわりの掃除やコードのチェックも
コンセントにホコリがたまっていると、ホコリが空気中の水分を含み、プラグから漏電・発火するおそれがあります。とくに冷蔵庫や電気オーブンなど大型電気機器の裏は要注意。こまめに掃除をしてホコリをためないことが重要です。また、コードなどが劣化するとショートし発火するおそれがあるので、古いものは使わないようにしましょう。

汚れた排気ダクトが延焼拡大の原因に

厨房から出火した場合、排気ダクトなどに付着して層になったような油に引火し、延焼ルートとなって火事が拡大するおそれがあります。どの程度油を使った調理をするかにもよりますが、排気フード(天蓋)など目に見えるところは日常的に、排気ダクトなど目に見えない奥の方は1年に1回ほど点検し、整備するようにしましょう。
厨房から火を出さないために。飲食店が必ずやっておくべき防火対策

画像素材:PIXTA


■排気フードは日常的に油汚れをチェック!
排気ダクトの入口となるフードは、樋(とい)やオイル抜きのプラグなどから油もれをする前に清掃しましょう。まずは、フードの下をビニールなどで養生します。内側や樋に洗剤などを塗布した後、ナイロンタワシもしくはステンレスタワシなどで汚れを除去。取り切れない場合は、へら状のスクレイパーをつかってこそげとります。最後にウエスなどで仕上げ拭きをして完了です。

■グリス除去装置はフィルターの目詰まりをチェック!
グリスフィルターにホコリや油分がたまると、排気が悪くなります。フードの油汚れがいつもより増えたり、吸い込みが悪いように感じたら、フィルターを確認して掃除をしましょう。フィルター部分を取り外し、ブラシなどでまず油塵をあらかた取り除きます。その後、洗剤入りの水槽につけ置き、油が浮いてきたら水道水で洗浄を。よく乾いてから取り付けます。なお、つけ置いた水は中和してから排水しましょう。フィルターケースも同様です。

■排気ダクト内部も点検・清掃をしよう
グリス除去装置の奥には、火が伝わるのを防ぐ防火ダンパーがあり、さらに排気ダクト、排気ファンへと続きます。しかしながらここに油塵が堆積すると、火が伝わり延焼してしまう原因に。1年に1度を目安に、専門業者に頼んで点検・整備をしましょう。

原則として、飲食店における消化器の設置は義務付けられている

2019年10月1日より、調理を目的とした火を使用する設備・器具を設けたすべての飲食店に、消火器具の設置と点検・報告が義務化されました。改めて、消化器の設置場所や使い方をスタッフ全員で共有しておきましょう。

なお、調理器具に「調理油加熱防止装置」「自動消火装置」「圧力感知安全装置などの安全装置」が1つ以上備わっている場合は例外となります。

飲食店からの火災を防ぐためには、防火意識の向上や清掃、調理器具・厨房設備のメンテナンスが不可欠。厨房機器も過熱防止などの安全装置が備わったものを選びましょう。

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